表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/77

『彼らが守る秘密 ―五人のその後―』



――あの夜から、数か月後。

季節は春、桜が咲きはじめた頃。


場所は同じ中華料理店「芙蓉楼」の個室。

再び集まったのは、あの“秘密を知る五人”。


「懐かしいわね、ここ」

涼子がグラスを手にして微笑む。


「ちょうどあの時、創業記念イベントの準備してたんだっけ」

常務の古賀結花が応える。


今日は“会議”ではない。

あくまで“近況報告と気楽な食事会”。

けれど、集まる理由が“ただの親睦”でないことは、全員分かっている。


◆副社長・相川涼子


「うちの子たち、最近日本語と英語の区別がつかなくてさ。

パパが海外出身だから家の中が常にハーフ会話よ。

でも、夫とはすごくいい関係よ。会社も家庭も、両方手放さないって決めたから」


彼女はワインを口に含み、満足そうに微笑んだ。

“副社長であり、母であり、妻”という人生のバランスを取る彼女の姿に、皆が自然と敬意を向ける。


◆常務・古賀結花


「父が引退して、私が常務を継いで……正直、まだ未熟だと思う時あるけどね。

でも社長がさ、こないだ私のこと“結花”って呼んでくれて。

あの時、本当に支えられてるんだなって感じたの」


彼女はスマートフォンに保存された、美咲と悠真の記念写真を見せながら、ほのかに微笑む。

その目は、尊敬と安心と――少しだけ羨望。


◆専務・広瀬誠一


「親父、こないだ孫が生まれたってめちゃくちゃはしゃいでさ。

“お前もそろそろ結婚しろ”ってしつこく言ってくるんだ。

でも俺は――“こういう夫婦になれるなら”って思える相手を見つけたいよな」


彼は照れ臭そうに笑いながらも、確かに美咲と悠真の姿を目標にしていた。


◆元直属の上司・高梨有紗


「私はもう現場を離れてるけど、ふたりを見てた時期が私の誇りよ。

悠真が成長していく姿、美咲社長が人として変わっていく姿――全部見てきたもの。

2人の子どもたちの話を聞くたびに、私まで親戚になった気分になるの」


穏やかな口調で話す高梨の言葉に、テーブルの雰囲気が和らいだ。


◆若手女性社員・佐伯里帆


「私、転職はしないって決めました。

あのふたりがいる会社で、もっと近くで“信じた人たち”の支えになりたくて。

こないだ3人で食事した時、美咲社長が“ありがとう、同志ね”って言ってくれて……泣きそうになったんです」


彼女はまだ20代半ばの若さ。

だが、その心には確かな“信念”が根付いていた。



会の終わり、涼子がゆっくり立ち上がった。


「この会のことも、ふたりのことも、これからも“私たちだけの秘密”よ」


誰もが無言でうなずく。

5人の中には、言葉より強い“絆”が確かに存在していた。


外に出ると、春の風がふわりと頬をなでた。

桜が揺れ、夜空には月。


ふたりの恋が始まったあの頃よりも、

この“秘密の味方たち”の思いは、より強く、やさしく育っていた。


――そして今も、変わらず。

彼らだけが知る“愛の物語”を、静かに、守り続けている。




最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ