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『秘密のエグゼクティブ・ラブ』〜社長、恋してはいけませんか?〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『肩書きよりも… あなたの隣』あれからまた二年後。
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第10話『肩書きよりも、あなたの隣で。』



月曜日の朝。

本社ビルの大会議室には、200人を超える社員が集まっていた。


年に一度行われる「経営方針説明会」。

今年は、復帰を果たした七瀬美咲社長が壇上に立つ初の場でもあった。


「……皆さん、おはようございます」


その一言だけで、会場の空気が一変する。

懐かしさと、緊張と、そして確かな信頼。


「私はこの数年、育児と両立しながら会社を離れたり戻ったりする中で、ひとつ強く思ったことがあります」


「“肩書き”や“立場”より、もっと大切なものがある。

それは――人を信じて、任せて、支え合えることです」


社員たちは皆、静かにその言葉を受け取っていた。


「だからこそ、これからの私の経営方針は“共有”です。

能力も、時間も、家庭も、夢も。

どれも一人で抱えるものではない。“共に生きる”ことを、会社でも大切にしていきたい」


そして最後に、美咲は言った。


「私は社長である前に、母であり、妻でもあります。

でもこの会社にいる限り、全員が“家族のように信頼し合える存在”であってほしい。

これからも、どうぞよろしくお願いします」


会場からは大きな拍手と、なにより静かな尊敬の空気が広がった。



数日後。土曜の午後。

七瀬家には、陽だまりの中、のんびりとした時間が流れていた。


子どもたちはリビングでゲームをしたり、絵を描いたり。

美咲はキッチンでコーヒーを淹れ、悠真の隣に腰を下ろした。


「ねえ、私たちって……最初の頃から考えると、よくここまで来たよね」


「うん。でも、たぶんまだ“途中”なんだろうな」


「そうね。これからも、いろいろある。でも、何があっても――」


彼女が言い切る前に、悠真が口づけをした。


長く、甘く、優しく、けれど深くて熱いキス。


「……“肩書き”とか“社長”とか、全部なくなっても、俺はずっと君の隣にいるよ」


「……それ、すごくいいセリフ。ねえ、今夜もそれ、もう一回言って」


「キス付きで?」


「もちろん」


夜――


子どもたちが眠ったあと、寝室の灯りを落としたふたりは

静かに、そして深く抱きしめ合った。


言葉はいらない。

触れるだけで、信じ合える。愛し合える。


これからもずっと、会社でも家庭でも――


“肩書きよりも、あなたの隣で。”


そう思える時間が続くようにと、祈るようにキスを重ねた。


美咲と悠真。

ふたりの物語は、これからも続いていく。


──完──



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