ダンジョン効果が思わぬことを招く
リアクション200突破です。
ありがとうございますm(_ _)m
嬉しいです(^o^)
「蓮ちゃん、ダイエットしてる?」
会社で咲ちゃんにそう訊かれた。
「してないよ?モリモリ食べてるの知ってるよね?」
めっちゃお腹空くんだもん。
「知ってるけど、痩せたよなぁって」
「ホントに!?」
実は確かに少し痩せた。
すっごい食べてるのに痩せた。
どうも魔力がたくさんあると、食べても太らないみたい。
日常的に魔力が増える様になったから、食べる量が追いついてないみたいで痩せたの。
嬉しい誤算だったよ。
「しかも蓮さん、肌とかめっちゃキレイになりましたよね?」
舞ちゃんにも言われた。
嬉しいな。
それは、ヒールポーションのおかげだね。
飲んで良し、化粧水がわりにして良し、の優れものだったよ。
「化粧水変えたからかな?」
「えーどこのですかぁ!?」
「自作?」
「えっ?蓮ちゃん化粧水作れるの?」
まぁそうなるよね。
「なんか調べ始めたら止まらなくなって、作っちゃった」
あはははって笑ってみる。
「でも、それでその効果ならありね!私にも作って欲しい」
「あっ、蓮さん私も!」
「了解!でも合わなかったらやめてね?」
女3人でそんな話をしていたら、後ろからねっとりした声と口調で課長に話しかけられた。
「緑川くん、最近色気付いてるのか?彼氏でも出来たのか」
イラっとするし、気持ち悪いんですけど?
ボイスレコーダーオンにしておこう。
「セクハラですか?」
「何がセクハラだ。コミュニケーションだよ!コミュニケーション!」
と言って、肩を触ろうとして来たので、スルッと避けた。
「触ろうとしないでもらえます?
セクハラですから。
何がコミュニケーションですか。
受け取り側が嫌だと思ったらセクハラなんですよ。
今まで社内のハラスメント研修が何回あったと思ってるんですか!?
まさか自分は嫌がられるはずはない、
とか思ってるんじゃないですよね?」
あっ、言いすぎた?
課長の顔がゆでダコになっている。
「なんだとこの行き遅れのババアのくせに、何がセクハラだ!!」
あーあ、言っちゃったね?
「セクハラの次はモラハラですか?」
うちの課の女性陣全員敵に回したからね?
「モラハラだとっっっ!?ふざけるなっっっっ!!」
怒りで周りが見えなくなってますね。
ふざけてるのはそっちなんだけどね?
その振り上げた手はどうするんですか?
「モラハラの次はパワハラですか?」
トリプルコンボで、1発退場とかにならないんですかね?
「うるさいっ!!おまえなんかクビだ!辞めちまえ!!!」
「わかりました、辞めろと言われたので辞めますね?会社都合でお願いしますね」
「なんだとーーー!?」
うわー頭から噴火しそうね。
「なんの騒ぎだ?田代くん?騒いでいたようだが?」
「部長」
課長は一気にクールダウンしてしまった。
あわあわしてんじゃないわよ。
「いえ、なんでもありません」
はぁ!?
課長以外、はぁ!?って顔にもなるわ。
「緑川くんが田代くんと話していたのかな?」
別に話したくて話していたわけではないですけどね。
「はい。セクハラを受けたので指摘したらモラハラ発言をされ、それも指摘したらパワハラで辞めろと言われたので、会社都合で辞めます」
いいですよね?
「ちょっと待ってくれ!緑川くんの言ってることは本当なのかね?」
課長以外が頷く。
「あっ、部長。こちらを聞いてもらえれば」
ボイスレコーダーを再生してあげた。
さっきのやりとりが、再生される。
「田代くんこれはどういうことかね?」
「いえ、あの、その…」
言葉にもなってないですけど?
「辞めなきゃならないのは、田代くん。
君の方なのではないかな?
上に報告させてもらうからな。
緑川くんは辞めるの待ってもらえないだろうか?」
えー?なんかもう辞める気満々だったんだけどなぁ。
「そうですよ、緑川さんに辞められたら困ります」
えー?そんなことないでしょー?
「課長はいなくてもいいですけどね。
どうせ仕事してないし」
確かにしてないよね、仕事。
何しに来てるんだろうね?
「だよな、いつも口ばっかりでなんも出来ねぇし」
表計算で、合計も出せないのよねぇ。
SUMすればいいだけなのにねぇ?
「俺なんかこの間、やっとの思いでまとめた商談の手柄、横取りされたぜ?」
ホントに碌なことしない。
「あっ、それ俺も」
全方位に敵作るとか、ある意味すごいわよね?
「何年も前からずっとだぞ?
いるだけで害だから辞めてくれたらありがたいよなー」
老害?
害虫?
寄生虫!?
「そうよねぇ、ベタベタ触ろうとしてくるし、
気持ち悪いからやめて欲しいわよね。
何回言ってもコミュニケーションだって言ってやめないし?
コミュニケーションって言えば許されるとでも思ってるのかしらね?」
許しませんけどねぇ。
「緑川さん、よく言ってくれたわよね。
ホントにセクハラだし、
飲みに行こうとか、今夜どう?とか意味わかんないし。
何よ、今夜どうって?ありえないでしょ」
ありえないわー。
「足とか胸とかジロジロ見るじゃないですか、下卑た顔して」
セクハラって言うか、ただのエロオヤジなんじゃないのそれ?
「ホントいい加減にして欲しいよな」
その通りなんだけど、みんなの言う通りなんだけど、我慢してたのわかってるけどね。
落ち着けー?みんなー?
部長いますよ?
課長本人もいるけど。
それはどうでもいいけど。
「緑川さん、課長とかになってくれたらいいのに」
えっ?
「絶対イヤだけど?
課長の尻拭いもごめんだし、
一緒に働きたくもないし、
顔も見たくないので、
部長?
私は辞める選択肢もあることをお伝えしておきますね。
もちろん会社都合で」
ボイスレコーダーを持ち上げてみせた。
私のメンタルをナメんじゃないわよ?
【折れない心】
もらってんのよ。
強メンタルよ!
次の週明けには、課長はもういなかったわよ。
異例の速さと時期ハズレの辞令のおかげでね。
地方の小さな協力会社に平社員として飛ばされていったわね。
だって引き継ぎなんか必要ないものね?
田代さん、仕事してなかったから。
もう戻って来ないで下さいね。
そんなわけで、辞めるキッカケはなくなっちゃったんだけどね。
で、次の課長が決まるまで、課長代理をやらされるハメになった。
このまま課長やらされるんじゃないでしょうね?
絶対やらないわよ!
お読みいただきありがとうございます!
もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m
トーヤのテンションがあがります(笑)