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異世界でなった魔法使いが想像と違う!  作者: 桜華
第二章:異世界でなった魔法使いの旅路
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ユウナvsティア

更新が遅くなってすいません。

今回、結構エッチなシーンがあります。ご注意ください。

カシュ


カードを入れたステッキの閉じる音が響く。

僕はティアが何を仕掛けてくるかわからないので迂闊に動かないほうがいいと判断。

ティアはカードを一枚取り出して何か仕掛けてきそうだ。

ティアの周囲に数本の魔法の矢が出現した。

マジックアローのカードか!


「アンチマジック!」


僕を中心にフィールドが広がっていく。そのフィールド内にマジックアローが入ってきた。

しかし、消滅するどころか威力すら落ちずに向かってくる!


「なっ!?」


これには驚いた。アンチマジックがきかない!なんで!?

僕は横っ飛びで矢をよける。


「油断大敵ですよ。ユウナ」


その台詞に否が応でもよけた矢に意識がいく。矢がUターンしてこっちを向いた。ホーミング性能ありか。

矢が消えない事実は置いておいて、なんでそんなことを教えてくれたのか。ティアは次のカードを入れるところだった。

しまった。それが狙いか。でもとりあえず飛んでくる矢をなんとかしないと。

アンチマジックはきかない。どうする?思いつきだけど一か八か。


「とりゃあ!」


ステッキで迎撃した。魔法の矢は見事に消滅。うまくいった!でも次の手をうつ時間をティアに与えてしまった。ティアは何のカードを使ったのか。

改めてティアのほうを向くと、数本の魔法の矢と一緒に、大きいものはノルド様の顔くらい大きな石がいくつか浮いていた。

これってもしかして石つぶて?でも大きさといい数といいこんな能力高かったかな?


「いきます!」


そういうとティアはいくつかの石や矢と一緒に突っ込んできた。

まずい、攻撃が捌ききれないかも!


ギィィィィィン!!


ステッキの打ち合う音が響く。

そして嫌なタイミングで飛翔する矢や石。

くそっ!絶妙すぎる!


ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!


初撃はなんとかかわした!けどティアの追い討ちが激しい!

救いは石つぶてだけは誘導じゃなく直線で飛んできて二撃目がないこと。これならなんとかよけきれる。石も矢も数には限りがある。これが切れたら反撃開始だ。

ティアの攻撃は続く。矢は二、三本が執拗に僕を狙う。そして石つぶても時折混ぜて飛んでくる。

この中で一番当たれないのはティアの攻撃。一撃一撃が見た目より重い!身体強化ぶーすとがかかってなくても十分驚異だ。たぶんドーピングしたマインの一撃より強い。どこかの漫画で言ってた。「一点に凝縮された”本物のパワー”ってヤツはムダな破壊をしないものよう!?」って。

ふと見上げると、石つぶての石は残り僅か。これで少し楽になr・・・


かつん。


「え?」


足が何かに引っかかった。反射的にそこを見ると、よけた石つぶての石が足に引っかかるような形で地面に刺さっていた。それに見事にひっかかって僕はバランスを崩す。

うそっ!?これも計算のうちなの!?これじゃ


ドスッ


「んぎっ!」


矢のひとつが引っかかって浮いた足に刺さった!

痛みを我慢してなんとか足をつき、転ぶのを耐える。しかし


ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!


「ぐっ!」


ティアの手数と攻撃速度が上がった!このままじゃまずい!仕方ない。


身体強化ぶーすと!!」


途端に僕の奥底から力が湧いていくる!


「ハァッ!」


かなりの力を込めてティアのステッキに叩きつける。バランスを崩せればよし、ステッキを飛ばせたらなおよし!しかし


「あまいですね」


その攻撃を読んだように一撃をいなす。そして僕に隙ができる。

ティアがその隙を逃すわけがない。


「二蓮華」


肩口に二撃もらって吹っ飛ぶ。客席まで飛ばされることはなかったけど地面に突っ込んだ。

ダメージは小さくない。まったく手が出せなかった。


・・・強い。想像以上に。

知識、発想、策力、判断力、力、技術、経験。どれをとっても一流だと思う。力意外は僕以上だろう。

ティアは肩で息をしながらステッキの先を僕に向けて叫ぶ。


「ユウナ!本気を出してください!私の憧れたあなたはこんなに弱くないはずです!」

「・・・買いかぶりすぎだよ。僕は弱い。だから強くなりたいと思ってる」

「いいえ。弱さを認めることは強さです。ユウナは心も体も強いですよ。・・・やっぱり私相手では本気はだせませんか?」


僕は足に刺さった魔法の矢を消滅させ、ヒールをかけながら立ち上がる。


「僕は最初から本気だよ。僕をここまで追い込んだのはティアの実力だ。自信をもっていい」

「ユウナ・・・」

「ただ、僕もやられっぱなしでは終わらない。僕は君に勝つつもりだから」

「それでこそ私の憧れた人です」

「さぁ反撃開始だ!いくよ!」


治療を終えた僕はステッキを構えて突撃する。ティアは残った石つぶてや魔法の矢をすべて飛ばしてくる。


「はぁぁああああああああ!!!」


僕は飛んできたものすべてをステッキで叩き落とした。


「くっ、身体強化ぶーすとがかかるとこの数でも対処しきりますか!」


ティアが一枚カードをステッキに入れる。

そのタイミングに僕はティアに肉薄していた。


ギィィィィィィィィィィィィン!!!


「キャア!」


僕のステッキを受けきれず、ティアが仰け反る。もらった!

今度は横腹を狙う。命中!でも手ごたえがない。

横なぎにしたティアの体が揺らめきと共に消える。

幻影!?ティアはこんな効果のカードを持っていなかったはず!魔法も封じてるから考えられる可能性は一つ。新しくカードを手に入れてる。

可能性は考えてたけど、手の打ちようがない。それに僕もそれで二枚のカードを手に入れている。文句は言えない。言う気もないけど。

そして気がつくと、辺りは霧に包まれていた。これはかく乱目的か?

僕は落ち着いて気配を探る。・・・近くにはいない感じ。

たぶんこれはティアの切り札だ。何があってもおかしくない。

覚悟を決めて僕も切り札の二枚のカードを使う。


カシュ


セットを完了した音をたどらせないように数歩下がる。

下がりながらかくんと片足が膝をついた。あれ?

・・・体がしびれてきてる。いつのまに。

さっきティアと打ち合った影響だと思ったけど違うっぽい。

・・・!

原因はこの霧か!まずい!早く何とかしないと!

しびれた体にむちをうって立ち上がり、ステッキを刀を納刀したポーズを取る。


「はぁっ!」


そしていあい抜き。風圧で霧は霧散した。

離れた場所には四枚のカードを持ったティアが立っていた。

そして限界を迎えた体は膝をつき、とうとう動けなくなった。

ティアはゆっくり歩きながら話しだす。


「ユウナに勝つにはよほど強力な攻撃を入れないと無理だと思いました。そして私の最大の攻撃は「流星脚」。これにカードを使って威力を上げる。でもユウナが普通にこんな攻撃は当たるわけがない。そこで私は状態異常に目をつけました。麻痺で動けなくなれば攻撃を当てるのはたやすい。でもユウナは攻撃や防御は強力ですから、状態異常になるところを見たことがありません。これは賭けだったのですが、見事賭けに勝てました。さぁ、覚悟してください」


四枚のカードをステッキに入れながら近づいてくるティア。

そして・・・


びたーん

「キャア」


こけた。いや、正確には


「な、なんですかこれ!?」


ティアの足を植物が挟んでいた。

そこからさらに植物のつたが無数に生えてティアに殺到する。


「なっ、ちょっと、なにこれ、キャッ、どこに絡みついてるんですか!」


植物のつたはティアを縛り上げる。いうなれば


「おっと、植物の触手がティアに絡み付いたぁー!」


っていう状況だ。


「これはなかなかエロイ展開だぞー?」


実況、余分なことを言わない!こっちは体が痺れててそれを見ることができないんだぞ?

コロシアムは大盛り上がりだ。主に男共が。

そう。僕の切り札はこの二つの植物の罠。一つ目はトラバサミの植物版。もう一つは体の自由を奪うつた。決して触手ではない。・・・と思う。

仕掛けは霧の中。どうなるかわからない中で相手を捕まえれるように罠をしかけたんだ。

結果が狙いとは違うけど、おかげで助かった。

そもそもどうしてこんな切り札を考えたかというのは、ティアと同じような理由だったりする。確実に強力な攻撃を当てるために。

ただ正直、この切り札は使いたくなかった。理由は実況が言った台詞の通りだ。

・・・ティアこの後口をきいてくれるかな?


「こっ、困りましたね。服の中にまで・・・んっ。入ってこられると」


ちょっとききすぎ!つた!うらやまし(げふんげふん

やりすぎなんだって!止まれ!

ティアも打つ手がないなら早く降参して!


「だっ、だめですね。色々考えましたが、んっ、今の私には対処できません。こっ、こうっ、さんです。あんっ」


その声と同時に会場からすごい落胆の声が聞こえる。同タイミングで速攻で誰かが近づく。


キン


剣を納刀する音が聞こえた。そして


「リカバー」


声と共に体から痺れが消えた。でも僕は今顔を上げるのがすごい怖い。

冷や汗が止まらない。

しかし実況に片手をつかまれて持ち上げられる


「勝者、ユウナ!決勝進出だぁ!」


僕の目の前には黒い笑顔のティアと張り付いたような真面目な顔のシルクがいた。


「・・・ユウナ。後で今回の切り札のカードを貸してくださいね?」

「・・・イエス。マイロード」





僕はそう答えるのが精一杯だった。







ユウナ、お仕置き決定。

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