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魔法が使えない⁉︎

ノーライフキングの人間転生を読んで下さりありがとうございます。


少しずつ物語が進んで来ましたのでお楽しみ頂けたらと思います。

その日、父の仕事が休みのようで父は庭先で朝から剣の素振りをしていた、私は最近悩んでいた事を聞いてみた

「おはよう父さん」


「ああ、おはようノエル」


「父さんは魔法は使えるのか?」


「ノエル、いつも言ってるけど言葉遣いは直しなさい」


「むぅ、すまない………ごめんなさい。父さんは魔法は使えるのですか?」


前世からの癖でついつい喋り方がついつい年上者に対する物ではなくなってしまう


父は最低限の礼儀は人として最初の装備だと言う、それを纏うことでようやく他人と触れ合う事ができこれから人生を進んでいく事が出来ると


意味は分かるが少し固いなとも思ったりもする

だがこれが父親からの愛情なのだと気づき、自分に向けられる愛情をとても嬉しく感じた

前世では誰かに愛情を受けた事も無く今思えば私の心も冷え切り冷たい物だった

今父や母の愛を受けて私の心はとても暖かく気持ちがいい


私が言葉を直すと笑顔になり褒めてくれる


「それでいいぞ、魔法は使えるがごく簡単な物だな」

「まず、『生活魔法』これは簡単な火が起こせたり水が出せたり汚れを落としたりする物だ」


父はそう言いながら指先に小さな火を灯して見せる


「次に『四元素魔法』だな、これは火水風土の属性を使って主に攻撃する魔法だ」


そう言って手のひらを剣の練習用の杭に向ける、すると風が吹いたかと思うと杭に剣で斬りつけたような傷跡が付いた


「これがウィンドカッターだ風の刃を飛ばしたんだよ」


「おぉ〜」


私はパチパチと拍手をする

なるほど前世で人族といえば一部の強者以外は基本的に無力な者と言う認識でしかなかったからあまり知らなかった


「こんな物かな?どうだパパは凄いだろ」


「凄いです、私も使えるようになりますか?」


実際には前世で見てきた魔法の方が威力も精度も桁違いだが今の私の目ではほぼ捉える事が出来ず素直に褒めておく


「そうだなもう少し大きくなってレベルも上がれば使えるようになるだろう」


「父さん、良かったら私に魔法を教えてください」


私はお願いしてみるも父は腕を組んで少し困った顔をしている、私は少し不安になった


「うーん、教えると言ってもなぁ、ノエルは覚者とは言えまだ1歳半だしそんなに急がなくてもいいんじゃないか?」


「そうですが出来ることを今のうちからいろいろとやっておきたいんです。実はいつも一人で魔力操作の練習をしているのですがちゃんとした魔法が発動出来ないのでこのままでいいのか不安なんです」


私は最近悩んでいた事を打ち明けてみた

魔力操作はずっと続けているが魔法の発現自体に何の変化も無いので流石に不安になってきたのだ


すると父は目尻に涙を浮かべて急に抱きついてきた


「お前は偉い奴だな!まだ幼いのに自分に出来ることを考え毎日地味な訓練を黙々と続けてたなんて!」


いきなりの事にびっくりする


「ちょっと父さんどうしたの⁉︎」


「剣術でも一番基本の練習は地味でつらいものだ、それを黙々と不安を抱えたまま続けてたなんて、すまないパパは気付いてやれなくて」


父の優しさに戸惑ったが本当に幸せな気持ちになる、人間に…この家族のもとに生まれて良かった


「心配しすぎだよ父さん練習もそんなにつらいものじゃないしね、むしろ楽しいよ。少しずつ上手に魔力が動かせるようになっていって、練習すればするほど上達していくのが本当に楽しいよ」


父はそれを聞くと嬉しそうに私の頭を撫でてくれる


「ノエルが真面目な子でよかった。お前なら魔法も上手に使えるようになるよ、それにもう少し大きくなったら剣術も教えてやろう。パパは魔法は教えられないが剣術なら教えられるしお爺ちゃんだっているからノエルなら誰よりも強くなれるさ」


こう言うのを親バカと言うのだろうなと思ったが存外悪くない


照れ隠しに気になった事を聞く


「父さんは魔法が使えるのに教える事が出来ないのですか?」


「不思議に思うよな?それは魔法の種類に寄るんだ、さっきパパが使った『生活魔法』と『四元素魔法』は種族特性魔法と言って人族が使える基本の魔法なんだ」


「"種族"特性魔法って言うくらいだからそれぞれの種族によって使える魔法が違うのですか?」


「そう、その通り人族はこの2つ、獣人族は『獣化魔法』、エルフなんかは『精霊魔法』なんてのもある」


「なるほど…」


分類分けを気にした事は無かったが前世では確かに『血累魔法』と言われていたなと納得する


「この種族特性魔法は主にレベルが上がっていくと体内の魔力回路が強化されてどんどん使えるようになっていくんだ」


「それでさっきレベルが上がれば、って言ってたんですね」


「そうなんだ、レベルを上げる為には魔物と戦闘をしないといけないからね、ノエルにはまだ早い」


確かに今の私ではスライムを倒す事もできないだろう


「やっぱり今は魔力操作の訓練しか無いか…」


「うーん、そうだなぁ」


父が何か考え始めたので気になって声をかける


「どうしたのです父さん?」


「いや難しいかも知れないが家庭教師を募集してみようかと思ってな」


「レベルを上げなくても使えるようになるのですか?」


「種族特性魔法は無理だが魔法を研究して理解する事で使えるようになる『魔術』ってのがあるんだ、これなら努力次第で魔法が使えるようになる。ただ魔術が使える者はそれ程多く無くてな…募集しても応募して来るかは分からない」


「でもいいのですか?」


「大丈夫だ、ノエルが自分から頑張ってたんだそれを応援するのがパパの仕事だよ」


父は胸を張ってサムズアップして来る


「ただ、本当にいつ応募が来るか分からないからそれまではすまないが今まで通り自分で練習してくれ」


「分かったよ父さんありがとう」


これで少し希望が見えてきた、本当に良い父親だと思う


それからしばらくの間、父の剣の練習を眺めながら魔力操作をして過ごした…





所変わって何処かの場所…


人で賑わう酒場で微温い水を飲みながらため息をついている小柄な人影があった


「はぁ、もうお金も無いしどうしょう」


酒場に入って水しか頼まずウェーターにも白い目で見られている

ここは冒険者ギルドの酒場兼待合いスペースである

よく何も頼まずに待ち合わせをしている者も多くいるが流石に1週間も水しか飲まずにいると気不味くなって来る


思った様に事が進まず諦めて実家に帰るしか無いかとなったが帰る金も無いので同じ方向に行く行商人の護衛依頼は無いかとクエストボードを張り続けているのだ


「今日も護衛依頼はないか…」


ボードをチェックして項垂れてもとのイスに戻るこのまま追加依頼が来ないか待つしかないのだ


昼になって追加分の依頼書をギルドスタッフがクエストボードに貼り付けていく


「やっぱり無いか〜。そろそろ何か簡単な依頼でも受けてお金を稼ぐか〜……ん?」


簡単な依頼は無いかと斜め読みしていると1枚の依頼書に目が止まる


  「注''魔術士"限定、家庭教師募集」


依頼主:ノヴリス・ヴァイス・エルブランコ

依頼内容:エルブランコ騎士爵家の御子息の魔術家庭教師を1名募集、報酬は1月金貨3枚(能力により延長あり)、住込み可(3食付き)



魔術士の家庭教師の募集だった

報酬は金貨3枚、冒険者の1か月の稼ぎとしてはそれほど多くは無いが3食付き住込みときている

これを逃す手はない


「上手くいけば半年ほど続けてお金が溜まってから帰っても良いし何よりご飯も食べれて貴族の家に泊まれるなら今の安宿より断然いい!」


クエストボードから乱暴に依頼書を剥ぎ取るとクエストカウンターに走って行き受付に滑り込む


「これ!お願いします!」


受付の人はビックリしながらも依頼書を確認して


「魔術士限定ですけど大丈夫ですか?」


「大丈夫です魔術学院の卒業生なので!」


ローブに付いてる魔術学院のバッチを見せると受付は納得してうなずく


「わかりました。それではこちらの紙を記入してエルブランコ騎士爵家まで持って行ってください、実際に面談して貰ってから合格かどうかになります」


「ありがとうございます!」


紙に記入してから勢い良くギルドを出て行く



残された受付は「若いわね」と微笑む


「あれ?エルブランコ騎士爵家の御子息ってまだ1歳くらいじゃ無かったっけ?」


その疑問は彼女の耳には届かない…

最後まで読んで下さりありがとうございます。

いかがだったでしょうか

実は個人的には覚者ってなんかいまいちパッとしないんですよねーw


さぁここから魔術の修行に入っていきます。

女の子キャラ出てきますよーww


てか母親との絡みが無くてファザコンみたいになってる気がする…


これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。

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