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『秘密のエグゼクティブ・ラブ』〜社長、恋してはいけませんか?〜  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
本編続編 『そして、家族は“ふつう”になる。』
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第6話 『涼子、副社長の結婚宣言!?』



月曜の朝。役員フロアの一室で、月例の執行役会が静かに始まっていた。


「では、次の議題に入ります――」

専務・広瀬が議事を進めるなか、静かに報告を聞く副社長・相川涼子の表情が、どこかいつもと違っていた。


何かを隠しているような、けれど、隠しきれない余裕と照れ。

それに最初に気づいたのは、誰でもない、美咲だった。


会議終了後、涼子を社長室に呼ぶ。


「涼子。……なにかあった?」


「え、何もないわよ」


「……嘘下手ね。

“なにか言いたくて仕方ないのに、言っていいのか悩んでる顔”してる」


涼子は目をそらし、小さく溜息をついてから、ようやく口を開いた。


「……実は、結婚することにしたの」


美咲は一瞬ぽかんとしたが、次の瞬間には大きな笑顔で立ち上がり――


「おめでとう! えっ、まさか、あの海外赴任してた彼?!」


「……そう。1年ぶりに帰国して、ね。

“そろそろ落ち着こう”って言われて……気づいたの。

私、ずっとあんたばっか支えてきたけど、自分の幸せ、後回しにしてたんだなって」


その言葉に、美咲はぐっと目頭を押さえた。


「涼子……ほんとに、おめでとう……。

でも、ちょっと寂しいのは、私だけ?」


涼子はからかうように微笑む。


「なによ。あんたなんて、先にバンバン子ども産んで、旦那もゲットして、

仕事も家庭も幸せも全部持ってってんじゃない」


「……確かに(笑)」


ふたりは肩を寄せ合いながら、笑い合った。

女同士の友情は、どんな時も強く、温かく、そして支え合っている。



その夜。

美咲は帰宅後、食卓で子どもたちに囲まれながら、

悠真にそっと報告した。


「ねえ、涼子が結婚するんだって」


「……ついにか。あの涼子さんが」


「嬉しいけど、正直、少しさみしいわ。

仕事でも、プライベートでも……私の一番近くにいてくれたから」


悠真は優しく笑って、美咲の手に触れた。


「でもきっと、これからも隣にいてくれる。

“家族”の形は変わっても、“仲間”であることは変わらないから」


美咲は、子どもたちの食べこぼしを笑いながら拭き取り、

テーブル越しに言った。


「……私たちも、そうやって歳を重ねていけたらいいね」


「うん。“家族”も“仲間”も、“ずっと”だから」


笑い声が響く食卓には、ひとつの幸せと、

またひとつの“祝福”が加わっていた。



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