ダンジョンナビアプリ
さっき、気づいたんだよね。
ナビィのタブレットに、ダンジョンナビアプリってのがあるってことに。
いやー実はタブレットってさー?
冴木さんとの連絡ツールくらいにしか思ってなかったのよ。
いやー驚いたわ。
タブレット、ドロップしてから1ヶ月も経つのにね?
ものは試しってことで、アプリ開いてみたらね?
まぁすごいのよ。
コンテンツがたくさんよ。
ダンジョンの所有者同士で交流できる掲示板みたいなやつ?とか。
こんなの探してます。とか、こんなのあります。とか、そんなメッセージの一覧みたいのとか。
あとはダンジョンドロップ品のオークション。
買取に出さないでオークションにかけるのもありなのね。
でも税金とか手続きとか面倒じゃないの?
落札金額から税金と手数料が引かれるの?
ドロップをオークションに登録するだけでいいんだ?
なるほど?
あっ、ダンジョン課からのお知らせとかあるじゃない。
すみません。
知りませんでした。
全スルーしたことになるのかな?
冴木さんも教えてくれたらいいのに。
まぁいいか。
1ヶ月困ってないし。
んっ?今メグミハントの文字が見えた気がするな。
なんだろう?
これかな?
はっ!?何これ?
『メグミハント、もっと米だせ!』
『メグミハント、ダンジョン潜らせろ!』
『メグミハント、情報公開しろ!』
こんなのがたくさん投稿されている。
なんなの?
悪意しか感じないんだけど?
「冴木さん?いま大丈夫ですか?」
「緑川さん、どうしました?」
「実は…」
ダンジョンナビアプリにさっき気づいたこと。
色々見てて、メグミハント名指しの攻撃があったことに気づいたこと。
それがものすごくたくさんあったこと。
などを伝えた。
冴木さんは、ちょっと待ってくださいね。と確認してくれてるみたい。
「確かに、米がもっと欲しいと言う要望は届いてはいるのですが、緑川さんにもどうすることもできない問題なので、お伝えしてませんでした。
緑川さんのダンジョンは他の人を受け入れないため、こちらで情報を非公開にしてあります。
なので、他のダンジョンにも入って活動したいダンジョンの所有者の誰かが、
あんなことを書いてるのだと思います」
「他のダンジョンって、開放してるんですか?」
「半々くらいですね」
そうなんだ。
「ならなぜ、うちのダンジョンが名指しで?」
「米がほしいのでしょうね。美味しい上に魔力含有量も多いので魔力回復にはもってこいですからね」
あーそんなこと言ってたね。
「そう言われても、米はいつ精米されるかわからないですし、誰かをダンジョンに入れるつもりもないです」
それだけは、はっきりと言える。
うちのダンジョンに入ったところで、魔物倒しても米がドロップするわけじゃないしね。
まっ、誰も入れないけどね。
「承知しております。
あの投稿者たちには、次やったらアカウント停止の警告と、今ある投稿はこちらで全部削除します。
あとはメグミハントの文字がある場合は投稿できないように調整を入れます」
そこまでやってくれるなら、大丈夫かな?
「お願いします。あとは絶対に私の情報が流れないようにお願いします」
「はい。それは間違いなく」
「ちなみに、そういう人たちには売らないとか、売るなら5倍とか10倍とかの価格で売るとかは可能ですか?」
「ぷっ。っと、失礼。承知しました。そちらもそのように手配しますね」
出来るらしい。
しかし、ぷって笑っちゃってるじゃないの。
「よろしくお願いしますね」
これで大丈夫かな?
アプリは開かないようにしよう。
悪意はいらないのよ。
見なきゃ良かったな…。