【018】ダンジョンマート金沢店オープンその9
初日が幕を閉じて、本日のオープンの反省会になった。
「反省会を行いますので、皆さんこちらへお集まりください。」
みんなが集まったところで
「ええ~~~っつと、今日は皆さん応援に来て下さり誠にありがとうございます。お蔭さまでなんとか初日を乗り切ることができました。」
『パチパチパチ。』
拍手がされた。
「オープン翌日の明日に備えるため、本日よかったこと、気付いたこと、まずかったこと、こうしたらよいと思う点がありましたら、お願いします。」
「大ちゃんが、休憩の交代を状況を見ながら回してくれたのはとってもよかったよ。あの時は、ちょっと疲れてたので、疲れが顔にでるとこだったわ」
「そうですね。大輔さんのフォローはとてもよかったと思います。僕も色々とイレギュラーが起こった際に、受付を交代してもらえたおかげで、スムーズに他のお客様の受付をまわすことができました。他にはありませんか」
「わしは妲己さんが、休憩交代とした時、最後尾の案内をしてたでごわす。その時に、整理券を配布できない方から苦情が来たでごわす。丁度その時に妲己さんが来てくれて、フォローしてくれたため助かったでごわす。」
「そんな感謝されるほどのことじゃないわ。わらわはわらわで出来ることをしただけよ。」
「そうでしたね。妲己姉さんのとっさの機転でトラブルを回避できたと思ってます。そうだあの後、テレビの取材があったそうなんですけど」
「それね。わらわが最後尾で、整理番号からあぶれた人たちをもてなすために演舞をしてたのよん。その時、地下ホールには、ダンジョンマートのお客様以外にも沢山の方が周囲に集まっていたわん。それで、ダンジョンマートの取材に来てた人達が気になって寄ったみたいなのよん。イベントの予定もない日にこんなに集まるなんて、とても珍しいのよねん。
それで色々と撮影と取材されたわん。わらわの演舞と歌唱を撮影したのよん。ちゃ~~んと、ダンジョンマートのお客様とご迷惑をかけている周囲の皆様へのご奉仕だと説明しておいたわん。ま~その後は個人的に取材があったり、連絡先交換したり、アイドルとしてのスカウトもあったけど、関係ないわねん」
「わかりました。もしかするとテレビで報道された際に、こちらに電話や直接お問い合わせがあるかもしれませんね。電話応対は僕がやりますので、全て回してください。その間のフォローは大輔さんお願いします。」
「うむ、了解でごわす。」
「他にはありませんか?」
「保険契約の説明なんだけど、毎回オープンする時にも思ってたのよね。あれって人が説明しなくても動画で流せばいんじゃないかしら。そうすれば、定員ごとに説明する時間をタイムスケジュール化して、簡単になるんじゃないかしら。」
玉藻姉さんが自分のしていた業務での内容について改善内容を話した。
「それは、本社としての対応になりますね。こちらで本部のものと話しあって、結果を各ダンジョンのオーナーの皆様にご連絡致します。こちらは明日とは参りませんので、ご了承下さい。」
「玉藻はん、ええ機転やわ。そや、わいは、しばらくそないな業務はしてへんかったし、気付かんかったわ。それが出来たら各ダンジョンマートも業務がスムーズになるわ。さすがやわ。」
「ふふっ、それほどでもないわよ。ヨシさん。たまたま今日何度もしてたから気付いただけよ。」
「ほな、そゆことにしておきますか」
と言って二人は笑いあっていた。
「ではその件は、本社のエリックさんに対応をお願いします。明日はお手数ですが、今日と同じ対応でお願いします。」
「大丈夫よウィーンさん。明日対応出来ない事はわかっているわ。今後の業務を簡単にするための報告ですもの」
「そうそう、僕も改善して欲しいことがありました。新規登録者の方って、こちらに来てから、紙に鉛筆で書くじゃないですか。そうすると、書く時間もかかるし、受付も書いた内容を確認して、システムに登録するためにキーボードで入力する必要がありますよね。予め、ネットで新規登録用の内容を記入して頂いて、IDか氏名で受付検索し、本人確認を行えば、今よりもスムーズに受付が出来るのではと思ったのですが。」
「ウィーン、お前もナイス目のつけどころや。確かにそれなら、新規登録者にかかる時間も今より減らせて、行列も解消できる。お客さんも待つ時間とストレスが減る。しかも、1日に対応できる人数が増えるから、売り上げも上がる。いいことずくめやないかい。エリックさん。さっきの件もこの件も、ダンジョンマート全体でやった方が効果は高い。なるべく早くやった方がええ案件や。本社に戻ったら、すぐに頼むわ。技術的には、既存の技術で対応できるから問題はないやろ。」
「ええ、そうですね。簡単なプラットフォームの作成と、IDデータでの検索、呼出ですから大丈夫かと思います。こちらの件は早々に本社の技術スタッフを交えて相談致します。ウィーン様、ヨシ様、玉藻様、貴重なご意見をありがとうございます。」
「では、この件もエリックさんお願いします。他に気付いた点等ありますでしょうか?」
「ミリィもあるにゃ~」
そう、ソウルコレクトシステムの範囲の中で行っているためサポートモンスターのミリィも参加してたのだ。
「ミリィは、もっと1階のダンジョンを初心者向けにしたらいいと思ったにゃ~~」
「ん、今なんて言った。もっと詳しく教えてや」
「にゃ~~。サソリや蛇さん、初心者向けのモンスターはいるけど、広大な砂漠の中で探すのは大変にゃん。ダンジョン全体のマップをこっちで用意して、予めお知らせしたらどうかにゃん?」
「なるほど、1Fをダンジョン探索のお試しで特化するというわけか。もちろん全部が全部載せると楽しみは減る。でも、最低限の情報だけ載せておけば、やることも出来ることも、ある程度明確になり、冒険者の初心者としても、目的を作りやすいわけか。」
「そうにゃ~~~。あと、ホームページ見て、オアシスとラクダどこにゃ~~~って、質問も多かったにゃ~。スリーサイズも多かったがにゃ~~~」
ミリィがうんざりすうような顔になっている。よほどしつこく聞かれたのだろうか。
「なるほど。その件に関しては僕の方で作成します。案内板も作った方がよさそうですね。マップに所在を記入し、問い合わせの多い部分は注釈を記載しておきます。あとは、その情報をホームページに記載しとけば、時間の短縮や楽しみにもなりそうですね」
「そうね。あの写真に写ってたミリィちゃん超可愛かったよ~~。私も泳いだり、ラクダに乗りたいて思ったもん。ねぇ、ウィーンさんこれからオアシスに涼みに行ってもいいよね?」
「流石に厳しいですよ。サクラちゃん、明日もありますし。今日はダメです。明日の夜か、休みの月曜なら大丈夫ですよ。」
「えっ、ホントにいいの。やった~。今から水着選んでおこっ。」
「私も参加しますわ」
「わらわもじゃ」
女性陣がこぞって参加してくる。そんなにオアシスに入りたかったのだろうか?でもこれだけ、オーナーの女性陣にも影響あるって、すごいことだな。
「おい、ウィーン。もう反省会は終わりだ。出尽くしただろう。女性がこうなったら、わてらには止めることはできん。解散しな」
ヨシさんの提案に、周りを見回すとエリックさんと大輔さんが無言で同調し頷いてくる。
「では今日の反省会はここで終了します。今日の反映を活かし明日のオープン2日目を乗り切りましょう!!では、皆さまお疲れ様でした」
「「「「お疲れ様です」」」」
ようやく長かった一日が幕を閉じたのだった。
お読み頂きありがとうございます。
少しでも面白い、続きが読みたいと思いましたら、
ブックマークや評価☆☆☆☆☆を付けて頂けると今後の励みになります。
ぜひ、応援お願いします。