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ようこそ!ダンジョンへ!  作者: トーヤ


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ダンジョン課でいいらしい

「秘書兼護衛の出来る人材を探そう。もちろん女性で」


(あおい)が突然そんなことを言い出す。


「なに?どういうこと?」

「この間みたいなことが、また起こらないとも限らないからな」


念には念を入れてだ!と言う。

えぇー!?

よくよく聞いたら、遠野(とおの)さんと松山(まつやま)さんも同じ意見らしい。


確かに(さき)ちゃんと(まい)ちゃんの安全のためには、必要かもだけど…。


そうは言っても、そんな都合よく見つかるとは思えないけど?

秘書兼護衛なんて。



って、思ってたんだけどね。

なんと杏花(きょうか)さんがやってきましたよ?

えっ!?

しかも杏花さんの妹さんの桃花(ももか)さんとご一緒に。

桃花さんは、結婚式の時に挨拶をしただけだったんですけど?

どういうこと?


(れん)ちゃん、久しぶりー」

「杏花さん?それに桃花さんも?」


えーと?


「蓮ちゃん、確か旦那さんのお兄さんの奥さんよね?」


咲ちゃんの問いに頷く。


「もう1人は、奥さんの妹さんじゃなかったですか?」


舞ちゃんの問いにも頷く。


「蒼くんから、蓮ちゃんたちの秘書と護衛を探してるって聞いて、立候補したのよ。ねー?」


と、杏花さんが桃花さんに同意を求めている。


「そうなんです。ちょうど仕事探してんですけど、渡りに船です!」


んっ?


「あれ?蓮ちゃん聞いてない?私たちの実家って薙刀の道場なのよ。そこで護身術も教えてるのよ」

「なので、私たち姉妹もそこそこ強いですよ?ダンジョンにも潜ってるので体力も魔力もそこそこありますしね」


そうなんだ?

全然知らなかった。

でも確かに全く知らない人に秘書とか護衛とかしてもらうよりは、いいかもしれない。


咲ちゃんと舞ちゃんを振り向いたら頷いてたので、オッケーみたいだ。


「本当にいいんですか?護衛よりは秘書って言うか、事務的な作業の方が多いかと思うんですが」


「問題ないわよ」

「全然大丈夫ですよ」


それならば。


「「「よろしくお願いします」」」


従業員が2人増えました。




すっかり忘れてたんだけど、聞かなきゃダメなことがあったんだ。


「蒼、確認なんだけどね?」

「どうした?蓮」


蒼が、ご飯を食べる手を止めた。

ご飯は食べてていいよ?


「ギルドが出来たじゃない?」

「そうだな」

「私も探索者登録しに行かなくちゃダメなのかな?」


ギルドに登録してくださいって感じだったよね?


「それは大丈夫だ。元々、ダンジョンを所有していた人は自動的に探索者として登録されることになっているぞ。いずれ探索者ギルド証が届くと思う」


探索者ギルド証?

そんなのがあるの?


「それは何か意味があるの?」


何か今までと変わる?


「そのギルド証がないと、今回出来た国所有の大規模ダンジョンに入ることが出来ないんだよ」


なるほど。

行かなさそうだけど…。


「あと、うちの収穫の買取もギルドに行かないとダメなの?」


面倒なんだけど…。


「それは、今まで通りダンジョン課で買取してナビアプリで販売したいと思ってるんだが」


ダンジョン課の貴重な収入源なんだって。


「ダンジョン課で買取してくれるなら、今と同じで蒼に丸投げで問題ない?」


丸投げって言うなって、苦笑いされたけど。


「それで大丈夫だ。蓮はそれでいいのか?」

「いいよ?むしろギルドとか面倒だし」


蒼がやりとりしてくれるなら、それが私的には楽でいい。


「それなら、ダンジョン課での買取で頼むな」


蒼に頷いてから、ちょっと考えていたことを相談してみた。


「あのさ、杏花さんたちが会社に加入してくれたじゃない?」

「そうだな」

「思ったんだけど、魔導具も作れること蒼の家族に伝えた方が良くないかな?」

「どうしたんだ?急に」


いやだってさ?

杏花さんたちには、バレるじゃない?

販売リストを見たら、何を売ってるのかわかっちゃうし。


「杏花さんに秘密持たせることになっちゃうじゃない?浅葱(あさぎ)さんに対して?」


家族に話せないのキツくない?


「蓮はそれでいいのか?」

「うーん、蒼の家族だし、いいかなって」


それにさ?


「ダンジョン課の人は、私が作ってるって察してるんだよね?」

「あー、確かに明言はしてないけどな」


だよねぇ。


「だから、蒼の家族に伝えるのは、ありかなって。口止めしてもらえれば…」


私にだって、身内になるんだしね?

どうかな?


「ん。なら次に会う時にでも話そうか」

「うん」


ありがとなって頭撫でるのやめてくれるかな?



「あっ、そう言えば、この間大規模ダンジョンをたくさん作ったじゃない?あれから、加速はおさまったの?」

「そうだ、伝えるの忘れてたな。かなりゆっくりになったぞ」


そうなんだ?

よかった。


「ただ富士山の魔力は、まだ赤いままなんだよな」


あぁ、100万以上を赤に設定したからかな?

私でさえ50万近いからね?

もっと1億以上とか1兆以上とかも設定しておけばよかったのかな?

どのくらい減ったかわからないよね。

失敗したなぁ。


「あの地図ってさ、100万以上が赤なんだよ」

「うん、そう言ってたな」

「だから、元々が1億なのか1兆なのかわからないんだよね…」


なんかごめんって感じなんだけど…。


「今が100万くらいになってるかもって可能性もあるのか?」

「そうだね。100万くらいなら問題ないと思うんだよね。私の魔力が50万近いから…」

「そうだったな。魔導具で47万とか測定されてたよな?あっ、あの魔導具で富士山自体を測定出来ないのか?」


えっ?あれで?


「わからないけど、やってみる価値はある?」

「魔導具借りていいか?都庁の展望台から見えるから測定してみる」

「わかった」


【魔力量測定器0】を渡したら、【魔力量測定器1】も貸してくれと言われた。

【魔力量測定器1】ってどうするの?

魔石の魔力量測定するやつだよ?


念のためと言われた。

まぁ、いいけどね。

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