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吸血鬼が始めるダンジョン経営 ~アトラクション化で効率的に魂採取~【祝7万PV】  作者: 近衛 愛
第1章 ダンジョンマート金沢店 オープン準備編
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【002】フロアの環境設定してみました。

「では、本部から頂いているマニュアル教本をご用意ください」


「はい、エリック先生準備しました。」


「ではウィーン様。モニターに表れている。ビルをクリックしてください。」


 画面に建物が書いてあるアイコンをクリックする。1~10F分の各階層が表示された。あとは「11~20F」と「21~30F」のアイコンだ。


「次に1F部分を押してください」


とエリックさんがモニターにでているビルの1F部分を指さしてくる。僕は何も考えず、クリックする。


「さて1Fフロアの画面が表示されましたね。これから1Fフロアの「デザイン設計」を始めますね。画面上部である『環境』のアイコンをクリックしてください。」


クリックすると、詳細の情報が表示された。

 環境―「森林」「砂漠」「草原」「洞窟」……と沢山書いてある。一部グレーとなって、表示されていないものもある。『地獄』『天界』『海底』などが背景色が灰色となって、クリックしても動かなかった。


「ウィーン様、この『地獄』などの灰色の環境に関しては、特別オプションへの加入か、もしくはウィーン様の経営ランクがプロに移行にならないと選択することは出来ません。ちなみに、現在のウィーン様のランクですが、『ビギナー』となっております」


「わかりました。ちなみに環境はどれを選んでもよいのですか?テキストに書いてあった気もしますが、忘れてしまいました。」


「ソウルコレクトシステムにより、設定した環境に合わせて、フロア内の温度や湿度、その他特性などが変更になります。例えば「砂漠」を選択された場合は、温度が40℃くらいとなり、炎天下と同じ状況となります。冒険者の方は熱中症や脱水症状などの状態異常がかかりやすくなるわけです」


「そうでした。そうでした。そういう風に記載してありました。となると、1Fを設定するのはかなり大事になりますね。お客様のターゲットを誰に絞るかで、入りやすい環境や体験しやるい環境が変わってきますね。う~~~~~ん。一般的には、「草原」タイプが無難でしょうか」


「そうですね。比較的にビギナークラスの経営者の方は、草原タイプを選ばれる方が多いです。「プロ」や「マスター」クラスの方は、その地域の客先のニーズを的確に読んで設定されております。」


 ふむ、どうしようかな?まずターゲットを誰にするかだよね。前に読んだマーケティングの教科書には、何て書いてあったかな。


 相手のペルソナを設定し、その対象に合わせて必要なニーズを絞りこむだったかな。しかも、その対象はなるべ狭く絞り込む。大勢を含むと対象がぼやけ、喜んで、楽しんでもらえるサービスの焦点がぼやけてくるんだよね。


 対象は、15~20代の学生。ここには、近くに高校や国立大学の学生も通うし、なにより金沢の駅は、交通網の中心地だからここを起点に沢山の学生が通過する。


 電車やローカルな電車、バス、タクシー、高速バスも来るので、人にはことかかない。そして、繁華街へいくにもここは必ず通るのだ。対象年齢を若くしているのは、もちろん、意味がある。


 アトラクションとして、ダンジョンを探索するには、コストパフォーマンスがとてもよいのだ。入場料は、1回500円で死亡しても、再入場は可能なので、学生も気軽に入場できる。


 ダンジョン経営で厳しいのは、死亡時の復活特典が必要になるため、保険契約を必ず入る時に行う必要があるのだ。このときご年配の方だと、残りの寿命が少なく、ここまで来て、後一歩というとこで帰られていくお客様もいる。


 その点、若者の場合は、残り寿命が60~80年と長い方が大多数を占めるため、そこまでシビアに考えないのだ。それに、アルバイトやお小遣いでは、稼ぐ金額に限りもある。しかし、冒険で成功すれば、アルバイトで稼ぐ1ヶ月分の給料5万円など、1回の冒険で入手することもできるのだ。


 もちろん、みんながみんなそんなこと出来るだけではないのだが、若い頃というのは夢を見がちである。僕もそんなことがないわけではないよ。まだまだ22歳と若いし、独身だからね。


 その年齢と職業にペルソナを設定した。仕事せずにやりたいことやりたいっていうのはこの時期が多い。いい就職先を選ぶために、いい勉強して、いい高校、いい大学に入るというのは、物の怪も人間も変わらないのだ。


 これでもまだまだ対象とする人数が多い。さらに絞り込むために、性別を決める。冒険なので男にした方がよいのだろうが……


「ご主人様~~ミリィは、性別は女性がいいと思うのにゃ~~」


「えっ、なんで?冒険者は男の人の方が多いよ。女性はそんなことあまりしないんじゃないの?」


「違うにゃ~ご主人様。女の子が入ってくるということは、もれなく男の子もついてくるにゃー。特にダンジョンの探検なら、女の子同士でいくよりも、頼りになる仲良くなりたい男性と来るはずにゃ~」


「なるほど。そういう考え方もあるんですか?他のとこではあまり聞かないやり方ですね。なら、女性が入ってきやすい環境ですね。不快でなく、不潔でないのがマストになると。さわやかな風の吹く「草原」、「砂漠」も時間帯「夜」ならありか……時間帯によるなら、星空が見えて綺麗だから、ロマンチックな人は是非期待かもしれないな。よし、性別は女性にしよう。またまだペルソナは完了してないような気もするけど、環境は「砂漠」で時間帯は「夜」にしよう」


「環境が決まりましたら、次はフロア内のインテリアの設置ですね。砂漠ですと「サボテン」「オアシス」「キャラバン」「流砂」となります。最後に、フロア達成となる、転送ポイントを配置します。これがない場合は、入口から入って、元の場所に戻るまで歩いて戻る必要がありますし。なによりフロアクリアの証明が出来ませんので」


「では、これとこれをここに配置して、ここを隅に置くことで隠しエリアみたいにしておこう。ふふふっつ、なんか街づくりゲームみたいで楽しくなってきた」


「それはよかったですね。ウィーン様。お仕事は無理やりやるよりも、楽しんでやられた方が前向きになり、よいアイデアや効率がよくなりますから。インテリアの設置が終わったらいよいよ。モンスターの配置となります。モンスターは、各エリアで配置できる種類が決まっております。「砂漠環境」ですと、こちらの種類となります。一般のモンスターも配置したり、他の環境のものも追加オプションに加入することで配置は可能となります。その場合、環境補正がありませんので、自分の得意エリアに配置した時に比べ各段に弱くなってしまいます。」


「なるほど、では砂漠環境のものから無難に選びましょうか。」


いよいよ肝となるモンスターの配置を頑張りますよ。

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