ダンジョンがあるので課長はやりません
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「いつになったら、新しい課長は来るんですか!!!!」
私は部長の席で直談判している。
前の使えないセクハラモラハラパワハラ勘違い課長が左遷されてから、
ずっと課長代理をさせられている。
いつになったら、新しい課長は決まるのかな?
目を逸らすのは、止めてもらってもいいですか?部長?
「いやだから、緑川くんが課長やってくれないかね?」
「お断りします!何度も断ってますよね?
いい加減ちゃんとした人事お願いします!」
机をバンバン叩きたいところだが、会社なので止めておく。
「ちゃんとした人事、だからこそ緑川くんに」
「しつこいですね、部長。やりませんからね。絶対に!」
「でもだな?」
「もしムリヤリ辞令とか発行するなら、会社辞めますからね」
ポケットからボイスレコーダー取り出して見せる。
もちろん会社都合で、ですけどね。
ボイスレコーダーを見た部長が黙る。
私は辞めても全く問題ないんだもの。
ダンジョン収入が毎月ほぼ200万はあるのだ。
米と野菜と果物だけで。
川魚の買取価格はまだ出てないみたい。
それに魚も加わるし、魔石やドロップの買取もある。
ぶっちゃけ、収入面で会社に来る必要性は、
全くなかったりするんだよね。
課長が来る。
やっと課長代理から解放される。
張り出された辞令を見て、うちの課全員の気持ちが一致した。
バカ息子はいらないんですけど!?!?
社長の2番目の息子が、課長としてやってくるらしい。
長男は仕事の出来るキレ者との噂だが、次男はロクな噂を聞かない。
おかしいな?
ちゃんとした人事で課長よこせって、
お願いしてたはずなんだけどなぁ?
いや待て?
もしかしたら、噂は噂だけかもしれないし、
実際は出来る人かも知れないよね?
会ったこともないのに、決めつけは良くないよね。
そんなことを思って、初日は期待したこともありましたけどね。
1週間経って、うちの課全員ブチ切れる寸前です。
「緑川さーん。限界です」
「前の課長よりタチ悪いですよ」
いやもう、ホントにどうしてくれようか。
「…部長のところ行ってくる」
お願いします!って全員に送り出された。
「部長?ちゃんとした人事をお願いしたはずですが?」
あら?思ったより低い声出ちゃったわね。
「どうしたんだね?緑川くん」
「どうした?よくそんな他人事みたいなこと言えますね?」
「何の話だね?」
もしかして把握してない?
信じられない。
「この1週間で、社長のバカ息子が、
何をやらかしたか知らないんですか!?」
「緑川くん、声が大きいですよ」
声だって大きくなるわよ。
「ちゃんとした課長をお願いしましたよね?
何で前の課長よりタチの悪い仕事の出来ないのをよこしたんですか!
取引先からクレームの嵐ですよ?
余計なことしかしない。
出来もしない仕事に手を出して、データを破壊する」
綺麗さっぱりなくなったデータを、
誰が打ち込み直したと思ってるんですかね!?
「勝手に取引先に出向いて行く、アポ無しで。
社長の息子を前面に押し出して、
一方的に契約の内容を変更させようとする」
頭おかしいでしょ!?
「女性職員にセクハラをする。
デートの強要。
断れば、会社にいられないようにしてやるとのモラハラパワハラ発言」
どんな教育されてきたんですかね?
「俺って仕事出来る!と自己肯定感高すぎるし?
俺は社長の息子だからと踏ん反り返ってますよ。
七光りもいい加減にしてほしいですよね?
1週間でみんな限界です。
全員辞める勢いですよ?
どうにかしてください」
ホントに、どうにかしてくれないと、困るんですけど!?
「まさか、そんなことがあるわけないだろ?
社長のご子息だぞ?」
「佐々木くん?」
隣の部屋から社長が現れた。
あら、隣に社長いたんだ?
それなら、ちょうどいいじゃない?
「社長も部長もちゃんと聞いてくださいね?」
私は1週間のボイスレコーダーの録音を聞かせた。
これで、社長が自分の息子を庇うようなら、
この会社も大したことない。
近いうちに終わるわね。
それなら私は、サクッと辞めるわよ。
そんな人が社長の会社とか信用できないじゃない?
「あんの、バカ息子がっっっっ!!!」
社長の怒号に部屋が揺れたわね。
ビックリしたわ。
「バカ息子が申し訳ない。キッチリとシメる」
社長がそうは言ってるけどね?
「本当ですか?あそこまで使えないのは、
今まで社長が甘やかしてきたからなんじゃないんですか?
いまさらシメたところでどうにもならないのでは?」
「緑川くん、慎みたまえ」
部長?社長の前だからって取り繕ってもダメよ?
「どうしてですか?
たった1週間でめちゃくちゃ会社にも損害出てるんですよ?
部長わかってます?
あんなのを課長にした部長の責任も問われるんじゃないですか?」
「君は社長の私に悪印象を残してもいいのかね?」
はぁぁ!?
相手が社長だからって媚びるとでも?
ないわー。
「今更ですね」
ホント今更だわ。
「前課長に行き遅れのババアだの、
クビだ辞めろだのと言われて、
会社都合で辞めますよって言ったのを、
引き止めたのはそちらでしょう?
新しい課長が決まるまでと課長代理をされられて?
いつまでも課長は決まらないし?
課長代理と言いながら給料は変わらないし?
課長が来たと思えば、
害悪にしかならないバカで無能ですしね?
むしろこちら側が貴方達経営陣に対して不信の感情しかないですよ?
連続でセクハラモラハラパワハラ勘違いの無能な上司なんて最悪ですよ」
しばらく言葉を失っていた社長は、絞り出すように言った。
「うむ、申し訳なかった。しかと対応させてもらおう」
「とりあえず、あの無能の課長は今すぐにでも引き取ってもらえます?
本当にいらないので」
「…わかった」
いやー【折れない心】すごいわ。
強メンタルありがとう!
その日のうちに課長が交代することが発令された。
社長のキレ者らしい長男の腹心の1人だと言う人物が課長としてやってきた。
今までと違うことを祈るのみだわ。
お読みいただきありがとうございます!
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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