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『秘密のエグゼクティブ・ラブ』〜社長、恋してはいけませんか?〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
休養・復帰編『肩書きよりも、あなたの隣』-そして2年後も…
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第7話:あなたがいたから、私は帰れる



静養生活も、ついに7か月目を迎えたある日。

美咲の退所が正式に決まり、復帰に向けた最終調整が始まった。


看護師との面談で言われたのは、たった一言だった。


「あなたは、ようやく“社長”ではなく“ひとりの女性”として過ごせましたね」


その言葉に、美咲はゆっくりうなずいた。


「……でも、もう一度、“社長”に戻りたいって思えたんです。

私には、帰る場所があるから」



同じころ――


副社長・相川涼子は、自宅のベッドで静かに呼吸を整えていた。

夜の陣痛が始まり、すでに10時間近くが経過していた。


「ったく……やっぱり最後も双子かい……」


痛みに顔を歪めながらも、彼女は笑っていた。


出産を見守るのは、立ち会いに駆けつけたパートナーの夫と、

そして涼子の母親だった。


「相川さん、あともう少しですよ……!」


助産師の声に、涼子は汗をぬぐいながら叫んだ。


「美咲っ……! あんたががんばってきた分、私も今っ……!」


そして――


元気な産声が、夜の病院に響き渡った。


「女の子です! そして……次、男の子!」


涼子の手には、小さな手がふたつ。

「……ようこそ、わが家へ。今日からあなたたちが、うちの希望よ」


彼女は、母としての笑みを浮かべながら、

そのままベッドで眠るように目を閉じた。



退所の前夜――


美咲のもとへ、悠真から一本の電話が入った。


「涼子さん、無事に産まれたよ。母子ともに健康。

……君にも、また背中を押された気がしたってさ」


「……よかった」


静かに安堵を吐き出すと、美咲は携帯を強く握った。


「悠真、ありがとう。……待ってて。明日、帰るから」


その声の先、悠真も微笑みながら答えた。


「おかえり、美咲。俺はずっと、君の椅子、守ってたよ」


夜が明け、玄関で靴を履いたとき、

美咲は振り返って療養施設を見た。


「あの頃の私がここにいた。

でも、明日からは――未来の私が、会社に戻る」


彼女は、堂々と歩き出した。

もう、社長としての足音を取り戻していた。



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