表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でなった魔法使いが想像と違う!  作者: 桜華
第二章:異世界でなった魔法使いの旅路
56/57

囚われの歌姫

今回、ちょっと長めです。

後半、ユウナの能力確認の説明回になってます。

もし私が忘れてる能力や、魔法が会った場合はご指摘をお願いします。


最近、「アクセス解析」機能を知って、初めてどれだけの人が見に来てくれてるのか知りました。

知ってニヨニヨしています。嬉しいですね。たくさんの人に読んでもらえて。

「目に映る~すべてのことは~メッセージ~♪」


ふぅ。歌うのって楽しい。昨日にんじんの歌を歌うまで「歌う」っていうことをずっと忘れてた気がするよ。・・・歌を歌う余裕なんてなかったっていうのもあるけど。でも、もともと歌が好きだったのもあって、今朝は朝食を作りながら歌を口ずさんでいた。

ちなみに今朝の献立は、トーストと目玉焼きにサラダ。トーストのお供はマーガリンにイチゴジャム、マーマレードを用意。喫茶店のモーニングを見本にしてみた。


「歌はいいねぇ。歌は僕のいた世界の人が生み出した文明の極みだよ。そう思わないかい?」

「なんだ、俺が起きてたの気づいてたのか」

「ギルさん?あ、いえ」


今気づいたなんていえない。しかも今の台詞聞かれた?恥ずかしい!

だ、大丈夫だ。ギルさんが元のネタ知ってるわけないし。落ち着け僕!


「吟遊詩人の詩とはまた違うんだな。そういえば昨日も歌ってたか?」

「うん。昨日とは違う歌だけどね。吟遊詩人の詩とは近いけど違うかな?」

「いいと思うぞ。今の歌、なんだか心が安らぐような、懐かしくなるような気持ちになった」


褒められちゃったよ。嬉しいな。


「ありがとう。僕もそんな気持ちになる歌なんだ。みんなにとって穏やかな朝であるようにって気持をこめて」

「そうか。よかったらまた聞かせてくれ」

「喜んで」

「ん~・・・いい朝です」


伸びをしながら声をかけてきたのはティアだ。今日はシルクより早い。


「おはようティア。よく眠れた?」

「ええ。寝覚めに素敵な歌声も聞けたのでとてもよかったですよ」


ティアも聞いてたんだ。しかも素敵な歌声だって。


「そっ、そんなにおだてにはのりませんよっ!」

「おだてじゃないんですが・・・すごく嬉しそうですね」

「体は正直だな」


口ではあんなことを言ったけど、僕は思わず両手を上にあげて喜びを表現していた。もちろん恥ずかしさを隠すためにわざとやっている。そう。わざとだ。大事なことだから二回言った。


「ギルにぃ、その言い方はなんだかエロイよ。ユウナ、もう終わり?」

「なんだ、シルクも起きてきたんだ。おはよう」

「うん。すごく安らぐ声だったから、思わず二度寝しちゃった」


あー。この歌じゃ二度寝の危険あるのか。気をつけよう。


「せっかくみんなも起きたから、朝ごはんにしよう」


そしてそれは、唐突に起きた。


「ユウナ!!」

「え?」


気がついたときには、僕の視界の前方は地面だった。しかもずいぶん離れている。

何?何が起きたの!?

僕は慌ててきょろきょろすると、お腹の辺を白い何かが掴んでるのが見えた。いや、これってもしかして背中から掴まれてる!?

あ、みんなが見えた!ティアすでには魔法の矢と石つぶてをいつでも撃てるようにしてるようだ。シルクとギルさんはすごく苦い顔をしてる。


「ユウナを返して!」


ティアにしては珍しく敬語じゃなった。それにあれだけ怒りを露にしているのは初めて見る。

ティアは声と共に矢や石つぶてを一斉にこちらに飛ばしてきた。しかし、それらは僕と僕を掴んでる何かの近くまで飛んでくると、何かに弾かれた。


「障壁?結界?何かに阻まれた!?」


ティアが悔しそうに見上げている。途端、僕を掴んでる何かが急速に動いた。するとすぐに、さっきまでいた場所を巨大なレーザーの柱が通り抜けていく。今の何!?


「チッ!アレを避けるのかよ!」


声のするほうを確認すると、そこには弓を構えるギルさんがいた。ギルさん、まだあんな攻撃を隠してたの!?

だがギルさんはそのまま倒れ込んだ。


「ギルにぃ!」


シルクが駆け寄ってギルさんを起こす。


「お願い、ユウナを返して!」


ティアが今にも泣きそうな顔で叫ぶ。

そんなティアの、ギルさんの姿を見て僕は心が締め付けられた。

今の僕に何かできないか?

下手に暴れてもこの拘束は解けなさそう。「吸収」「擬態」は拘束状態じゃあ使えない。「空間創造」は戦闘じゃ使えないし、「封印」は時間がかかりすぎる。「自爆」は本当に最後の手段だ。「流星脚」はもちろんできないし、「身体強化ぶーすと」をかけてもこの状態じゃ力が入らない。

魔法は?回復と補助しかないし。いや、ブレス(火)とヘルフレイム、ジャッジメントサンダーがあったっけ。なんだかこれならいけそうな気がする!・・・いや、だめだ。ブレスは逆向きじゃないと使えない。他の魔法は自分を巻き込んだときの被害が想像できないから「自爆」と変わらない。

召喚は?だめ。対価も場所も確保できない。

「アンチマジック」は?姿は見えないけど、僕を掴んでるんだから大きいんだろう。そして大きいものが空を飛ぶには魔法を使ってる可能性が高い。試してみる価値がある。


「アンチマジック!」


しかし、何もおこらなかった。


僕の頭の中で某RPGのメッセージが流れる。だめか。かなり自信あったのに。

・・・だめだ。この時点で僕にはもう打つ手がない。打つ手はないけど、できることはある!


「僕は大丈夫だから!結構強いし空も飛べるし、切り札も手に入れた。こいつが僕を離したら必ず戻る。みんな心配しないで!絶対に無理しちゃだめだからね!」


それはみんなを心配させないこと。本当はすごく怖い。でもここまで生き抜いてきて、能力を把握して、生き残れるんじゃないかなぁという希望は持っている。さすがに「自信」までは持てないけど。

僕を掴んでる何かはこの場を離れ始めた。僕はみんなを心配させないように、不適な笑みをしながら、ずっとみんなを見つめ返し続けた。







「しかし、こんなことになるなんて夢にも思わなかったよ」


ついつい愚痴を漏らす。時間が経つにれて、この状況も徐々に慣れた。

僕を掴んでる何かの移動スピードはかなり速い。ずっと地面しか見てないけど、それはなんとなくわかった。最初は道を忘れないようにずっと見てたけど、体感的に30分をすぎた辺りで諦めた。最悪「取扱説明書」に聞けば、町に戻ることもできるでしょ。

ただ二つ問題が発生。一つ目は・・・おし(げふんげふん

トイレ。いや、ぶっちゃけ自分でも緊張感がないって思う所もあるよ?でもかれこれ、そろそろ一時間は越えてるんじゃないかって思う。その間ずっとこのままですよ。生々しい話だけど、まだ催したばかりだから我慢できるけど、あと数分もしたらきつくなってくると思う。それまでに僕を解放してもらえる事を願いたい。

次の問題は・・・飽きた。さっきも言ったけど、一時間は越えてるんじゃないかって思う時間。その間ずっとこのままなわけですよ。その間ずっと同じような景色が流れていくだけだもん。

うん。トイレの気を紛らわすため、暇つぶしと脱出の際の事も考えて、今僕は何ができるかを確認してみよう。昔のエロイ人・・・じゃない、偉い人は言ったもんね。「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば、戦う度に必ず破れる」・・・だっけ?少なくても自分のことは知っておかないと。



まずは魔法少女になれる「変身ちぇんじ」。魔法少女になることで大幅に強くなれる。それにこれは今、魔法少女以外にも変身できるし、男の状態でも使えるんだよね。どうやらここ最近の激闘(決闘や修行)でLvがあがってたらしく、人間以外にも変身できるようになったみたい。モンスターに変身して抜け出すのもありかもしれない。


身体強化ぶーすと」。これが僕の力の底上げをしてくれる。かなり強化できるし、継続時間も長く取れる。それに弱体化はするけど、他の人に譲渡もできる。これもLvアップしてるね。強化幅があがってるのと、譲渡する際の弱体化の減少。それに物にも譲渡ができるようになったみたい。もっとも自分の装備は、魔法少女効果で強化されるから自分にはあまりメリットはない。逃げるときにでも使えるかな?


「空間創造」。物を収納できる空間を作れる。これは戦闘じゃ使えないけど便利。重宝してます。中には食料や生活に使うあれこれは揃ってるから、数ヶ月はもつ。戻る際にもどれくらいかかるかわからないから、食料や飲み物の心配をしなくてすむのはありがたい。


「アンチマジック」。発動範囲内にある自分以外の魔法効果のあるものを無効化する能力。魔法はこの範囲内で使うどころか、発動中の魔法も無効化される。魔法道具の効果も無効化できる。これもLvアップで範囲が広くなってる。決闘に使ったコロシアムの半分くらいかな。

マインの魔法すら発動させなかったこれなら、魔法にやられる心配はしなくてもいいと思う。


「封印」。相手の特殊能力全部を封印、カード化できる。強力だけどそのぶん時間がかかる。これもあがってた。かかる時間が数分短くなってる。さすがに強力な能力だけあって、なかなか使い勝手はよくならないみたいだ。

「流星脚」。エセライ○ーキック。僕がよくこのキックを使ってたから、神様にスキル化された能力。そのおかげで補正もかかるし、今回のLvアップでその補正もあがって性能がよくなってるからあまり文句も言えない。


全体的に、能力は上がったけど、新しく憶えた能力は今回はなかった。


見て憶えた魔法。「ヒール」「リフレッシュ」「リカバー」「カースブレイク」「サーチ」「リジェネイト」「パワーアップ」「スピードアップ」「スタミナアップ」「ブレス(火)」「ヘルフレイム」「ジャッジメントサンダー」「リザレクション」。今思うとずいぶん憶えてきたんだなぁとちょっと感慨深くなった。

・・・ん?リザレクション?これってシルクを救ったあれ?魔法として成功してた?で、僕が見て憶えたと?嬉しい誤算だ。こんな状況だから使える魔法が多いのは心強い。それが強力なのならなおさらだ。

・・・脱出に必要ならヘルフレイムと、ジャッジメントサンダーの封印をとこう。でもなるべく使うことがありませんように。


手に入れたカード。「魔法創造」「魔法道具生成」「錬金術Lv10」あ、「全魔法適正Lv10」は「自爆」と交換したんだっけ。「絶倫」は捨てたね。「ツタバサミ」と「ツタ拘束」はティアにあずけたまんま。あれは便利だからもっておけばよかった。あと残りは「擬態」と「吸収」。これは手に入れておいてよかったって思う。どっちも何かあったときに頼りになりそうだ。


あとは空を飛ぶ丈夫なステッキと空を飛べるギミックつきのリュック。


うん。こっちの世界に来て、努力した結果だと思いたい。たくさんの能力があって、本当に何とかなるとちゃんと思えてきた。

・・・あれ?もしかしてさっき、「魔法創造」を使えば脱出できた?


あぁぁぁぁぁあああ!!


なんで今考え付くかな僕!とはいえ、最近はカード化するくらいにしか使ってなかったから仕方がないのかもしれない。と自分に言い聞かせる。


そして、だましだましできた我慢がそろそろ限界を迎えつつある。脱出できる手立ても見つかった。早速実行にー・・・って、あれ?高度が下がりつつある。どうやら目的地に到着したようだ。




早く下ろしてトイレに行かせてください!




さらわれる最中のユウナの心中「なんだかゲームでよくさらわれるお姫様になった気分。でもこういう役は本物の女性がなるべきだと思う。シルクとか(一瞬、はしゃいだり、寝てたりするシルクが脳裏をよぎる)・・・ティアとか(一瞬、返り討ちにするティアが脳裏をよぎる)・・・がんばれ僕の想像力!(牢の中で「ユウナ・・・信じてるから」とつぶやくティアを想像)ティアを助けに行かなくちゃ!」


余談その一

後で本人に説明させるつもりですが、弓とレーザーの攻撃はギルさんの本当の奥の手、最後の切り札でした。威力や、撃った反動の理由で、決勝では使っていません。


余談その二

アンチマジックが効かなかったのは、魔法ではないからです。今回のさらったヤツや、この先に出てくるであろうドラゴン系で空を飛べるヤツは、世界の理で飛んでいます。つまり、この種族たちが飛べるのが当たり前に認められてる世界です。

科学的根拠?ナニソレオイシイ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ