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過去を忘れられない君と僕  作者: 避雷針
1/2

01 合格発表

初めて書いてます。誤字とかあったらすみません。

季節は春に近づいているが、まだ肌寒い。そんなある日

俺、月島蓮(つきしまれん)はとある高校にいた。

そう。高校受験の合格発表だ。


「はぁー、緊張してきた」


合格発表まで後10分。俺の心臓は今までにないくらい激しく鼓動していた。


「あれだけ勉強して試験もやれることはやったんだから。絶対大丈夫だ」


そう自分に言い聞かせ何度も時計を確認する。時計を見るたびに心臓は激しさを増し、心なしか気分が悪くなってきた気がしてきた。あまりの緊張に視界が真っ白になっていく。


「あれ?月島?」


いきなり自分の名前を呼ばれ、はっ!と意識が戻ってくる。その瞬間真っ白な世界がカラーに戻る。そして、意識が戻ると同時に名前の呼ばれた方を向く。


「やっぱり月島だ」


そこには、長身で眼鏡をかけたこれぞ秀才といわんばかりの男が立っていた。


「もしかして……瀬戸?」

「そうそう。久しぶり。三年ぶりかな?まさかこんな所でまた会えるなんてね」


久しぶりに会った彼の名前は瀬戸晃大(せとこうだい) 幼稚園から小学校まで同じでよく遊んだ人である。しかし、小学校を卒業すると同時に引っ越してしまい音信不通になっていた。だから、俺は二度と会えないと思っていた。


「久しぶり。ほんとにそうだな。まさかこんな所で会えるなんて夢にも思わなかった」

「人生何が起こるか分からないものだね」


そう言って俺も瀬戸も久しぶりの再会を喜んだ。


「それにしても、瀬戸はもっと頭の良い学校に行くんだと思ってた。だから、瀬戸が引っ越したから絶対にもう会えないと思ってた」

「僕は行きたい大学はあるけど正直高校は何処でも良くてね。だから、一番無難なここにしたんだ。家も近いしね」


(そうか。この辺に引っ越ししてたのか)

と心の中で考えていると


「月島だって何故この高校にしたんだい?ここから月島の家までかなりの距離があるだろ?」


そう、ここから俺の家までは電車でも30分、自転車なんて最低でも1時間場合によっては軽く2時間をかかる。それでもこの高校にしたのに理由がないはずはない。その理由は思い出したくもないが。


「色々あったんだよ」

「そうか。月島も大変だったね」


そうやって久しい友人と話していると学校の玄関の方があわただしくなっていた。それに気づき時計を確認すると合格発表時間を過ぎていた。


「お、発表されたみたいだね。折角だし一緒に見に行かない?」


話しているときはそうでも無かったのに合格発表がされると意識した瞬間緊張で心臓ははねあがり、足は震えだした。


「い、いいい、いこここここううか」


自分でも噛みすぎて何を言っているのかわからない。そんな状況を悟ってか瀬戸は


「あぁ、そういえば緊張とかには弱かったよね。しかも、さっきまでは平然としてたのにいきなりこれとは、未だに緊張に馴れないんだね~。わかった。僕は先に見に行ってくるから月島は呼吸整えてゆっくり見なよ。じゃ、また後で」


そう言って瀬戸は人混みの中に入っていった。

(瀬戸はなんであんなに緊張しないんだ?)

と心の中で疑問を唱えつつ。俺は目を閉じてゆっくりと深呼吸をし、なんとか動ける程には落ち着かせることが出来た。そして、両手で頬をパチンと音が響く程強くはたく。


「よし!行くぞ!」


決死の覚悟を決め。俺もまた人混みの中に入り込んだ。


「流石に人が多いな」


意を決して人混みの中に入ったのだが中々進めない。かなりの人数が一ヵ所に集まっていた。中には合格したのか抱き合って喜ぶ人や逆に落ちたのだろうか泣いて悔しがる人。そんな人達を横目に見ながら人の波をくぐり抜け、なんとか合格者番号の貼られた場所にたどり着けた。


「はぁー。ふぅー。」


もう一度目を閉じてしっかりと深呼吸をする。そして、ゆっくりと目を開け、自分の受験番号を探し始めた。







短めです

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