冒険者ギルドはイベントやフラグが多すぎる
投稿がおそくなりました。ごめんなさい。
話が進んでくるとまとめるのが難しくなりますね(´・ω・`)ショボーン
今回軽いシモネタ系の話が続きます。お気をつけください。
5/29、誤字の訂正と、台詞を一部追加しました。
変更前「戦い方も教えてやるぜ。手とり足とりな」
変更後「女冒険者の一人旅は危険だろう?だから俺たちのパーティに入れてやるって言ってるんだよ。戦い方だって教えてやるぜ?手とり足とり・・・」
「だいぶ建物の輪郭が見えてきたね」
「はい。あと少しですね」
翌日の昼前、僕たちは視界に町をとらえていた。
朝は昨日の夜と同じローストワイパンに舌鼓をうち、道中でティアはファットムっていう空を飛べない太った鳥を倒して「スタミナ10%アップ」カードを手に入れていた。
僕は僕でファットムの肉を手に入れた。説明書によると割と良質のお肉らしい。何を作ろうか迷っているけど、まずは無難な焼き鳥かな。ただ捌きかたは知らないので町についたらどこかでやってもらおう。
「なんだか質実剛健って言葉を表現したような町だなぁ」
「シツジツゴウケン?」
「うん。見た目は質素だけど中身が強くあることだよ。ほら、この町の建物って少し古く見えるのに、すごく頑丈そうでしょ?」
「そうですね。確かにこの町を表すいい表現だと思います」
僕たちはあれからすぐに町に到着した。ちなみに今は男に戻ってる。
とりあえずお昼ごはんを食べながら、午後からの予定を話す。
「午後からだけど、情報を集めるのと、食材や食べ物を準備したいんだ」
「いいと思いますよ。あ、このお肉結構おいしいですね。ワイバーンとは比べられませんが」
ティアって結構肉食だなぁ。
「じゃあ食事が終わったら宿を決めて別行動にしましょう。買い物をすれば情報も手に入りやすいでしょうから」
「ついでに冒険者ギルドでどんな依頼があるか軽くみてくるよ」
「はい。お願いしますね。んー。サラダはシルヴェルトのほうが断然上だなぁ」
「そういえばシルヴェルトのお野菜おいしかったな」
今日の予定が決まった後は食事の話題で盛り上がった。
さて、そんなこんなでやってきました冒険者ギルド。
ちなみに服は宿屋を決めたときに変身、さらに剣士ルックにしてある。
魔法少女ルックだと絡まれる可能性が高いと思ったからだ。
「ぉぉぅ。これはまたいっそう厳ついなぁ」
王都のギルドは建物がそれはもう立派だった。シルヴェルトも王都ほどじゃないけど他の建物よりいいたたずまいだった。ノートルのギルドはそう、厳つい。ちっちゃな砦って言葉が似合いそう。
まぁ、とりあえず中に入ろう。
うわぁ。ごつい顔のあらs(げふんげふん
・・・強そうな人が多いな。
まぁさすがにちゃんと登録したカードもあるし、絡まれることもないだろうと思いつつ依頼ボードを確認する。
「お嬢ちゃん一人かい?どうだ?俺たちのパーティに入らないか?」
不意に声をかけられて振り返ると、「どこの盗賊の御頭?」って言いたくなるような男が嫌なニヤニヤをして近づいてきた。
誰のことだろうと思って辺りを見回す。今女で依頼ボードを見てるのは僕だけだ。
「・・・僕?」
「そうだよ。他に誰がいるんだ?」
「あ、いや。だって。何で僕?」
「女冒険者の一人旅は危険だろう?だから俺たちのパーティに入れてやるって言ってるんだよ。戦い方だって教えてやるぜ?手とり足とり・・・」
いや、その欲望むき出しの顔でやさしいとか言われてもね・・・
というかギルドってどうしてこうも絡まれるイベントが豊富なんだろう?
「もちろんあっちのほうもな!」
そういうと男はいやらしい目つきで僕の体を嘗め回すように見る。
ぞわっ!
うぇ!気持ち悪っ!
僕は体を抱えて男から体を隠すようにひねる。
「結構です!自分の道は自分で開きますから!」
「そう邪険にすんなよ。俺たちはこれでも限りなくBに近いCクラスだ。俺たちと一緒に行動すりゃレベルアップなんてあっという間だぜ?」
そういいつつ気軽に僕に肩を組んできた。
ひぃぃ!鳥肌が!
「おいアギラ、ずるぃぞテメェ!おい嬢ちゃん、俺たちと組みな。こいつらより俺たちのほうがよっぽ稼ぎがいいぜ?」
「まてまて、嬢ちゃん、こんな男たちと一緒だと何されるかわかったもんじゃねぇ。俺たちのところにこいよ。俺たちゃ紳士だぜぇ?」
「抜け駆けすんじゃねぇ!ねぇちゃん、うちにきな、悪いようにはしねぇから。な?な?」
「彼女みたいな上玉そうそういねぇよ。むしろ俺とつきあっちゃわねぇ?」
「いや、俺と楽しくヤろうぜ?」
いやぁぁぁぁぁぁ!キモイ男の追加がきたぁぁぁぁぁ!!
っていうかなんなのこの僕の奪い合い!っていうか最後の方欲望駄々漏れじゃん!
僕は組まれた肩をすり抜けて受付まで逃げる。
「いい加減にしてください!僕は誰とも組みません!」
助けて受付の人!
助けを求めるように受付の人を見る。
「いっそギルドで働きません?」
だめだ!ぜんぜん役に立たないこの人!
奥の職員さんは!?
「いいですねぇモテモテで」
「争いごとなら外でしてくださいねー。登録抹消の対象になりますよー?」
あぁぁぁぁあ!僕に味方はいないのか!?
「おう!なに調子こいてんだテメェら!殺すぞ!?」
「お前らこそ何様のつもりだ!彼女が嫌がってるだろう!?」
「あぁ?てめぇらのせいだろうが!そんなエロい目つきで見られたらそりゃ引くだろ!?」
「どいつもこいつも身の程をわきまえろ!彼女にふさわしいのは俺だ!」
うわ!なんか殺気だってきたよ!ちょっと、誰か助けてぇ!
「お前ら、これは一体なんの騒ぎだ!?」
急によく通る声で一喝。急に静かになった。
助かったぁ。
出入り口のほうだろうか?なにやら話し声が聞こえる。
少しすると人だかりが割れた。そこをわりとかっこいいチョイワルオヤジが歩いてくる。
「ほう。まだ見た目が幼いが、それを含めて確かにいい女だな」
そういえば女のときの僕って我ながら結構かわいかったっけ。少し冷静になってそんなことを思い出した。
いや、これって下手するとロリコンなんじゃない?あ、この世界は十五歳から成人なんだっけ。ってことはいいんだ。いや、いいのか?
そんなことを考えてる間にもチョイワルオヤジ・・・呼び難い。チョヤジでいいや。チョヤジは僕をじろじろと見る。さっきのおっさんみたいに欲望丸出しじゃないぶん悪寒はない。
「お前、名前は?」
「ユウナ。ユウナ・ササキ」
「よし。ユウナ、俺の女になれ」
「は?はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
一瞬「ブルータス、お前もか」って台詞が頭を支配する。
ちょっと待って!この騒ぎを止めてくれるんじゃないの!?っていうかここはこんなヤツばっかりか!
「おい!あのギルさんが口説いたぞ!?」
「俺初めてみた!」
「あのギルさんすら篭絡するかよ」
そんなの知らないって!事態が悪化したじゃん!
「何あの女、ギルさんに色目使ってさ!」
「かわいければ何でも許されるわけじゃないわよ!」
職員さんが僕に殺気を向けだした。だから知らないって!あんたたちで好きに付き合えばいいじゃん!僕を巻き込まないでよ!
「いくらギルさんでもそれは認められねぇ!」
「権力を使って圧力をかけるとか卑怯だ!」
「ギルさん、そりゃねぇよぉ」
僕を勧誘してた冒険者さんたちが次々に愚痴をこぼす。
「あ?」
ひと睨みで皆が黙った。チョイワルじゃなくて本当に怖い人だった!
「あのなぁ?選ぶのは俺じゃなくてこいつだろ?お前らこそ数にものを言わせて脅迫まがいのことしてんじゃねーよ!」
おぉ。正当な意見だ。案外まともな人?本当に怖い人なんて思ってごめんなさい。
「で?どうだ?」
「ごめんなさい」
「・・・断られるとは思わなかったな。これでもちっとは自信あったんだぜ?」
「ギルさんでしたっけ?かっこいいとおもいますし、対応にも好感が持てます。けど初対面の方とお付き合いするなんて考えられませんよ」
それ以前に中身が男だしね。ないない。
「それとパーティのお誘いですけど僕はもう組んでる人がいますので。ごめんなさい」
これで全部解決だね。うん。
「全部解決したって顔してるところ悪いんだが、俺はお前をあきらめるつもりはねえぞ?」
ここで爆弾発言が投下された。
「・・・え?」
「俺もだ!」
「俺たちもだ!」
ちょ、ちょっとまってよ!断ったじゃん!
「てめぇら!こんないい女口説こうってんだ!この町のルールはわかってんな!」
「文句があるなら強さで示せ!」
「もとより!弱い奴らは彼女にふさわしくねぇ!」
「さすが!わかってるぜギルさん!」
はい!?なにそのバトルマニアルール!ちょっとギルさん、何煽ってるんですか!
「明日、コロシアムで決闘だぁ!彼女を口説くのに相応しいやつを決めるぞ!」
うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!
うわぁ。丈夫そうに見えたギルドが震えてる気がする。
はっ!?一瞬現実逃避した!ちょっとまって!僕の意見は!?どうしてこうなった!?
誰か助けてぇぇぇぇぇぇ・・・
そして誰もユウナがAランクだと気づかないという(笑)
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