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『極秘会議と五人の証人たち』



場所は都内にある、個室完備の落ち着いた中華料理店「芙蓉楼ふようろう」。

赤い壁に金の装飾が光る、静かで格式ある空間。だが、今夜その個室に集まっているメンバーはただの会食ではなかった。


この会議の出席者は、次の五人のみ――

副社長・相川涼子

専務・広瀬誠一(旧:広瀬忠義の息子)

常務・古賀結花(旧:古賀慶一の娘)

元直属の上司・高梨有紗

若手社員・佐伯里帆


そして、彼ら全員に共通しているのは、

――社長・七瀬美咲と取締役・橘悠真の関係を知っていること。


「じゃあ、始めましょうか。今度の“創業記念イベント”について」

副社長・涼子の声が、料理の湯気の上をすべるように響く。


「社員2万人規模、オンライン配信もあり。企画運営に関しては極秘で進めたいわね」

と常務・古賀結花が言えば、


「特に“誰がステージに立つか”や、“社長と取締役が揃って登壇する時間”は慎重に扱わないと」

と専務・広瀬誠一も真剣な面持ち。


そこへ若手の佐伯里帆が口を挟む。


「でも……なぜ私がこの場に呼ばれたんでしょうか。私は末端の社員です」


高梨有紗がやわらかく笑う。


「里帆さん、あなたは“口が固い”って、皆が信頼してるからよ。

それに、あなたがこの2人の“絆”を一番よく理解してるの、知ってるから」


佐伯は頬を染めて、静かにうなずいた。


「確かに……あのキスを目の前で見た時、この人たちは本物だって思いました。

だから、守りたいんです。あのふたりの秘密を」


涼子はグラスを持ち上げ、全員を見渡した。


「私たちは、もう同志よ。誰にも言えない、でも確かな“真実”を知ってる。

これからもこの秘密を守って、ふたりが堂々と幸せになれるその日まで――

全力で支えていきましょう」


「もちろんです」

「異論はない」

「了解です」

「賛成です」


五人の声が静かに重なる中、ふと厨房から小さな鐘の音が鳴る。

料理が運ばれ、湯気と香辛料の香りが広がる空間で、

“会社の誰も知らない最も重要な会議”は、粛々と進められていった。


そしてその夜、誰も気づかぬまま――

“秘密の絆を知る五人の絆”が、より固く結ばれたのであった。



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