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二章④
目が覚めると、病院のベッドの上だった。
何故か眼前に泣いている沙奈が見える・・・どうしてだろう・・・眠くなって・・・ねた。
ああ、俺、換金したっけ。
ふと、思った。
瞼が思い。
目を閉じた。
しばらく心地よい夢のような安らぐ世界を徘徊した。
次の瞬間、頭に鈍痛が走った。
ボンドで固められたかのような瞼を、気合でこじ開ける。
これは夢か絶望か。
いつもと変わらぬ日常が続く淡い期待を抱きながら・・・。
しかし、現実は甘くなかった。
俺はパチンコ屋のホールで倒れたのだ。
受け入れ難い事実。
ちっぽけなすべてを失った。
何もないと思っていたのに失った。
だが、立ち上がることは出来る。
諦めなければ・・・命の炎が絶望の淵でもこうこうと燃えあがる。
俺はそれを感じた日より、またあの場所を目指す。




