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異世界でなった魔法使いが想像と違う!  作者: 桜華
第一章:異世界でなった魔法使いの波乱万丈
4/57

町並みと食事と冒険者ギルドと。

4/26、読みやすいように行間をあける訂正をしました。

「転移者殿、またせた。これが陛下からの心配りだ。」


そう言って髭のおっさんは袋を渡してくれた。


「金貨で10枚。それだけあれば数十日はもつだろう。」

「ありがとうございます。」

「陛下に感謝するがいい。」

「はい。」


そう言うとひげのおっさんはとっとと出て行った。

次いでクラールさんが話しかけてくる。


「じゃあ出口まで案内してやる。ついてこい。」

「あ、は、はい・・・ちょっとまってください。」


お、お金しまわないと。どこに?ポケットじゃあ心配だし・・・ってそういえばこの服、内ポケットがあったっけ!はいるかな?よし入った!


「早くしろ!」

「は、はい!」


そんなにいらいらしなくてもいいじゃん。ただでさえ強面なんだし。


「行くぞ!」


そう言うとこっちの都合も考えずに歩き出した。

僕もあわててついていく。

その後僕は怒鳴られたことを心の中で散々文句を言いながらついていった。でもそれも数分で落ち着ついたので、物珍しさもあってきょろきょろしてると今度はおいてかれそうになった。

城門の前には軽い兵装の兵士さんが数人いて、クラールさんが声をかけると一斉に敬礼のポーズ。で、大きな門の左右に分かれて門をあけてくれた。

その様子を僕はわくわく半分、不安半分でみていた。

開いた門の先は、レンガ造りの建物がひしめいていた。


「おぉ~。」


思わず感嘆の声が漏れる。


「さぁ行け。」

「あ、はい。ありがとうございました。」


社交辞令感覚でお辞儀をして僕は町の中へ歩き出した。

ようやく堅苦しくない場所にきて、心の底からの開放感を味わう。

しばらく歩いてから一回立ち止まり、軽く伸びをしてから再び歩き出す。まずは・・・食事かなっ。

とりあえず歩きながら左右の建物を見ていく。なんだか高級そうなお店が多い。食べ物を扱っているようなお店はなさそう。どうしようかな。


(この通りをまっすぐ進むと食事ができるお店が多数あり、さらに進むと屋台や露天のお店があります。)


・・・びっくりした。説明書を起動しっぱなしだったのを忘れてた。これ、便利だけどびっくりする。僕忘れっぽいからなぁ。一旦終了しようかとも思ったけど、そのまま忘れる可能性もありそうで躊躇する。

そういえば起動してからぜんぜん終了してないけど、起動しっぱなしの障害ってなにかあるのかな?


(基本的にはありません。ただし先ほどのように驚かれる可能性はあります。)


そうなんだ。じゃあこのままでいこう。にしてもナビ機能も搭載か。スマホ並みに便利だね。ゲームもあったりして。


(ありません)


つっこまれた。さすがにないか。


(じゃあ食事のできるお店の辺りまで案内して。)

(案内を開始します。)


 

 食事のできるお店の通りに着いた僕は、銀のスプーンの看板が出てたお店に入って、予想よりおいしいご飯に舌鼓をうっていた。サラダはみずみずしくてしゃきしゃきしてるし、パンもそのままだとちょっと固いけど、スープにつけて食べれば味もしみこんでちょうどいい。肉は「プート」っていう生き物の肉らしいんだけど、食べたことのない味で新鮮だった。これで銀貨1枚なら安いと思う。

 

 そういえば料金を支払うとき、貨幣の価値を説明書にきいた。日本で換算するなら、

銅貨=100円 銀貨=1000円 金貨=10000円 白銀と金でできた金貨=1000000円 に近いらしい。

銅貨より安い貨幣がない理由を聞いたら、持ち歩くのに沢山の貨幣は邪魔になるからだそうだ。


 

 食事を終えた僕が次に向かったのは冒険者ギルド。もちろんこれからの生活を考えてだ。ちょっとわくわくしてたのは否定しないけどね。場所は町の入り口付近にあり、他の建物より大きかったからわかりやすかった。説明書に聞かなきゃ分からなかったけど。


「本日の御用はなんでしょう?」


さっそく入って受付まできたんだけど、特に絡まれることもなかった。いちよう食事できるスペースがあり、いかつい方々が数組談笑したりこっちを見たりしてたけど、お約束も考えてした覚悟は軽くスルーされた。まぁそのほうがいいんだけど。


「登録をしたいのですが。」

「はい。では銅貨1枚いただきます。」


僕は銀貨を渡して銅貨のおつりをもらう。受付の人はその銅貨を他の職員に渡していた。


「ギルドの説明はいりますか?」

「あ、大丈夫です。」


説明書に教えてもらったからね。


「ではカードを作りますのでお名前を教えてください。」

「佐々木 悠喜です」

「ササキ ユウキ様ですね。ではカードを作るのに時間がかかりますので少々お待ちください。」

「はい。」


僕は時間をつぶすために掲示板を見に行く。Fクラスの依頼は、と。

・・・なんだか雑用が多い。危険度は高くないけど外に出る仕事はなかった。

Eクラスなると、採取するものや、軽い警備のものがちらほらあるみたい。

できれば一度外にでて、魔法を確認してみたいんだよね。FクラスでもEクラスの依頼をうけられないかな?


「おいおい。そこの変わった服着てるニーチャンよぉ。そんなにひょろひょろで冒険者なんて務まるのかよ?」


・・・まさかここで絡まれるのか。入ってきたときには何も言われなかったから油断してた。

あと服。目立ってたんだ。すっかり忘れてた。


「はい。勤まるかどうかはわかりませんが、しばらくやってみようって思ってます。」


すると声をかけてきたいい歳のおっさんは同じテーブルに座る仲間と顔を見合わせて下品に笑い始めた。


「やめておけ。お前じゃいくつ命があっても足りねぇよ!」

「ご忠告ありがとうございます。それでも生きていくために必要なんです。」


僕は真剣に返す。

まずい。テーブルに座ってる4人がちょっと真剣な顔になった。何か怒らせるようなこと言ったかな?


「仕事なんて他にもあるだろう?」

「僕はすぐにでも生活していけるだけの収入が欲しいんです。だからここにきました。覚悟はあります。」


いい年のおっさんは黙って僕を睨んでいる。結構怖い。いつの間にか周りの人たちも僕たちの成り行きをを見ている。あんまり目立ちたくないんだけど・・・


「本気なんだな。わかった。これ以上は止めねぇ。だが無茶だけはするな。生きていくためにな。まずはFクラスで力仕事でもして力と体力をつけろ。まずはそれからだ。」

「は、はい。」


あ、あれぇ?なんだかいい人たちだ。ちょっと意標をつかれたから声が裏返っちゃった。てっきり「現実を教えてやるぜ!」とかいって襲ってくるかと思ってた。偏見で見てたおっさんに心の中で謝る。ごめんなさい。


「お、そろそろ時間か。おめぇらいくぞ。」


そういうとおっさんたちはギルドを出て行った。

予想外のことに僕は彼らが出て行ってからも呆然としていた。



お約束をお約束どおりと考えていた僕は、現代にずいぶん毒され(ゲフンゲフン

・・・その手の考え方に染まっていたようです・・・


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