表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/100

ダンジョンのモンスターハウス

累計PV120,000PV突破です。

ありがとうございますm(_ _)m

嬉しいです(^o^)

「この物置ですか?」

「はい、この物置ですね。鑑定してみてください」


連絡してから1時間もしないうちに、冴木(さえき)さんが家に到着した。

早くない?


「あー、モンスターハウスって表示されますね」

「他に情報あります?」

「いえ、モンスターハウスのみですね」


そうなの?

やっぱり鑑定と鑑定眼の差なのかな?


「私には、入ったら魔物を全滅させるか5分経たないと出られないと…」

「全滅か5分か、ですか」


冴木さんは少し考えてから、聞いてきた。


緑川(みどりかわ)さんは魔法攻撃のみですか?」

「そうです。いつもちょっと離れたところから魔法で倒してます」


狭いところや近いところでどうやって戦うのかな?

魔法を撃って大丈夫かな?


「モンスターハウスだと全方位から魔物が出てくるはずです」

「冴木さんはモンスターハウス体験済みですか?」

「そうですね。3度ほどありますが、全部遺跡の一室とかでしたよ?

さすがに物置はなかったですね」


やっぱりうちのダンジョンは、変わってるみたいだ。


「遺跡ですか…その時はどのくらい魔物出ましたか?」

「200体くらいだったと思いますよ」

「に!?にひゃく!?」


そんなに出て来るの!?


「どうしますか?止めますか?」


いやいや、止めないですよぉ。


「やりますよー!!魔法撃ちまくります。

ストレス発散します!!!」

「何かありましたか?」

「職場でちょっと…なのでやります」


ガッツポーズして宣言したら、笑われた。


「わかりました。

でも物置の中だと身動きが取れないかもしれないので、

気をつけてくださいね」

「わかりました」

「では、まいりましょうか」


私は頷いて、物置のドアを開けた。



「私、物置に入りましたよね?」

「間違いなく」

「なんですか?ここ?」

「中は空間が広げられてるみたいですね」


そう、ものすごい広い空間だった。

ここなら魔法を撃っても問題ないよね?



『モンスターハウスを開始します。

制限時間は5分です。では開始です』



「あっ、始まりますよ?

緑川さん、気をつけてくださいね」


空間のあちこちからスライムが出てきた。


「モンスターハウスの魔物もスライムですか」


冴木さんはメガネをクイっとあげて、笑う。

ちょっと笑顔怖いですよ?

もしかして戦闘中は、性格変わったりします?



鑑定

スライム(羽属性)レベル6

光と聖のスライムで稀に誕生することがある

合体変異種扱いである



さっきモンスターハウスを鑑定した時に、

表示されたスライムの情報と同じだね。


「羽属性のスライムみたいです。レベル6と出てます」

「なるほど、それでふわふわした感じなんですね」


言いながら、どんどん倒してるのはさすがだけどね。

そう。

羽スライムは浮いてるのもいるし、床にもいる。


どのスライムもぽよんぽよんって感じではなくて、

ふよんふよんって感じで動いている。


私も倒さなくちゃね。

どの属性魔法が有効かな?

手当たり次第行こうかな!



アイスバレット!

ロックバレット!

サンダーバレット!

ホーリーバレット!

ライトバレット!

ウォーターバレット!

ウィンドバレット!

ファイヤーバレット!

ダークバレット!

フレイムバレット!

マッドバレット!

スタンバレット!



今、覚えてる属性ってこのくらい?

とりあえず全部効いたみたいだけど。


バレットって散弾銃みたいだから、

たくさんスライムが固まっていると、

一撃で何体も倒せるらしい。

普段って1体ずつ倒してるから、気がつかなかったな。


「冴木さん、奥になんかデカいのがいます」

「モンスターハウスのボスですかね?」


ボスなんているの!?


「ボス倒したら終わりですか?」

「普通はそうなのですが、

緑川さんの鑑定では、全滅か5分かなんですよね?」


そうだった。


「なら、全滅ですね!」



鑑定

ボススライム レベル10

魔法防御強化スキルで魔法が効きにくい

蓮の魔法威力なら100発程度必要



レベル10!?

いきなり?

羽スライムは、レベル6なのに!?

今の私には倒せないでしょうよ!?

そもそも、魔法が効きにくいみたいだしなぁ。


「あのデカいのレベル10です。

魔法防御強化スキルを持ってて、魔法が効きにくいみたいです。

私の魔法だと100発程度必要みたいです」


「では、ボスに適当に魔法を撃ち込んで、

あとは羽スライムを倒しててください。

私が物理でボスを倒します」


持ってる剣がキラリと光った。


「わかりました。けど私も攻撃する必要はあるんですか?」

「攻撃しておかないと経験値がもらえなくなりますので」


へぇー?

そういうものなんだ?


「わかりました。何発か魔法を撃ってから、羽スライム倒します」


そう言って、デカいスライムにアイスランスとサンダーランス、ファイヤーランスを撃ち込んで、


「あとお願いします!」


と冴木さんに丸投げした。


「承知しました」


冴木さんの動きが変わった。

スピード速っ!

あっ、私も羽スライムを倒さないと!



アイスバレット!

ロックバレット!



バレットならこの2つが使いやすいね。

どんどん使っていく。

スライム増えなくなってきた。

あと少し?


まだまだ撃つよ!!

ストレス飛んでけーーー!!


『モンスターハウスのモンスターが、全滅しました』


『制限時間の5分が終了しました』


『モンスターハウスをクリアしました』


『メグミハントダンジョン初回モンスターハウスクリア特典が2人に贈られます』


『スキル【選択のドロップ】が贈られました』


『魔石は討伐数分をインベントリに、それぞれ保管しました』


『ドロップは【選択のドロップ】で選択してください』



頭に響いてたアナウンスが終わると、物置が消えた。


えっ?

なんか色々言われたけど、何から確認すれば?


「緑川さんもインベントリ持ちですか!?」


あっそうだ。

それぞれ保管って言ってた。


「冴木さんも?インベントリ持ちだったんですね?」


でも、いつもお米とか運んでくれてたのは、マジックバッグだったよね?

聞いてみると、


「あれはインベントリを秘密にするための偽装工作みたいなものです」

「でも本物のマジックバッグでしたよね?鑑定しましたし」

「もちろん、本物ですよ。ただ時間停止がないので、マジックバッグに入れたように見せて、インベントリに移してました」


なるほどね。

それで食べ物なのに売りに出しても大丈夫なわけだ。


「野菜も果物も新鮮そのものなわけですね」

「はい。お互いにインベントリのことは秘密で」

「やっぱりあまりいないんですか?」

「私以外は、緑川さんしか知らないです」


えー!?そーなの?


「それは秘密ですね」

「緑川さん、羽スライムの魔石いくつありますか?」


えーと?


「98個あるみたいです」


すごい倒したよね?

そう言えばさっきレベルアップも流れたよね?



『緑川蓮のレベルが8になりました。レベル9にアップするには、経験値80,640が必要です』



って、何よ?

必要経験値80,640っておかしくない?

経験値10,080でもドン引きだったのに…



「あっ、今もらった【選択のドロップ】ってなんだと思いますか?

いつもみたいにドロップしてないんですよね?」


また新しいスキルもらったけど。


「ですね、スキルって言ってましたよね?」


言ってたね。

スキルなら鑑定出来るよね?



鑑定

選択のドロップ

表示されたドロップ品リストから

好きなものを選択して

ドロップさせることが出来る



「なんかドロップ品を選べるってことですか?」


鑑定の説明だとそういうことだよね?


「そのようですよ?スキル起動したら、獲得ドロップ数とドロップ品のリストが表示されました」

「えっ?起動してみます」


冴木さんに言われて、【選択のドロップ】を起動してみる。



選択のドロップ起動

羽スライム

ドロップ数 98

ドロップ品リスト

ハイヒールポーション

エクストラヒールポーション

エリクサー(ドロップ×5)



んっ?


「冴木さん、エリクサーってなんですか?」

「ポーションのはずですよ?今まで出たことないと思いますよ。エリクサー」

「そうなんですか?」


また新しいものが出てきたか…


「緑川さんはドロップ品リストは、いくつ表示されてますか?私は3個なのですが」

「私も3個です。ハイヒールポーションとエクストラヒールポーションとエリクサーですね」

「私はエリクサーではなく、パナシーアポーションですね」

「パナシーアってなんでしたっけ?」

「たぶん万能薬ですね。鑑定するのに、1本ドロップさせてみてもいいですか?」


それはもちろんいいけど。


「鑑定では全ての悪玉に効くと出てますね」


悪玉って何!?

病気の元みたいなもの?

効くってことは、進行が抑えられるだけってこともないだろうし。

1本で完治するとかでもないのかな?


ハイヒールポーションも症状によって必要本数違ったもんね。

でもさ、全てのって文言があるよね。

気になるよね。


「悪玉がよくわかんないですけど、悪さするものはなくなりそうな感じはしますね」



パナシーアが鑑定出来るなら、エリクサーも1本ドロップして鑑定してみよう。



鑑定

エリクサー

失くした手足が生える

身体的機能を正常な状態に戻す



はっ!?こっちもすごくない!?


手足が生える!?

生える!?


身体的機能って、何を指すのかな?

何を正常な状態にしてくれるんだろう?


病気やケガで失くしたものが、戻る?


たとえば、片方だけ摘出した胸とか?

透析もしなくても良くなるとか?

詰まった血管とかは?

潰れた軟骨とかは?

私の思いつくことなんてこの程度だけど。

治るならすごいよね!


「すごいんですけど、どうもドロップ数が5個と引き換えのようなのです」


あっ、この×5ってそういうこと!?


「それなら、エリクサーもですね。×5になってます。失くした手足が生えるみたいですよ?」

「はっ!?生えるんですか?」

「鑑定では生えると言ってます」


冴木さんは唸っている。

どうしましたかね?


「どれを選択するべきでしょう…」


別にどれでもいいよね?


「ダンジョン課で必要と思うもので、いいんじゃないですか?」


私、どれも必要ないけど?

エリクサー飲んだら、体内が正常になるかもだけど。

健康診断前に飲んどく?

なんちゃって。


あれ?待って?

悪玉に効くなら、健康診断前に飲むのは、エリクサーじゃなくてパナシーアかも?


そんな軽いノリで飲んじゃダメなやつか。

やるなら解析して、作ってからにしよう。


「いやでも、緑川さんの収入なので」

「あっ、これもそうなんですか?」

「もちろんです」


そうなんだ?


「それならなおさら、ダンジョン課のって言うか、冴木さんの判断で大丈夫ですよ?

次回の選択には、パナシーアとかエリクサーとか出ない可能性もありますし?

今後、羽スライム出るかも不明ですしね」


冴木さんは、ハッとしてから、


「そういう可能性もありましたね」

「エリクサーならあと18個いけますよ?」


20にはちょっと足りなかったね。

先に1本ドロップさせたけどね。


「でしたら、エリクサー18個お願いしても大丈夫ですか?私はパナシーアを23個いきます」


冴木さんもさっき1本ドロップしてるしね。


さすが冴木さん。

120体以上倒してたんだね。

それなら私の98は頑張った方では?



「冴木さん、今日の魔石とかポーションとか全部預けてもいいですか?」

「もちろん大丈夫ですよ」

「実は1階層からストレス発散を名目にスライム倒しまくってきたんですけど」

「なるほど?」


1階層80個と泥属性の1個。

ヒールポーション80本。


2階層40個と電気属性の1個。

ミドルヒールポーション40本。


3階層40個とモンスターハウスの98個。

ハイヒールポーション20本。

エクストラヒールポーション20本。

エリクサー19本。


なんですけど?

大丈夫です?


そう、冴木さんに告げると乾いた笑いが聞こえた。


「すごいですね。ちなみに泥と電気のドロップ品は?」

「あー泥はマナポーションでした。

作れないか後で調べてみるつもりです。

電気は宝箱で経験値5倍のアンクレットでした」


ついでに、エリクサーとパナシーアも一本ずつ買取は待ってもらうことにした。

だってその2つも調べたいもん。


「マナポーションと経験値5倍の魔導具、ですか!

経験値5倍はすごいですね」

「でも5倍と言われても、元々スライムを倒して、

経験値がいくつ入るのかわかってないんですけどね」

「スライムはわかりますよ?

レベル1のスライムは経験値1です。レベル3なら3ですね」


おー!そうなんだ?


でもそれなら10,080には、まだまだ届かないんじゃない?

なんでレベルアップ出来たのかな?



「魔物によって経験値は違うんですか?」

「そうですね、レベル1のウルフとかだと経験値10とかですね」


へぇー。

さすが最弱の魔物のスライムだね。


「あっ、そう言えば、ボススライムからは、何かドロップしましたか?」


倒したのは冴木さんだから、私の方には何もない。


「すみません、忘れていました。

魔石1個と剣でした。リストは出ませんでしたね」


冴木さんが見せてくれたのは、

まんまるの魔石とやけにキラキラした剣。


鑑定

浄化の魔石


鑑定

ロングソード(魔法剣)


魔法剣!?

魔導具とは違うのかな?

これは調べたいね。


「魔石は買取お願いしてもいいですか?」

「もちろんです。剣はどうなさいますか?」

「とりあえず調べたいです」

「承知しました」



「そんなわけで、経験値5倍の魔導具とか出来たら連絡してくださいね」


あれ?

作るなんて一言も言ってないのにな?

バレバレってことなの?

お読みいただきありがとうございます!

もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m

トーヤのテンションがあがります(笑)


感想、誤字脱字報告もありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
そもそも物理も魔法も無効化持ってるからまず負けることないんじゃ?
更新お疲れ様です。 >経験値5倍のやつ作れたら教えてね そりゃねぇ…2倍でも多分普通に引く手あまたでしょうに、×5ですからなぁ。 取得経験値が多い=それだけキツいダンジョンに潜ってる人ほど欲しがるで…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ