異世界に行ったのはいいものの、俺だけ欠陥品なんだが。どうしたらいい?[練習
薄暗い光を放つpcのグラフにポチポチと数値を打ち込む。
「お~い、ミア。こっちは終わったぞー。そっちはどうだ?」
「こっちも終わったわよー」
仄暗い厚手のカーテンに遮られた日光は、程よい暖かさにして、体を癒してくれる。
そんな快適な空間で男女二人でいる。
もちろん我々はカップル同士、、、というわけにはいかなかった。
ムフフ展開は一切なし。
華の高校生活に我々が費やしてることは何か。そう、皆があこがれた世界、、、!
俺らが作っているのは「異世界に行く装置」だ。
「長かったわね、、、」と、感嘆を漏らしているのは俺の助手、「五月雨 ミア」、物理に長けていて、細かい数値はミアがすべて行った。
まぁ俺。「星宮 レン」も部長として設計をしたが。。
あとは目の前にあるレバーを引くだけで異世界だ。
「、、、そういえばレン?私が設定したから死ぬことは無いだろうけど、、、
異世界って安全なの?」
「そのへんは問題ないさ。俺らのイメージする異世界に近しい世界に行けるように設定しておいた。」
「ならいいんだけど、なにか嫌な予感がするのよね。」
「やってみるしかない」と、ミアに言い聞かせてレバーを引く。
すると、目の前が白色に染め上げられ___
目が覚めた時には見知らぬ街並み。西洋風な建物に普通ではありえない髪色の人たち。
これぞ異世界と言った風貌だ。
まだ倒れているミアを見ても驚かないところを見ると、治安はよくないのだろう。
そう考えていると、ミアが目を覚ました。
「あぁ、起きたか。準備はいいか?」と問いかけるとミアは小さく頷いた。
じゃあ、、、お約束、、、行くか、、!!
「「異世界キターーーー!!!!」」
異世界に来れたってことは、勿論、チート無双展開だろう。
視界の端には、ランクと書かれた黒い文字が、、、って、、は?
ランクの下に書いてあるアルファベットの文字は、最低ランクを表す、『Z』が見える。
俺の心は一気に氷点下まで下がる。
「もう帰る、、別の異世界に____
「そんなに落ち込んでるなら、、まぁ、、」
と、ミアがそこまで言ったところで、二の問題が俺の頭の中でエラーを起こしていた。
「なぁミア、、、俺らってさ。『異世界に来る装置』を作ったんだよな?」
「えぇ。あっ、」
「どうやって帰るの?これ、、、」