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『秘密のエグゼクティブ・ラブ』〜社長、恋してはいけませんか?〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『その隣にいる意味 ― 41歳、社長と夫と、私たちの未来へ。』
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■第6話「夫婦で旅に出よう」



金沢――。

2人が出張で初めて肩を並べて歩いた、あの思い出の街。


子どもたちの感謝祭から数日後、美咲と悠真は静かに新幹線に乗っていた。

完全オフの2泊3日。

どこにも仕事を持たず、部下からの連絡もシャットアウト。

そして、2人だけの時間。



宿は山間の奥座敷、源泉かけ流しの露天風呂付き客室。

到着したその夜、夕食を終えたあと――


「……露天風呂、入ろっか」


「……うん」


浴衣の帯をそっと外す美咲の手。

そして、悠真も無言のまま服を脱ぎ、その肌と肌がようやく空気の中で触れ合う。


星が見える木の湯舟。

美咲の髪が濡れて、湯の表面に流れる。

悠真は背後からそっと抱きしめ、その背中に唇を寄せた。


「……あの時さ、出張でこの街に来て、駅前のホテルのロビーで、美咲が俺に言ったでしょ。“あなた、もう少し真面目に仕事して”って」


「……言ったわね。あなた、あのとき、本当に調子乗ってた」


「でもさ――それがきっかけで、俺、変わったんだ。あの一言がなかったら、たぶん、今の俺、いない」


美咲は振り返ると、悠真の頬に指を添えた。


「……あのときのあなたも、今のあなたも、全部好きよ」


目と目が重なり、湯けむりの中、ゆっくり唇がふれ合う。


「……美咲」


「なに?」


「結婚してからもう何年も経つけど――改めて、もう一度言わせて。……俺と、これからもずっと一緒にいてください」


「……それ、今さらプロポーズ?」


「うん。でも、大事なことって、何度言ってもいいでしょ?」


美咲は笑って、首をふった。


「……ええ、もちろん。これからも、社長としても妻としても……全部、よろしくお願いするわ」


そして、もう一度、長く、深いキス。


「んっ……ぁ……ふふ……」


やわらかな吐息が夜風に溶け、2人の身体は自然と密着していく。

お湯の中、互いの肌を指先で確かめ合いながら、声にならない想いが交わされる。


「……悠真、触れて。ちゃんと、今の私を」


「美咲……綺麗だよ……ほんとに」


そのまま湯から上がり、濡れたままの身体を浴室の端に寄せて、バスタオルも取らず、裸のまま――抱きしめた。

肌と肌が熱を伝え、心の奥で繋がる。


「んっ……ん、ん……はぁ……っ……」


吐息の合間、美咲の手が悠真の背中に回り、ぎゅっと抱きしめる。


「あなたがいるから、私……戦えてるの」


「俺も、君がいるから、生きていられるんだよ」


その夜、2人は裸のまま、ベッドに戻ることもなく、湯の縁に身体を預けながら――

何度もキスをし、抱き合い、言葉を交わし、愛を深めていった。


そして最後、美咲が囁いた。


「……じゃあ、10年後も、もう一度プロポーズしてくれる?」


悠真は笑って、指を絡めながらこう言った。


「もちろん。その時も……ちゃんと、キス付きでね」


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