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『秘密のエグゼクティブ・ラブ』〜社長、恋してはいけませんか?〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
本編続編 『そして、家族は“ふつう”になる。』
33/77

第10話『未来へ――そして、またふつうの朝がくる』



梅雨が明けたある静かな夜。

橘家のリビングには、8人の子どもたちの寝息が満ちていた。

時計は22時を回り、美咲はキッチンで食器を片付け、悠真はリビングのソファで資料に目を通していた。


「……今日、穏やかだったね」

「うん。静かだと逆に怖いくらい(笑)」


ふたりは並んでソファに腰かける。

長い時間を共に過ごしたはずなのに、こうして並ぶといつも新鮮な気持ちになる。


「ねえ、悠真……」

「ん?」


「久しぶりに、“ふたりだけの時間”……もらってもいい?」


その声に、悠真は手にしていた資料をそっと置いた。

美咲の視線は、優しく、どこか甘えているようだった。



寝室のドアが閉まる音。

その瞬間から、ふたりの空気が変わった。


静かに向き合い、言葉もなく唇が重なる。

最初は優しく、次第に深く――

息が混ざり、熱が重なり、心と心が素肌の距離で寄り添う。


悠真の手が美咲の背中にまわり、

美咲はその首に手を絡ませる。


「悠真……」

「……美咲……」


キスは何度も重なり、熱を帯びていく。

唇だけでなく、頬、首筋、鎖骨……

そして互いの服を静かに脱がせ合い、

やがてふたりは、裸のままシーツの中で抱き合った。


「……私、あなたに出会えて本当に良かった」

「俺も、美咲と出会って、全部変わった」


互いの肌を確かめながら、互いの鼓動を感じながら――

ふたりは、時間を忘れ、ただ愛し合った。


やがて夜が深まり、

ふたりはぴたりとくっついてベッドに眠った。

その姿は、恋人でも、夫婦でも、人生の“伴走者”だった。



翌朝。目覚ましの音が鳴る前に、美咲は目を覚ました。


「……やば、起きなきゃ」

「うん、子どもたち起きる前に」


互いに裸のままベッドから出て、

急いでバスルームでシャワーを浴びる。

そして、鏡の前でスーツに袖を通し、髪を整える。


「……これで、“社長と社員”に見えるかな」

「完璧。まさか昨夜、ベッドで裸だったなんて誰も思わない」


「ちょっと、それ言うのやめて(笑)」


リビングに出ると、まだ誰も起きていない。

その静寂の中で、ふたりはいつものようにキッチンをすれ違いながら、

最後の確認。


「行ってきます、社長」

「行ってらっしゃい、主任」


そして、ほんの一瞬――


他人には見えない場所で、

静かに、けれど確かに、唇を重ねた。


短くも甘い“夫婦のキス”。


この日もまた、“ふつう”が始まる。



エレベーターで社長と主任に戻り、

子どもたちは祖母に預け、

会社では互いに敬語と距離を保ち、

家に戻れば夫婦と家族。


それが、彼らの――“秘密で、ふつう”の生き方。


だけどその“ふつう”は、

誰よりも温かくて、誰よりも幸せに満ちていた。


――そしてまた、朝が来る。

これからも、愛と笑顔と8人の子どもたちと共に。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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