花火
見上げた
最後の夏
入道雲
浮かんで
輝いていた
一人流れる時
二人歩んだ時
交差して
大地に寄りかかる
吹き抜ける風が
頬をなで
揺れる草花が
ささやくように唄う
ここは遠い知らない場所
流れる鼓動は
時を忘れ
流れた季節は
時を染め
流した涙は
時を運んだ
変わらないようで
変わっていった
風景
変えたいようで
変わらなかった
自分
どこまでも
続くかのように
信じた
在りかのある日々
それも遠く今は歩めない
いつかの千羽鶴を眺めながら
そっと息を吐いた。