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ようこそ!ダンジョンへ!  作者: トーヤ


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117/143

ダンジョンナビアプリ魔導具ショップの弊害

累計PV750,000PV突破です。

ありがとうございますm(_ _)m

嬉しいです(^o^)

「ねぇ、(さき)ちゃん、(まい)ちゃん?」

「どうしたの?(れん)ちゃん?」

「その手に持ってる紙の束は、なんですか?蓮さん」


私は、オフィスに届いていた書類を確認していた。


「うちの会社って、従業員の募集なんてかけてないわよね?」

「かけてないわよ?」

「ですねー」


そうよね?

私の勘違いじゃないわよね?


「これ、全部求人に応募して来た履歴書なんだけど!?」

「「はいっ!?」」


50通くらいあるんだけど!?

どこかに求人が出てるってこと!?

それとも誰かの嫌がらせとかなの!?


封筒にはすべて、履歴書在中と記載がある。


「蓮さん、それちょっと見せてもらえますか?」


はい、どうぞ。と、封筒の束を渡す。


「やっぱりだー」


どうしたの?

なんかあった?


「これ全部同じ人の履歴書です」


はぁっ!?

舞ちゃんは封筒を裏返して並べて見せてくれる。


うわっ、本当だわ。


「この人、何がしたいのかしらね?」


と、咲ちゃんがため息を吐く。


「ホントにね…全部まとめて送り返そうか」

「それがいいですよ」

「気味が悪いものね」


怪しすぎるじゃないのよ。


ピンポーン!


来客を知らせるチャイムが鳴る。


「誰か来る予定とかあった?」


2人ともふるふると首を振る。


「荷物とか届く予定は?」

「ないわよー?」


なんか嫌な予感がするんだけど…。


「どうします?」


チャイムが鳴り続けている。


「うるさいから、とりあえず出るわ」


もちろんオートロックは開けないわよ。


「はい」

『いるなら早く出てくださいよぉ』


はっ!?

なにこの人。


3人で顔を見合わせた。

小声でヒソヒソと会話する。


「ちょっとどういうこと?」

「なんなの?意味不明よ?」

「もしかしてこれじゃないですか!?」


舞ちゃんが封筒を指差す。

あり得る?


「どちら様ですか?」

花崎(はなさき)夢子(ゆめこ)ですぅ』


舞ちゃんが封筒の裏面を見て頷く。

マジですかぁぁぁぁ。


「ご用件はなんですか?」

『ここ開けてくださいよぉ』


はぁ!?

開けるわけないじゃない。


「ご用件は?」


久しぶりにちょっと低い声が出ちゃったわね。


『履歴書を送ったじゃないですかぁ。面接に来ましたぁ』


バカなの?

咲ちゃんも舞ちゃんもこめかみをぐりぐりほぐしている。

あえて言うわよ。

頭痛が痛いわっ。


「どちらかとお間違えでは?お引き取りください」


そう言って、インターフォンを切る。


「ちょっと、なんなの?意味がわからないんだけど」

「Ms.クラッシャーかと思ったわ」

「あー、名前も花に夢ですしね」


ピンポーン!


まだ帰らないの?

どうする?


「はい」

『切るなんてヒドイじゃないですかぁ』


ブチっと再度切る。


ピンポーン!ピンポーン!

ピンポーン!ピンポーン!ピンポーン!


「蓮ちゃん、警察に連絡する?」


ずっとチャイムが鳴り続けている。


「1度警告してからの方がよくないですか?」


そうね、そうしようか。


「はい」

『どうして切っちゃうんですかぁ』

「お引き取りをと告げましたが?お引き取りをいただけないなら警察に連絡しますから」


強制的に会話を終了する。


「これでまだチャイムが鳴るようなら警察に通報でいいわよ」


って、鳴るんかい!!

インターフォンのモニターには変わらず同じ人がいる。


「咲ちゃん、警察に連絡お願い」

「わかったわ」


モニター越しに鑑定とか出来るかな?


鑑定

花崎夢子 28

本名 小崎(こさき)(つとむ)

犯罪歴あり

詐欺師

窃盗、強盗


はぁ!?


「ちょっと、あいつ男なんだけど!?」


意味がわからない。


「はぁ!?男!?」

「ホントですか!?」


ホントなのよ。

しかも魔法で姿を変えてるわけじゃなくて、物理的に変えてるのよ。

洋服とか化粧とかでよ!?

たぶん私より身長低いわね。

そう言ったら、2人とも固まったわよ。

ちゃんと女性に見えるんだもの。

ある意味すごいわ。


「うん、しかも詐欺師で窃盗してるし、強盗もしてるみたい」

「犯罪者じゃないですか!」


なんで、犯罪者がうちに面接に?


「ってことは、うちの魔導具を盗みに来たんじゃないかしら」


あー、なるほど?

普通はここに魔導具がおいてあると思うのね。


「ここには何もないのにね?」

「でも犯罪者をこのまま逃すのは、イヤね」

「ですね」


確かに、捕まえてほしいわね。


「警察にもう一度連絡して、小崎努という男の詐欺師だったこと伝えてもらえる?」

「わかったわ。こさきつとむ、詐欺師ね?」

「お願い」


咲ちゃんが警察へ連絡してくれる。


「じゃあ、私はエントランスまで行って、

あいつをバインドで逃げられないように拘束してきます!」


舞ちゃんが立ち上がる。


「危ないわよ」

「大丈夫ですよ!蓮さんのペンダントもあるし、近づかないですから!

目視出来ればバインド出来ます」


電話の終わった咲ちゃんが、


「なら、私も一緒に行くわ」

「それなら私が」

「ダメよ、蓮ちゃんはここでアイツを引き留めてて?」

「………わかったわ。でも気をつけてよ?」


2人は頷いて、オフィスから出ていく。

ホントに大丈夫よね?


未だにチャイムは鳴り続けている。

うるさいんだけど!


「まだいたのですか?」

『少しくらいお話しさせてくれてもいいじゃないですかぁ』


Ms.クラッシャー並みにイラッとする喋り方ね。


「こちらに用事はありませんが?」

『面接くらいしてくれてもいいじゃないですかぁ』


いいわけあるか!


「募集もしていないのに、面接する必要はありませんね」

『えぇー?せっかく来たんですよぉ〜?』

「こちらでお願いしたわけではありませんが?」


どう考えても、アウトでしょ?

求人募集のない会社に履歴書を何十通も送り、勝手に面接だと言ってアポ無しで直撃する?

どう考えてもありえない。

そんな非常識な人物を採用する会社などありはしない。

そんな人間と働くなんてありえないわ。


『そんなこと言わずにぃ、面接お願いしまーす』


ぶりぶりしてる。

これで男って…

女でもありえないけど、男だと知ってるとさらにありえないよね。


スマホのメッセージが、2人がエントランスについたことを告げる。


同時に、花崎夢子もとい小崎努は、舞ちゃんのバインドで拘束された。


スマホが鳴り、咲ちゃんから捕らえたわよと連絡が来た。

すぐに行くと告げて、オフィスを出る。


エントランスに着くと、1人ギャーギャー騒いでる。

咲ちゃんも舞ちゃんも、苦笑いよ。


「舞ちゃんのバインドすごいわね。あんなに暴れてるのにびくともしないなんて」

「お休みの日に那臣(なおみ)さんとダンジョンで練習してたのです!」


ちゃんと会えてたみたいだね。

忙しくて心配してたんだよね。


しかしうるさいわね。


「なんなのよ、これ!なんとかしてよ!何でこんな目にあわなきゃいけないのよ!」

「なんで?あなたが一番わかっているんじゃないかな?花崎夢子さん、いえ詐欺師の小崎努さん?」


私がそう言うと、小崎の顔色がみるみる青くなっていった。

わぁ、すごーい!


「なんだよ、バレてんのかよ。なら魔導具をよこせば許してやるぜ?」


「「「はぁぁぁ!?」」」


「バカなの?」

「それ以外になくない?」

「動けないのは自分なのに、なんで上から目線?」


こっちの3人で、ボソボソ話してたら、


「ごちゃごちゃうるせーんだよ。さっさとこれ何とかしやがれ」


小崎がまだ自分が優位だとでも言うように、命令口調で告げる。


こいつ絶対バカだわ。


「うるさいのは、あなたなんだけど?警察がくるまで大人しく寝てなさいよ。スリープ!!」


小崎は、カクンと眠りに落ちた。

あー、うるさかった。


「早く警察の人きてくれないかしらね?」

「あっ、来たんじゃない?」


んっ?おかしくない?

なんで警察官2人とも小崎に駆け寄って、バインドを解こうとしてるの?

こっちに事情を聞きに来るべきじゃない?


鑑定

小崎の仲間

偽警官


くだらない小細工してくれるじゃないのよ。


「スリープ!!!」


2人もバタンと倒れた。


「蓮ちゃん!?」

「蓮さん!?」


2人が驚いてる。

そりゃそうよね。

警察官を倒したみたいになってるものね。


「あいつら、偽警官。小崎の仲間だったのよ」


「そうなの!?」

「危なかったです。うっかりバインド解くところでした」


「あっ、今度は本物の警察官みたいね」


来た瞬間に鑑定したわ。


「これはどんな状況でしょうか?」


まぁ、そうなるかな。


花崎夢子という人から、募集もしていないのに履歴書が50通も送られてきてたこと。


いきなり今日、面接にきたから入れてくれと言われたこと。


断ってもずっとチャイムを鳴らされ続けたので、次にチャイム鳴らしたら警察に通報すると告げたこと。


それでも続いたので、鑑定したこと。


小崎努という男性の詐欺師だったこと。


逃げられて今後も接触があるのは面倒なので、警察が来るまで拘束していたこと。


あまりに騒いでうるさかったので、眠ってもらったこと。


そこに小崎の仲間の偽警察が現れて、小崎を連れて行こうとしたので、同じく眠ってもらったこと。


そこにみなさんが到着したこと。


そう伝えると、警察官の人は頷いた。


「では、アイツらは我々が責任を持って対処致しますので、拘束を解いてもらえますか」


舞ちゃんが解こうとしたのを、私は待ったをかけた。


「ホントに大丈夫ですか?あの人、小崎の仲間って鑑定に表示されてるんですけど?」

「なっ!?」


逃げようとした警察官。

状況確認をしていた目の前の警察官は、それ以外の警察官に向かって、


「小川を捕まえろ。詐欺師の仲間だ」


それで、絶妙なタイミングで偽警官が現れたわけだね?

あの人から情報が流れてたわけだ。


しっかりしてほしいよね?


詐欺師たち4人を拘束し、50通の履歴書を持って、警察官たちがやっといなくなった。


「疲れたわね」

「ホントですね」

「いい迷惑だわ」



その日、蒼に危ないマネすんな!と怒られたのは別の話である。

お読みいただきありがとうございます!

もしよければ評価もおねがいしますm(_ _)m

トーヤのテンションがあがります(笑)


感想、誤字脱字報告もありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
舞ちゃん「つまらぬ者を縛ってやりました(フンスッ)」 蒼さんにスパスパと三枚下ろしにされなかったのを感謝するがいい(詐欺師、絶対許さない派) ……いや、ちょっと待って……詐欺師野郎って、汚花畑さんに…
更新お疲れ様です。 なるほどこんな感じで直接来る古きよき(?)、いや悪き泥棒もいるんですなぁ…。 今回蒼さんは危ないことするなって怒ってたみたいですが当たり前の話ですね…多分二人の彼氏に話しても同じ…
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