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第五十五話

続きです




「………マイシマさんは、ご家族の事を大事に為さっているそうですね」


いきなり話が飛んだ

だが、その事を訝しむ事は無い

直截に話すだけが、話術では無いのだ


「ああ、俺にとって、家族は生き甲斐そのものだよ」


その質問の意図は掴めない

だから、単純に真実のみを答えとして返す


「……私にとって家族というものは、貴方にとってのそれほど、情熱的な対象ではありません」


一瞬

本当に一瞬だけだが、家族を、俺の家族に対する感情を揶揄された様に感じた

その一瞬で、激高するには十分だ

だが、その激発した感情が噴き出す直前に、在り得ない程一瞬で跡形も無く掻き消えた


「私は出来損ないだと、そう詰る声がするんです」


その二つの一瞬の中で、アイギナの顔を見てしまったから

向き合っているはずなのに今更何だ、と思うが、本当にその時に初めて彼女を見た様な気がしたんだ


なんと表現すればいいのか、俺の貧相な語彙では表し切れない

苦しみに喘いでいる様であり、哀しみに暮れている様であり、怒りに燃えている様であり、憎しみに駆られている様でもある

それでいて、それら全てを俯瞰しているかの様に、達観している様にも見える


(どういう経験をすれば、こんな表情が出来るんだ?)


心の内に膨れ上がった怒りの爆風など、その疑問の前には何ともささやかなそよ風みたいだと思えた

自分でも驚くばかりだが、今迄なら決して見逃せず聞き流せない事も、今なら馬耳東風と流せると確信出来た


「マイシマさんは、幼い頃の記憶というのは、どれ程憶えていますか?」


また話が変わったが、やはり気にならない

立て板に水を流すようにさらさらと答えを返せる


「どれ程、と言われても言い表し難いが………年齢で言えば、一番古い記憶は二、三歳くらいかな」


実際、多くの人間がそうではないだろうか

自分の中の一番古い記憶を辿って、それを親に話してみれば、大体の年齢は判るだろう

俺の場合は、母さんに訊けない類の記憶だったので、爺さんに訊ねたが


「そうですね。私もそれくらいです」


「………」


「………」


「………」


「………」


話が途切れた

本当に話が途切れたなら、何か話題を振ってみせるのが最適なのだが、この場合はまた違った可能性があるので、何とも動くに動けない


「ですが、それよりも昔」


どうやら、話は続くらしい

単に言葉を躊躇っていただけだったのだろう


「恐らく物心つく前の事だと思いますが……ずっと、傍で誰かが私に囁いているんです」


―お前は出来損ない。とんだ期待外れだ―


その言葉を聴いて、理性が焼き切れそうになる

視界を何かが白く染め上げる


(物心つく前?つまり赤ん坊の頃?乳飲み子にそんな事を言い続けた誰かが居る?)


この湧き上がる感情は義憤だ

良からぬ事や良識に悖る行動を見聞きした時に感じる感情

だが、それだけでこれ程に、理性を失いそうになる程に、怒りに駆られるものか?


「その囁き声は、何時もどんな時でも付き纏います。どれ程仕事に打ち込んでも」


そして、それは今も彼女に付き纏い、苦しめ続けている

その事を聞かされた事によって、義憤は即座に純粋な怒りへと変化を遂げた

そうするとどうだろう?

それまで何故にこれ程に突き動かされるのか、という疑念は綺麗に消滅し、代わりに深い納得と理解が生まれた


「辛いか?」


彼女の苦しみが、彼女が苦しんでいるという事実とその原因が

俺は許せないのだと


そして、何よりも


「……~~っ」


俺の不用意な一言で顔を伏せ、声を漏らさない様に泣き、体を震わせる彼女が、哀れでならないのだ

同情では無い、断じて無い


「………」


(そうか、これか……)


彼女を何よりも責め苛むのは、自責の念

経緯は解らないが、アイギナが家族を大切に思っているだろう事は理解出来た

思い返せば、初めて話した時からそうだった

率先して自己を犠牲にする

俺達がこちらに来た時も、別に彼女が俺達に声を掛ける必要など無かった筈だ

寧ろ、得体の知れない連中に対しての判断としては、余りにも軽率で不適切と言わざるを得ない

だが、最初に声を掛けてきたのはアイギナだった


更に突き詰めれば、あの場に彼女が居る必要も無かったし、その後の案内も彼女がする必要は無い

その事を理解出来ない彼女では無い筈……というのは買い被りか?いや、違う


その、疑問とも思っていなかった疑問に、今一つの答えを得た


(つまり、自己犠牲。彼女は守ろうとしていた。いや、今もしている。そして、それは遥か過去から継続されている事)


何を?という問いは愚問だ

家族を守る、という至上命題


(何故、彼女をこれほど特別扱いしてしまうのか、今の今迄理解出来なかったが……)


だからこそ、彼女が哀れでならない

彼女には力が無い

こうして対していても、ハッキリと判る

彼女に強者の気配を感じない


多くの歴戦の猛者を見てきたから断言出来る

彼女に戦う力は無い

それは、この世界では致命的だろう


「~~~っ」


今も目の前で声を押し殺して俯き嘆く同志に、俺は何も出来ないのか

なるほど、彼女は出来損ないかもしれない

詳しい事情は知らないが、戦う力が無いという事は


(そうか!)


俺が彼女に共感する理由は理解した

だが、彼女が俺を気に掛ける理由が解らなかったが……


(出来損ない……低ステータス、低成長率)


レベルを上げても未来が暗いなら、いっそ上げないという選択も有りかもしれない

そこに費やす時間を、彼女は家族を支援する為に使ってきたのだろう

安直な決めつけだが、割と的を射ていると思う


つまりは同情

或いは、同病を哀れんだ、と


普通ならそんな一方通行の同情など、ただただ不快でしかないが、不思議とそれも受け入れられた

さっき食べた謎肉の方が受け入れ難いくらいだ


(あ、思い出したら胃の辺りが……)


なので、意図的に意識外へ追いやり、思考を戻す


しかし、そこで時間制限が来てしまった様だ

アイギナは、伏せていた顔を上げると、不行儀にも袖で涙を拭い、目元の腫れた顔をこちらに向けて大きく笑みを見せた


「マイシマさんには解ってしまうんですね。やっぱり、貴方に話そうと思ったのは間違いでは無かった」


一瞬、何が、と思うが、それも僅か

この言葉は、先の「辛いか」という問いに対する答えだと理解した


「マイシマさん、貴方は先程、貴族の方々を一方的に制圧しました。何の力も無い筈の貴方が、レベル25以上の彼らを。本来なら在り得ない事ですが、目の前で起こり、何より肌でその勇猛を感じてしまえば、否定も出来ません」


「……何だか、化け物でも見た様な言い種だな」


無理に笑って場を繕う彼女の意図を汲み取り、俺も軽口で応答する

すると、僅かではあるが、アイギナの顔に本当の笑みが浮かんだ


「実際にそうなのですから、仕方ないじゃないですか」


揶揄うアイギナの言葉が、妙に嬉しく感じる


「で?結局、俺を揶揄いたいだけか?」


だが、このままでは話が進まないので、少し意趣返しを込めて続きを促す


「……マイシマさん」


途端に真剣そのものという表情になり、俺の名を呼ぶ


「理」


「え?」


だが、その事が少し気に入らなかった俺は、訂正を求める意味で自身の名前を口にする

直ぐには意味が伝わらなかったので、もう一度、今度はしっかりと要望を伝える


「理と呼んでくれないか?アイギナには、そう呼ばれたい」


俺を理、と下の名前で呼ぶ人はそれなりに居る

母さんは当然だし、叔母さん叔父さん、前島と舞島の爺さん婆さん、百合に牡丹

おっさんにヘクター、最近だとリチャードさんも、俺を理と呼ぶ

そういえば、最近めっきり姿を見なくなったが、レイリア皇女も俺を理と呼んでいたな


しかし、俺の方から名前で呼んでほしいと願った事は一度も無い

だからなのか、今の俺はかなり動揺しているが、そんな事はおくびにも出さない

正直、背中や腋に汗で服が貼り付いて気持ち悪い事この上ないが、そんな中でも顔には一切発汗を許さないし認めない


話がずれたが、その間にも答えは返ってこない

さっき見た呆けた顔をしているだけだ


「………………いえ!」


いえ?

家?いいえ?イエイ?


(……俺も相当混乱しているな)


冷静な思考をしているつもりだが、その実は滅茶苦茶に混乱している

ただ、それを客観視している自分が居るだけだ

……その客観視している自分は、肉体操作の主導権を一切取れていないのが問題だが


「ダメか?」


我ながら何とも情けない声が出てしまった

自分でもひどく落胆した声色だろ判るのだ

聴いている周囲には、余計にそうと伝わる事だろう


「あ!いえ、そうではなくて、嫌とかそんな畏れ多い、いやいや、そうでも無くて、でもその、それはその、ダメじゃなくてでもでもそんな急に、でも既に呼んでしまっている訳でもでもでもだって」


何か変なスイッチでも入ってしまったのか、代名詞助詞副詞形容詞がしっちゃかめっちゃかになった、意味を成していない音の羅列を吐き出すスピーカーと化したアイギナ

明らかに混乱している

それも極まって混乱している


「じゃあ、もう一度」


混乱すると顔に血が上る性質なのか、顔を真っ赤に紅潮させて不審な挙動をし続けるアイギナを落ち着かせるべく、先程と同じことを繰り返す

だが、全く同じでは芸が無いと誹られるかもしれない

今度は、その端正な顔を両手で挟み込み、少し強引にこちらを向かせて目を合わせる

意図していなかった事だが、手で触れている箇所の違いから距離がさっきよりも近くなる

お互いの吐息を感じられるかもしれないくらいの距離に近づいた事を幸いに、発熱が無いかついでに調べておこうと額を合わせる


(……まあ、このくらいなら許容範囲か?)


紅潮している以上は、多少熱が上がっていても仕方ないので、それを加味して判断を下す

その間は数秒程度だろうか

その数秒間に、アイギナに起きた劇的な変化に、俺はまだ気付けない


「ん?」


流石に至近距離から見つめ合うのは気恥ずかしかったので、額を合わせてから目線を上へ逸らしていた

綺麗な青紫色の髪が至近に見え、やや眼福、と思った

数秒後、発熱が無いかの判断を下し、徐に視線を戻す

と、同時に鉄錆びた匂いが微かに嗅覚を刺激した


「っ!?アイギナ!?」


すわ出血か!?と焦り、アイギナの全身を見ようと視線を下す

だが、原因はすぐに判明した


「鼻血?」


そう、鼻血だ

顔つきが端正だと鼻の形も端正だ

小鼻とか、え?どこに在るの?というくらいにすっと通っている

よく漫画とかである様な形の鼻だ


その端正な鼻に在る両穴から、真っ白な肌を通って赤い唇へと、細い流血の筋が伝っている

妙に艶めかしい


「と、そんな事を考えてる場合じゃないな」


見たところ、それほど大きく出血している訳では無い様だ

流石に女性の鼻の穴をまじまじと見る訳にはいかないし、不躾に小鼻を抓んで圧迫する訳にもいかない


「さて、どうするか」


放っておいてもすぐに止まると判るが、しかし、まさか本当に放置するなど出来はすまい

少し思い悩む俺は、すぐ傍に在る気配に気付いた


「誰だ!!」


何ともテンプレじみた誰何だが、それはある意味王道であるとも言い換えられる

そんな王道セリフも、直ぐに無為に終わった


「………おっさん?」


そう、勢いよく振り向いた先には、バルコニーの入り口にしゃがみ込んでこちらをにやつきながら見ているおっさん、国王陛下が居た

上司なのだから、いらっしゃった、とか、居られた、とか尊敬語謙譲語の類を用いるべきなのだが、様子が明らかに揶揄い混じりで、とてもそんな謙虚な気持ちにはなれない


「何してんの?」


精々がこの程度である

上司に利く口では無いが、原因は相手にあるのだと自己弁護は完了しているので問題無い


「ああん?午後の仕事サボって娘といちゃついてた奴に、そんな口叩かれるとはなぁ……国王の威名も落ちたもんだぜぇ」


「ぐっ……」


それを言われると辛い

例え、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら、軽口の様に言っていても、仕事をサボったという事実は反抗の意思を容易く挫く


「大体、お前なんで裸足なの?」


それはアンタの娘さんを助けたからですよ

とは言わない

報告するとしても、それは今するべきでは無い


「いや、それは今はいいだろ。それよりアイギナだよ、急に鼻血出して……怪我はしていない筈なんだが……何か持病があるのか?」


裸足で居る理由は当然はぐらかして、今優先すべき事へと話題を移す

俺が知らないのは無理もないが、今後の事を考えて知っておきたい

そう思って、持病や既往症の類を問い質す

父親なら知っているだろう


「無いよ、そんなもん。アイギナは健康そのもの。どこに出しても恥ずかしくない愛娘よ」


望む答えは返ってきた

だが、その顔のにやつきは今だ収まらない

少し苛立ってくるのが解る


「おい、持病が無いにしろ、その愛娘が血ぃ流してんだぞ。何ニヤニヤしてんだよ」


先程の話を思い出し、アイギナが家族を思う、その心を知ったから、目の前のおっさんのふざけた様子に腹が立つ

俺の語気が荒くなったのも、その理由も伝わっているだろうに、おっさんの表情は変わる事は無い


「いや、単に逆上せただけだろ?そんなに血も出てないし、放っとけば止まるって」


それは俺も考えた事だ

だが、それを彼女の家族から聞きたくは無かった


「ふざけんな!それが父親の言う言葉か!?」


いつの間にか胸に抱きしめていたアイギナを放り出す事など出来ず、そのままおっさんを怒鳴りつける

俺は、おっさんに友情じみた感情を抱いていた

或いは、父という存在に対する憧憬の様なものを


今、それが手酷く裏切られた気がした

実に身勝手な事だ

一方的に抱いた感情を、一方的に裏切られた気になって

だが、理不尽と知りながらも怒りは止まらない


「もう知らん!」


「何処へ行く?」


おっさんを振り切り、バルコニーを出た俺は、雑に抱えていたアイギナを丁寧に抱えなおす

そんな俺に、おっさんは平静にその行き先を訊ねた


「治療院だよ!王妃様なら治療してくれるだろ!?」


自分で言ってておかしな話だと思う

放っておいても血は止まるし、そもそも命にかかわる様な事態ではない

アイギナだって一人の自立した大人だ、そんな程度で大騒ぎされたくは無いだろう

だが、俺は嫌だった

そんな程度でも、アイギナを放っておくのは嫌だし、家族が彼女を放っておいていいと言うのも嫌だった


実に幼い、安っぽい反発だ

だが、当事者には一大事なのだ


「ああ、まあ。確かにリアならパパっと治療するだろうな。でもな?」


アイギナを両腕に抱えて、肩越しに振り返っていた俺は、徐に立ち上がるおっさんをすぐに視界から外す

何やら言っていた言葉も、途中で意識から放り出した


―今は駄目だ―


最後まで聞いていたなら、そう言ったおっさんの言葉に違和感を感じて警戒しただろう

だが、それはたらればの話

俺は、聞いていなかった、だから、警戒していなかった

ただの言い訳だ


おっさんの存在を意識外へ放り捨てた少し後

肌に風を感じ誰かの接近を直感し、瞬時に警戒を強める

その瞬時の間

近づく何者かに、両腕に抱えていたアイギナを掻っ攫われた


「っ、速い!」


俺とて、相応に鍛えているし、幾多の鉄火場を渡って来た

防げなかった事は恥だが、後悔などに時間を寸毫もくれてやる事無く、即座に不埒者の捕縛に手を伸ばす

だが、犯人はその速度で俺の反応を超え、直ぐに手の届かない場所まで遠ざかった


「……おっさん」


犯人はおっさんだった

周囲に他の気配は無く、俺とアイギナとおっさんしか居なかったのだから当然だ

だが解らない


「何のつもりだ?」


別に、俺からアイギナをもぎ取った事を責めはしない

未だにおっさんには不快感を覚えているが、それも俺の問題でおっさんに押し付ける類のものではない

だから、これは単純に問うているだけ

その行動の是非では無く、理由を


「サトル。俺はお前を気に入っている。それも、お前が考えるより、ヘクターやエドガー、リチャードが思うよりも遥かに、お前という男を高く評価している」


これは前振りだ

だが、それはただまどろっこしく感じるだけ

苛立ちを感じるのは、おっさんに対する不快感故だ

断じて、それ以外の理由は無い


「だがな?サトル。それでも、今のお前にアイギナを任せる訳にはいかない」


訳が分からない

そんな俺の疑念は、ありありと表情に表れているだろう

自分でも判るのだ、俺の顔を見ているおっさんが気付かない筈がない


「解らないか?本当に?」


「ああ、解らないな。ホント、おっさん。アンタ何がしたいんだ?」


もう一度、その理由を問う


「アイギナの話を聴いたな?」


急な話題の転換だが、付いていけない程ではない


「おっさんが考えているのと同じか判らんし、途中で腰を折られたけどな。まあ、今しがたアイギナと話をしたのは事実だよ」


「安心しろ。アイギナが何かを打ち明けるとしたら、それは一つしかないからな」


その言葉に、少し心が軽くなる

あんなトラウマを、幾つも抱えて込んでいるなんて事は無いらしい


「俺はな、サトル。アイギナとお前はよく似ていると思っている」


それは俺も思っている


「だが、サトル。今のお前にはそうは思わない。それが理由だ」


「はぁ?」


意味が解らない

そんな抽象的な表現で納得できる訳が無い


だが


「おい……って、もう居ねぇ!」


言い募る前に姿を消されてしまった


「クソッ!あのヒヒオヤジ!」


アイギナの心配は必要無い

こう言っては無責任だが、元々安静第一だったのだから、おっさんに任せても何も問題ない


今の問題は、おっさんが残した禅問答の様な言葉だ


「今の俺には任せられない?そんなの、俺が一番知ってんだよ!」


だが、それが正答なら、引っかかる言葉がある


「今は……前は違ったとも受け取れるな……いや、これからとも………クソ、どういう意味だ?」


幾ら考えても答えは出ない

恐らく、文字通り”今の俺”では理解できないのではないか

何らかのブレイクスルーが必要という事なのだろうか


そう考え、問題は一旦棚上げにする

次に思い浮かぶのは、話の腰が折られた時の事だ


「というか、思い返すと話の腰を折ったのって俺じゃないか」


俺が「理」と名前で呼んでほしいなどと言わなければ、こんな事態にはなっていなかったのではないか


「結局、俺のせいって事か……はぁ……」


アイギナが何を言いたかったのか

最後の表情を思うに、相当に重要な事だったはず


「はぁ……おっさんに八つ当たりしちゃったし……」


冷静に考えて、あれは八つ当たり以外の何物でもない事に、ようやく気付けた


「はぁ……どうしよ」


などと、情けなくも途方に暮れる俺を客観的に見れば、成程愛娘を任せられないと思うだろうな

だが、肝心の俺はそんな事には思い至らなかった

やはり理一人の独白だけでは、どうにも理解が出来ない

ああ、早く話が進みますように


俺が進めないといかんのですよ


理の自覚も促されてきました

先ずは理→アイギナへの共感の自覚から

やがてはアイギナへの感情の自覚へと持っていきたいけど、それは第四部で、になるかな

自身への自覚も進めていきたいところ



次回投稿10月……は過ぎるから、11月7日です

展開は遅いけど投稿間隔は維持したい

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