逆転査問会。
更新がおそくなってすいません。
一度完成しかけた原稿がキーボードの入力ミスで消えましたorz
みなさんももし投稿する際は保存はこまめにしましょう(;^^)
「ブリットよ。おぬしの死刑は今日の午後から執り行う。よいな。」
ばぁん!!
「意義あり!!!」
一瞬裁判のゲームでよくこう叫んでる弁護士さんが乗り移った気がした。
「何者だ!」
「兵士たちは何をしておる!」
「今は査問会の途中だぞ!どこの常識知らずだ!」
その場にいた偉そうな人たちが大騒ぎだ。
「この査問会は仕組まれている!その不正を正すために参上した!」
「なにを馬鹿なことを!」
「本人も認めたぞ!証拠も十分だ!どこに不正があるというのだ!」
「誰か早くそのものたちを捕らえよ!」
すごい騒ぎ。というか貴族がすごい勢いで噛み付いてくる。なんかみんなグルにみえてきた。全員ふきとばしてやろうか。やらないけど。
「失礼します。お初にお目にかかります、グラン王。私はシルヴェルト・ブリットの娘、シルヴェルト・ティアです。このたびは言われなき罪で罪人にされた父、シルヴェルト・ブリットの無実の証明のため、参上いたしました。ここまでくるのに妨害がおおく、礼儀を欠いてしまったことをお詫びいたします。」
ティアさんがお詫びの言葉を伝えながら入ってきた。これに貴族たちがざわめく。特に反応をしたのが中心にいたティアさんのお父さんのブリットさん。
「ティア!どうしてここに!?レイナム侯!これはどういうことだ!」
「なんのことかな?」
あの人がティアさんの父親のブリットさんか。これはまたナイスミドル。まとってる雰囲気がスプライトさんに似てる。
「静まれっ!」
王様が叫ぶ。この人の声すごく通るなぁ。
「ティアといったな。おぬしの父を助けたい思いわからなくはない。ワシとて英雄と呼ばれ忠臣と信じたこやつの謀反などいまだ信じられぬ。しかし疑いの報告から証人、証拠、本人の自白まである。これをどうひっくり返す?」
「謀反とはいったいどういう内容でしょうか?」
「うむ。シルヴェルトがワシに謀反を企てている、そのために兵を募っていると密告があった。その者はシルヴェルトの寡兵に参加するように見せかけて、国の大事を伝える為に証拠となる証書と貸与された武器を持ってきた。」
武器と証書を見せた。ティアさんは落ち着いている。
「寡兵は黒い暴風、アナザードラゴンに対する備えです。数日前、バーツが襲われたことは記憶に新しいと思います。シルヴェルトが預かるラフィンドはバーツからそう離れていません。町を守る為に兵が必要だったのです。」
「うむ。理屈ではあるな。だが証書と武器はどうだ?」
「証書は、ラフィンドの屋敷に他の者との証書が保管されています。それと照らし合わせていただければ偽者と証明できます。武器に関しては証人と一緒に無実を証明しましょう。」
そういうと後ろから入ってきたバスターがさっき指名されてた三人を突き出した。
「おい、なんのつもりだ!」
「われわれをこのような場所へ連れてきてどうするつもりだ!」
「貴様らの横暴、決して許されんぞ!」
あれ?こいつらどっかでみたような・・・
「証人はこの者たちではありませんか?」
「なんだと!?」
「濡れ衣を着せる気か!卑怯な・・・」
「言いがかりだ!」
すごい焦ってるように見えるのは気のせいかな?それにしてもどこでみたんだっけ?
「間違いない。その顔の傷。新しいし目立っているので憶えておる。」
「ダール伯!またでたらめなことを!」
レイナム侯が文句を言うけど説得力があったみたい。
「間違いなさそうだな。」
王様の一言で本物と認められた。
「彼らはこの城の兵士。レイナム侯の配下。そして私の馬車を襲った者たちです。武器はその時に回収され、偽の証拠に使われたのでしょう。」
あー。思い出した。ジェット○トリームアタックしかけてきたやつらだ。やっと思い出したよ。すっきりした。
そういえばあの時兵士逃したんだっけ。あれはこの時のためにか。
「な、なんのことだ?」
「お前などしらん!初対面だ!」
「証拠はあるのか!?」
「俺が証拠で証人だ。」
三人がわめく中、颯爽とクロがティアさんと入ってきた。・・・え?
「ティアが二人!?どうなっているのだ・・・」
これに再び会場がざわつく。ブリットさんも驚いている。そりゃそうだよね。僕も頭の整理が追いつかない。
「静まれいっ!!」
王様が再び声を張り上げる。よく通る声だからすぐに静寂を取り戻す。
「これはどういうことだ?」
「はじめまして国王。俺の名前は仮にクロと呼んでくれ。まずはやつらの身元と行動の証明だ。俺はレイナム侯からティア様を誘拐する目的で雇われた。自慢じゃないが俺は裏のギルドの間での戦闘力は五本の指に入る。その腕を今回買われた。そして一昨日の襲撃に参加した。そいつらと一緒にな。」
「ふむ。証拠は?」
「グランヴェリアの町の東門の人の出入りをチェックしてみてくれ。記録が残っているはずだ。」
「そっ、それは薬草などを取りに」「お前らは謀反を知らせるために町に入ったのではなかったのか?」
「ぐぅっ!」
王様の問いに淡々と答えるクロ。指名された連中もこれといって反論できないみたいだね。
「では本人の自白は?」
王様の近くの相談役か魔術師かが問いかける。
僕が召喚されたときに会った時と変わらずフードを目深にかぶっていてよくわからない。見た目怪しいんだけど・・・
「私の偽者を使って脅していたのでしょう。」
「この子はレイナム侯の私室の隠し部屋にいた。」
「その子こそ本物なのだ!私が危険な目にあわぬように保護していたのだ!」
「往生際が悪いぞレイナム!私を脅していたのは間違いなくお前だ!」
あがくなレイナム侯。
「では私が本物であれば問題ありませんね?」
「ふん!貴様が本物ならな!」
「ではちょっと調べてみましょう。」
自信満々レイナム侯。よっぽどばれないって確証があるんだな。
ティアさんは偽ティアさんの指にはまってた指輪をはずした。
瞬間。
ざざっ
一瞬ぶれたけど、姿はかわらなかった。
「これは困りましたね。魔力の流れは感じるので魔法か魔法道具だとは思うのですが、調べるのに時間がかかりそうです。」
「はははは、正直に偽者だと認めろ!このような茶番は終わりだ!」
逆転したけどまた逆転されてる。ん?魔法か魔法道具?
「たぶん何とかなりますよ。」
「本当ですかユウナ様?」
「ワシの無実は証明されたのだ!はやくそのたちをつかm「アンチマジック」」
ビキィッ!!
ピキッ
パリィィィィン!
ざっ・・・ざざざっ・・・
僕の言葉でさまざまな効果音が流れる。それと共に偽ティアさんの姿がテレビの砂嵐みたいにぶれたと思ったら、猫耳のかわいい女の子になった。
・・・この子、目の焦点が合ってない。だからしゃべらなかったんだ・・・
「じゅ、獣人だ!」
「どうやった!いや、そもそもどうやって姿を変えていた!?」
「なんということだ・・・」
混乱は最高潮だ。でも僕は気になったことがある。偽者を暴くほかにいくつかの効果音があった。あれはきっと他にも魔法、もしくは魔法道具が使われてたんだ。僕は辺りを見回した。
「静まれぃっ!!!」
王様が三度目の叫び声をあげる。
辺りが静かになる。僕も王様に向き直った。
「レイナムよ。言い訳はあるか?」
レイナム侯はうごかない。完全にフリーズしてる。思わずつんつんってしてみたくなる。
「レイナムを連れて行け!処罰は追って伝える!」
それに対して僕達の後ろから兵が数人きて、レイナム侯を連れて行った。
・・・後ろにいたの気づかなかったよ・・・
「ブリットよ。すまなかった。ワシが気づけなかったばかりに・・・」
「いえ、国王様、むしろこのたびは私の娘の無礼を許していただき、ありがとうございます。おかげで私の無実の罪は証明されました。」
「ワシはもう少しでおぬしという大事な忠臣を失うところだったのだ。娘を誇ってやるがよい。よい娘をもったな。」
「ハッ!」
「これからもワシとわが国へと仕えてくれるか?」
「ハッ。非才のみなれど誠心誠意仕えさせていただきます!」
よかった。これで万事解決だね。
僕の心を読んだのか、ティアさんが声ををあげた。
「まだです!まだ全部終わっていません!」
え?
周りも再びざわざわしだした。
僕ももちろん、バスターやクロ、セバスさんも驚いている。
スプライトさんやブリットさんもそうだ。
「ティアよ。どういうことだ?」
「おかしいと思いませんか?この子の姿を変えていたのは誰ですか?それに私たちが襲われたときも不意打ちがきれいすぎるんです!そして最後にさっきのアンチマジック!ユウナ様、あれは一定の範囲の魔法や魔法効果のあるものを打ち消すものですよね?音は複数ありました。ということはここにはまだ複数の魔法、もしくは魔法道具があったということです!」
僕ははっとした。そうだ!僕もそれを不思議に思ったんだ!
「レイナムには協力者、いえ、たぶん黒幕がいる!それはこの場にいます!」
うぉぉ。ティアさんがどこかの名探偵にみえてきた!
「それは・・・・あなたです!」
ティアさんが指した指の先には・・・・




