表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ゴールデンドロップ

作者: 尚文産商堂

昔付き合っていた元彼に教えてもらったこと。

たくさんたくさんあるけれど、今も生かせれているのは、ほんの一握りだけ。

その一つが、ゴールデンドロップ。


お紅茶を淹れる。

シュンシュンと静かにお湯が沸いた。

すでに暖めて準備していたポットに、数グラムだけの茶葉。

1人前だからこれぐらいがちょうどいい。

そこに目分量でお湯を勢いよく淹れていく。

何でも空気と混ぜるのがどうのこうの言っていた。

そしてお湯の注ぎ終わりと同時にサッと蓋をする。

蒸らし時間は3分間。

蓋を閉めた直後にタイマーを起動した。

そしてカップを用意。

カップだって、平ための、口径に比して深さが半分くらいのカップだ。

香りを楽しみたくて、別れてから最初に買ったカップだったりする。

牛乳も砂糖もなし、今日はブラックティーを飲みたい気分。


3分はすぐにたつ。

ジャンピングして跳ね回っていた茶葉も準備が整ったようで今は落ち着いている。

目が細かい茶こしを使って、茶葉と紅茶をより分ける。

芳醇な香りが、私を包み込んでいく。

「ほぅ……」

思わず声が出てきた。

そして、一滴も残さずにカップへと移す。

その最後の一滴、これが一番重要だ。

ゴールデンドロップ、黄金の一滴と称されるのは、この最後の一滴のこと。

紅茶の全てが凝縮しているとされる、一番大事な一滴だ。


これらをまとめて、ようやく私が飲みたい紅茶は完成する。

いい香り、いい味、いい色味。

この三位一体が、紅茶には必要だ。

そう思いつつ、私は今日の活力のために、次の仕事のために、紅茶を飲んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ