表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/17

幕間~ダリア①~

ダリアの過去編になります。(少々ネタバレ的なものがあります)

読まずに本編を楽しみたい方は、ブラウザバックお願いします。















 ダリア・クリントンは男爵家に産まれた少女・・・という事になっているが、真実はほんの僅かであり大体は嘘である。なんなら、ダリアという名前さえも偽名だった。だがここで、本来の名で過去のダリアを語るのは大変野暮である。偽名のまま語る事を許して欲しい。


 フロラ王国では『側室や愛妾を迎えることは禁止する』という法律が存在しているが、”娼婦を相手にするのは禁止されていない”という法の抜け道があった。その代わり万が一にでも娼婦が子供を身籠れば、問答無用で赤子諸共処分される。そのため、自分の命を脅かしてまで貴族の子供を産もうとする度胸のある女性は、ただ一人しか存在しなかった。その一人というのがダリアの本当の母、コーラルという女性である。


 そもそもコーラルは、フロラ王国の隣に位置するリトス王国の出身だ。理由あってフロラ王国へ向かう道中、悪徳商人に騙されて借金を背負わされてしまった。そうして仕方なく身体を売って過ごす間、ある日クリントン男爵の目に留まったのである。それから暫く男爵の相手をしたコーラルは、通常客を相手にするよりも遥かに多くの金額を受け取った。無事借金を完済し潤沢な資金を手に入れたコーラルは、これで安心して自国に帰れると喜んだのも束の間、自身が身籠っている事に気が付いた。


(絶対に産んでみせるわ!)


 コーラルは幼い頃に両親を亡くして天涯孤独だったために、”家族”という存在を酷く渇望していた。男爵を愛していた訳では無かったが、自身に宿った小さな命に喜びを感じて涙を流し、絶対に出産しようという強い意志を持っていた。子供の存在を絶対に隠し通すことに決めたコーラルは、そうして誰にも見つかる事なく無事出産を終え、数年後に子供を連れてリトス王国に帰国したのだった。


 帰国してからの数年間、コーラルやダリアは怒涛の日々を送っていた。貧しい生活ではあったが、それが耐えられる位、二人にとってはとても幸福な日々だった。だがある日、ふとしたきっかけでダリアがフロラ王国の貴族の血を引いているという事実が王国にバレてしまう。リトス王国では、他国の血を受け入れる事を良しとしていない。その為二人は捕まってしまい、別々の牢屋に囚われてしまった。処遇が決められるまでの間、ダリアは惨めな扱いを受けながら生き永らえていた。


 数日後、ダリアは首輪と手錠に繋がれたまま王室の広間に連れてこられていた。無理やり兵士によって乱暴に跪かされ、額に血が滲む。ダリアは悔しながらに唇を強く噛んだ。


「お主がコーラルの子供か、(おもて)をあげよ。」


 反発して一切頭を上げないダリアに痺れをきらせた兵士は、持っていた鎖を強めに引く。ジャラリと重たい音を上げた鎖は酷く冷たく、無慈悲にもダリアの細い首に食い込んだ。痛みに耐えながら、睨みつけるようにしてリトス王に目を向ける。その瞳を見て、今まで微動だにしていなかったリトス王が目を輝かせた。


「その黄金の瞳は・・・!」


 これがダリアの運命を変える、始まりの出来事だった。

誤字脱字などございましたら、ご報告いただけると助かります。

幕間は主にダリアを含めたサブキャラの視点で更新します。

(各話を挟みながら、ダリアの幕間はもう少し続きます。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ