筆算の線は定規でひこうねっ。
この文句に、ころーんさんは「原始時代に戻ったニッポン」と痛烈に批判を浴びせてました。どーもーせみころーんさんですーととととててて。
なんですか、こんなのを小学校の先生が指導するんですか?世も末ですね。
でもね
一つだけ同情することがあるんです。
かつて戦前、塩野直道版尋常小学算術って名教科書があったんですよ。なろうの読者は適当にググってみてください。すぐpdfが見つかります。パブリックドメインはこういう時便利ですね。
でね、小学校6年生の見てくださいよ。
珠算でね、5かける4桁をそろばんで出しましょうってあるのよ。
これみたすらあっーしゅさんとくおてしょんさんがね、「ぽち、、スワイプスワイプっと、、え?!!にゃっにゃぁっぁああああああん!」って二人で驚いてやんの。
にゃあぁあん!っていうことでもないと思うんですよ。そうなんですよ。1934年の常識は、小学6年生は5かける4桁をそろばんでやりましょうね、なんですよ。
いま全珠連10段最年少記録は8歳。もう小学校6年生で全珠連10段は全く珍しくないんですよ。日本珠算連盟主催珠算段位認定の10段はこれより難しいので8歳ってことは全然ないんですが、それでも換算したら珠算連盟主催段位認定7段相当。
8歳で段位認定7段相当って、、ものすんごいですよあんた!まず、めったにいません。ころーんさんも、「連盟主催初段の人は実は見たことがある。でも5段とかになるともう話とかしたことない、、、」だってさ。
これみたらわかるでしょ。知能ってのは訓練です。地頭なんてものは、もうどこにもありません。今年の入試の結果が悪かったからと言って4月から頭下げなくていいんです。入試の点なんて何の保証もない。
あ、ころーんさんは入試の点、わりによかったんですか、むすーだって。すいませんすいません。でも関係ないでしょ。
で、ちょっと話がそれましたが、1934年で5桁かける4桁を珠算でぱちぱちなんですわ。当時の小学生で旧制高校まで行って解析を勉強したのは全国民の5%もなかったとか。ほとんどが旧制中学後に働いてました。その時代は5かける4桁をそろばんでできれば上等だったんです。
それから85年たちました。
85年もたっちゃうと、すらあっーしゅさんは作曲のコンクールに乗り込んで「どや一位やぞ!お前より偉いんや!」、ころーんさんは音楽院在学中にメジャーに挑戦してクリア、ゴウモエラーだって自作自演のフェスティバルに行きました。私はピアノから作曲に転科してしまえました。
要するにですね、、
情報の質と量が担保されていれば、人間は何とでもなってしまうのです。それは特に未成年で顕著です。もう高校生の吹奏楽や合唱は、そのまま無編集ライブでも売り物にできるのではないかと思われるほど高水準です。「やれ!」と言われれば「はい、、」なんですよ。
今日は珍しくみっくちゅジュースしか飲んでないころーんさんも、隣で「もう誰でも何でもできる社会になるとそれはそれで怖いなあ」と今の子供の能力に呆れてました。
ここまで特別な人間の能力が進化する一方で、公教育は「筆算の線を定規で弾きましょうねっ」とか「高校の微積分はすっごく少ないけど大学で勉強するから大丈夫だよー」とか「もう文系はベクトルやらなくていいよー」とか「統計の微積分は省略しまーす」とか、劣化の一方です。
なぜこんなことになるのでしょうか?
それは、もう現在のニッポンに住む児童が手に負えなくなってしまっているというのが一番の問題ではないでしょうか。もう答えはググっちゃえばすぐ出る。それならスマホで調べたほうが先生に聞いたのより早いでしょう。こんなこと30年前はありませんでした。でもいまはこうなっちゃいました。
なってしまったものはしかたがないでしょう。
なってしまったことに対応する教育メソッドは、まだ世界のどこにもないんです。昔、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェが「旧式教育メソッドを捨ててしまえということが最近(1970年のちょっと前)上がっておるが、教育とは対位法や形式学をくどくどくどくどくどくどくどくど教えるものであって、それをすっ飛ばしたらろくなことにならない。黙ってろ」と言っておりました。
ヘンツェといえば最高傑作レクイエム。あれだけの強烈な舞台作品を残した彼が「教育は旧弊でいいんだよ」って言ってるのは意外ですが、それなら公教育の「筆算の線は定規で」なんてのもやめろって帰結になるんですよね。
レクイエムといえば、日本で部分上演をしたことで有名ですが、せっかくですからYoutubeで聞いてみましょう。すぐぽちれます。
ぽち。
パリで2018年に演奏されたライブが上がってますが、当然CDよりも出来は悪いです。
作曲時ヘンツェは66歳。もう一番脂の乗り切った全盛期だったでしょう。信じられないほどの集中力を見せる部分もあります。楽譜は高いですが、これは買ってもいいと思いますよ。ヘンツェには珍しいことですが、レクイエムは全ページ損しません。




