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0.別れ。蝶は華麗に舞う。
──ああ、苦しい・・・
呼吸がまともに出来なくて、胸がプレス機で押しつぶされているような感覚だった。
「うっ、うぅぅ・・」
思わず嗚咽が漏れる。絞り出されるように、涙が溢れてくる。
今俺はどんな顔をしているだろうか。きっと涙としわでグチャグチャだろう。こんな姿見せられないな。恥ずかしすぎる。
こんなに苦しいものだったんだな。正直もう二度と味わいたくない。こんな目にあってるのも、あの人のせいだ。
・・・いや、おかげと言った方が正しいのかもしれない。今だけじゃない。今までも、あの人含めみんなのおかげだ。本当に感謝しかない。
ああ、幸せだ・・・
ふとそんなこと思った。それと同時に、俺は決意した。みんなと過ごせたこの時間を、この場所を、この出来事を・・・
感情を。
忘れない。絶対。忘れたとしても、また思い出す。頼んだぞ、未来の俺───