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『秘密のエグゼクティブ・ラブ』〜社長、恋してはいけませんか?〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
『とある大企業の秘密の家族生活:After 5 Years』
43/77

第10話:未来へ、ふたりで――そして、家族で


夜の社長室。

すっかり冷えた空調の中で、ふたりはブランケットひとつ、ソファで重なって眠っていた。


朝6時。まだ誰も出社してこない静寂のオフィスビル。

窓から差し込む淡い朝日が、肌をなぞるように照らしていた。


美咲が目を開ける。

隣には、まだ静かに寝息を立てる悠真の顔。


その肩越しには――互いに脱いだままの服と、昨夜の記憶がそのまま残っていた。


「……なんで、服着なかったんだっけ?」


「……結婚してるからじゃない?」


起き上がった悠真も、照れも焦りもなく、まるで自然なことのようにそう言った。

だが、ふたりとも完全に“全裸”だったことに気づいた瞬間――


「……って、これまずくない?」

「もう完全に遅いわよ。隠すにも無理がある」


しばし沈黙。


「……しょうがないわね、もう」


「うん……結婚してるし……ね?」


そして、ふたりは顔を見合わせて――


「ふふっ」


思わず笑いがこぼれた。


こんな姿でも笑い合える。

恥ずかしくもなく、ただ“夫婦”として自然にいられることが、何より幸せだった。



服を整えて、出社時間ギリギリでそれぞれのフロアへ戻るふたり。


誰にも気づかれないように社長室を片づけた後、エレベーター前でふと立ち止まる。


「今日は……行ってきますのキス、してくれる?」


「ええ。子どもたちにバレる心配もないしね」


静かに交わされる、朝の“いってらっしゃい”のキス。

それは、何年経っても変わらない、ふたりの大切な儀式。


その日、会社では通常通りのスケジュール。

だが、誰も知らない。


前夜、社長室で深く愛し合ったふたりが、今も同じ空間にいて、

同じ未来を見つめていることを。



夕方――

子どもたち8人が待つ家に戻り、再び日常が始まる。


「翔真! 律真! 紗良! 詩音! 結翔! 澪! 葵! 大地! 帰ったわよー!」


「ママーー! パパーー!」


リビングが一気に賑やかになる。

手を洗い、宿題を見て、夕飯の準備をして。

そんな“ありふれた毎日”の中で、ふたりは何度も目を合わせ、微笑み合う。


(この日常こそが、私たちの“未来”なんだ)


夜、子どもたちを寝かしつけたあと。

寝室で再びふたりきりになると、美咲がそっと言った。


「……今夜は、おとなしく寝ましょうね?」


「そのつもりだったけど……美咲がその目で見つめてくるなら、話は別だよ」


「……やっぱり、少しだけ“続き”する?」


静かに、お互いのスーツを脱ぎながら――

最後のキスは、今までで一番長く、熱く、そして甘かった。


「好きよ、悠真」

「……俺も、美咲」


唇が重なり、身体が重なり、心もひとつになる。


“社長”と“取締役”という関係の奥にある、

“妻”と“夫”としての絆――


それは、誰にも見せない。けれど確かに、ふたりの中に生きていた。


そしてまた、朝が来る。


子どもたちに見られないように、

互いにスーツを着て、「いってきます」のキスをして――


ふたりは、またいつもの会社へと向かうのだった。




最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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