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『秘密のエグゼクティブ・ラブ』〜社長、恋してはいけませんか?〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
休養・復帰編『肩書きよりも、あなたの隣』-そして2年後も…
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第8話:ただいま、私の居場所



――晴れ渡る空の下、

退所当日の朝。美咲が荷物を手に施設の玄関に出ると、

そこには、ふわりとした白のワンピースに身を包んだ涼子の姿があった。


お腹はもうぺたんこに戻っていて、少しだけ疲れた顔。

でも、何よりも――“母としての強さ”がその笑顔にあった。


「……あんた、来るなら連絡くらいしなさいよ」


「言ったら断るでしょ。だから、サプライズ」


そう言って、涼子は笑った。

そして、一歩だけ前へ出て、美咲の頬に――そっと、感謝のキスをした。


「ありがとう。

あんたががんばってきた分、私も母としてちゃんと産めた。

だから今度は、あんたが“帰る番”。社長としても、母としてもね」


その言葉に、美咲は目を潤ませながら、涼子を抱きしめた。


「……うん、帰るよ。みんなのところへ」



玄関を出て、車に揺られながら、

美咲の胸の奥はじんわりと熱くなっていた。


そして――自宅の玄関。


「……ただいま」


そう呟いた瞬間、ドアの向こうから一斉に聞こえた。


「ママぁぁぁぁっ!!」


子どもたち8人が一斉に飛び込んできた。

誰ひとり順番を守らず、でもそれがまた愛しくて――


「翔真! 律真! 紗良! 詩音! 結翔! 澪! 葵! 大地!……みんな、大きくなったね」


泣きながら笑う美咲に、子どもたちが一人ひとり抱きついてくる。


「ママのこと、がんばってまってたよ」(翔真)

「てがみ、かいたんだよ!」(紗良)

「おふろ、パパとがまんしてたよ」(詩音)

「ママがいないとさみしいけど、ちゃんとねたよ!」(律真)

「おえかき、みてね!」(澪)

「ママのカレー、たべたい……」(葵)

「パパのごはんもおいしいけど……やっぱりママがいちばん」(大地)

「ママ、おかえりっ!」(結翔)


それぞれの言葉に、涙が止まらなかった。


「ありがとう……みんな、本当にありがとう」


一人ずつ、頭をなでて、頬にキスをしていく。

愛おしい命。かけがえのない宝物。


そして夕食は、子どもたちと悠真が作った“歓迎ディナー”。


「おかえりママオムライス」と書かれたケチャップの文字に、

美咲は、もう一度泣いた。



夜。

子どもたちが眠った後、美咲と悠真はリビングに残っていた。


「……戻ってきたんだな、俺たち」


「うん……やっと、ね」


ふたりは、ゆっくりと見つめ合う。


そして――


重なる唇は、深く、長く、甘く、熱かった。


「……っふ、ちょっと……いきなり、激しすぎ」


「もう、ずっと我慢してたから」


美咲の背中に手が回り、

スーツのボタンが外れ、柔らかな肌が露になる。


「……ねぇ、また少し大きくなってない?」

悠真が耳元で囁く。


「……うるさい、でも嬉しい」

美咲が、くすぐったそうに笑って、

そしてそのまま、唇を絡めた。


甘く、息が溶け合うように、そして深く。


リビングの明かりの下で、

ふたりは確かに“夫婦”として、ひとつになっていた。


その夜は、互いの肌もぬくもりも、何も隠さず――

静かに、深く、重なっていった。



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