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異世界でなった魔法使いが想像と違う!  作者: 桜華
第二章:異世界でなった魔法使いの旅路
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武術の伝承とはすなわち模倣から始まるのだよ!

はい。タイトルは今回の内容のいいわけです。

どこかで見たことのあるような技が多発します。そういうのが嫌いな方や苦手な方はご注意ください。

そういうのが大好物!と言う方は楽しんでください。

「はっ!さっきよりずいぶんましな攻撃になったじゃねぇか!」

「それはどうも!でも敵にアドバイスなんて余裕じゃないですか。そういう考えは嫌いじゃありませんけどね!」


激しい打ち合いの中での言葉の応酬。でもしゃべってるうちはお互いまだ余裕はあるんだと思う。

それでも時々さっきみたいなカウンターを織り交ぜてくるから下手に力いっぱい攻撃できない。

しかしふと隙ができる。

さっきまでの僕なら喜んで打ち込んだだろう。たぶん罠だ。なら!

僕はステッキじゃなくて大降りの左の拳を入れる。

すると当たった部分から霞がかって姿が消えた。


「残影」


声は後ろからした。残像的なそういう技か!

僕は前宙しながらギルさんに向き直る。

視界に入ってきたのは飛来する数本の短剣。僕はそれをステッキで全部弾き飛ばす。もちろん同時に飛び出してくるだろうギルさんを予測して。

ところが今回は短剣が二回にタイミングをずらして飛んできてた。慌ててそれを弾くと最後にギルさんが飛んでくる。

一人波状攻撃とかほんと人間離れしてる!


「フライ!」


呪文と共に僕はステッキに魔力を込める。それに呼応した背中のリュックの羽と、ステッキの羽が僕をそこから緊急脱出させてくれた。


「お前空まで飛べるのかよ!マジで天使か女神じゃねぇのか!?」


攻撃のタイミングを失ったギルさんが悪態なのか褒め言葉なのかわからない事を言いながら着地する。


「そんな大それたものじゃありませんよ。ただ空が飛べるだけです。それも道具を使ってですし」


そういいながら体制を立て直した僕もゆっくりと着地した。


「そのただ空を飛ぶことがどれだけおおごとかわかってねぇとか・・・お前には常識を教えるやつが近くにいたほうがいい。俺がお前の常識になってやる」


対峙、構えをとってギルさんをけん制しながら思うところのある僕は、ちょっと心にダメージを負いながら答える。


「う”・・・それは否定しませんが、この世界の常識はティアが教えてくれるから大丈夫です!・・・それにギルさんの常識も偏りがありそうですし・・・」

「今のユウナよりはよっぽど大丈夫だろ?・・・それにしても「この世界の常識」ときたか。ますます天使か女神だな」


しまった!余分なことを口走った。

しかしギルさん、ほんとうに油断のならない人だ。こんな人から口説かれたら何を言質にとられるかわからない。なんとしても勝たないと。


「疾風牙」


ギルさんの声が聞こえたときにはもう目の前にいた。


うそっ!?


思わず目を瞑りそうになるけど、さっきの惨劇が一瞬頭をよぎる。閉じようとする瞼を一生懸命こらえてギルさんの行動を観察。迫り来るギルさんに逆に突っ込んでタックルした。


「うぉっ!?」


バランスを崩すギルさん。さぁ攻守逆転だ!

今まで読んできた本やアニメ、ゲームの知識をフル活用して活路を開くんだ!

しかしさすがのギルさん。倒れ込みつつも僕をひっぱって巴投げの要領で投げ飛ばした。

でも投げが甘い!

僕は即着地、ステッキをビリヤードのキューを構えたような状態になる。そして突撃。


牙突きばづき!」

「うぉぉっ!?」


ギギギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!!


金属のぶつかる音がこれでもかと言うほど響く。

かなりのスピードで突っ込んだせいか、さすがのギルさんも防御で手一杯だった。

曲刀をクロスして突きを横にそらすギルさん。

僕はそこで全力でブレーキ。ステッキをを振り上げて下ろす。

ギルさんは弾かれた武器を防御に回せなかったようで、回避に回る。バランスを崩した状態でもこれをよけるのはやはりギルさんも人間を辞めていると思う。でも僕の狙いもここからだ。


「燕返し!」


振り切った先を返すようにステッキを振り上げる。


「っ!」


ギルさんが息を呑むのが見えた気がした。


ドスッ


手ごたえあり!


ドォォォォォォォォォォォォォォン!!


ギルさんは吹っ飛びつつも着地、慣性に逆らいながら地面に足をめり込ませていく。

まだだ!

僕は追い討ちをかけるようにジャンプして上空にいた。


「龍槌○!」


落下運動に加えて「フライ」の加速付き。それでも飛ばされて余裕ができたギルさんには防御に余裕がある。二本の曲刀をクロスして防御に備えてた。


キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!!!


「ぐっ!・・・お、重い!!」


牙突きばづきに負けない金属の響き。普通の剣なら間違いなくぽっきりいってる。いや、消滅しててもおかしくない威力だ。この威力に耐えられるギルさんの曲刀はかなりの名剣っぽい。オリハルコンや神鉄クラスじゃないだろうか。

感心するけど僕の攻撃はまだ終わりじゃない!


「マザーズ・○ザリオ!!」


怒涛の連続突き。防戦一方のギルさん。いや、これも防ぐのか!?


「俺がっ、防ぎっ、切れないだとっ!?」


ギギィィィィィィィィィィィィィィィン!!!


ギルさんが。あのギルさんが二本の曲刀を弾き飛ばされる!僕の攻撃で!

ようやくできたギルさんの本当の隙。でもこれは本当に隙なのか?って疑うけど、躊躇って隙を逃してたら負ける!

それでも連続攻撃を終えた僕のラッシュも一旦止まる。

ギルさんはその間を利用してバックステップ、飛ばされた武器を回収した。

でもその間は僕にも溜めの時間をくれる。


「むっ!?」

「一刀流「居合い」・・・獅子の歌!!」


ギルさんは直感で感じたんだろう。これをまともにうけちゃいけないって。

でも回避は無理。そんな生易しい技じゃない。だからこそ僕にかけらも再現できるわけもない技だけど、そのための溜めの時間も貰った。そして僕は一歩踏み出す。


刹那。


ギルさんは言葉を発することもなく空へと打ち上げられていた。

見よう見まねにだって程遠い、聞きかじった程度の技でよくここまでできたもんだ。

そして僕は仕上げに入る。もっともこの最後が一番の賭けで、それっぽくなるかどうかもわからない。確率なんてそれこそ99.9999%無理なんじゃないかなって思う。でもここまでできたんだ!自分を信じてみよう!

ステッキを両手で構える。そして魔力をステッキに流す。ステッキが魔力を溜めて輝きだす。求める技は「約束されたであろう勝利の剣(エクス○リバー)」。この勝負の決着に相応しい名前の技。


ドシャッ


ギルさんが地面に叩きつけられる。

全身ぼろぼろになりながらもゆっくりと立ち上がる。


「・・・がはっ!っはぁ、はぁ。なんつー技を持ってるんだよ・・・それになんだその巨大な魔力の塊・・・おれの強化の時間も残り少ない。ここが勝負所か」


そういうとギルさんは両手の曲刀を逆手に持つ。

二本の曲刀の美しい銀の色が妖しく輝く。

そしてギルさんから風が巻き上がる。

ギルさんの雰囲気が変わった。そしてばら撒かれる威圧感。

これは・・・シルクと戦ったときに見せた本気モード!だとしたら・・・僕に攻撃させる前につぶす気!?


「我が牙に砕けぬ物なし!」


ギルさんが吼える!

させない!

僕はステッキを振り上げる。まだ魔力を十分溜めてないけど、つぶされるわけにはいかない!


「エ○ス!カリバァァァァァァァァァァァァァー!!!」

「破砕牙!」






僕たちの攻撃は真っ向からぶつかった。














ギルさん心の叫び

「なんなんだあの技は!完成度は低いのに何であんなに強いんだ!」

あくまで模倣なので完成度は低いです。それを力で無理やりやってるので下手に威力は大きいとかギルさんには厄介です。



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