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ある御曹司の恋情

なぁ。頼むよ。

会わせてくれよ。なんで俺のそばにもうアイツはいないんだよ。

アイツはどこにいるんだよ。

アイツの話を聞きたいなら、教えてくれよ。アイツにはどこに行ったら会える?



付き人ということを小さい頃はよくわかっていなかった。


ついてくる奴隷みたいなのか、と思ってなんでもさせたのを覚えている。

アイツはその全てにこたえたのだ。たったひとつすら拒否しなかったのだ。


淡々と顔色一つかえないアイツにむしゃくしゃして余計に無理難題を言っていた。

今思うと俺はただ、アイツに俺を見て欲しかっただけなのかもしれない。




小学生のころ。


誘拐されかけた俺を逃がしてアイツは大人と立ち回っていた。

おれは男なのに!と思いアイツをつれて逃げようとしたら俺が捕まった。結局、アイツに助けられたのだ。


その後、なんでかアイツが怒られて俺は怒られなかった。



そんなことを何回か繰り返して俺が何かするとアイツが怒られるのに気がついた。だからアイツにいらいらしたときはそうするようにした。

俺が何かするより効果があると思ったからだ。



怒られている時だけはアイツはいつもかえない顔を変えた。

泣かないようにぎゅっと唇を噛んでもうしわけありません、と小さな声で言っているのをみたことがあった。

そのとき、アイツは綺麗だと思った。それから何度もその顔がみたくていろんなことをした。




中学に上がる前から俺にはファンができた。

中学ではファンクラブができた。

俺は対して興味なかったからほっといた。


そしたらそれらはアイツになにかしていた。それを俺は知っていた。

上履きがなくなったり。教科書にカッターがはいっていたり。わざわざ違う場所を教えられたり。連絡がアイツにいかなかったり。

それでもアイツは助けを求めなかった。

一言、俺に助けて欲しいといえば助けたのに。ムカついたからそれを見て見ぬ振りした。


わざとアイツが困っている時にどうした?はやくしろ、と言った。アイツは困ったように瞳を揺らして、はい。と言っていた。

そんな困った表情でさえ、綺麗に思えて何度も繰り返した。



高校にはいって体を重ねた。


体は俺のものなのにアイツから感じられるものは仕事というわりきりだけでなんだかむしゃくしゃしてしょうがなかった。

俺だけのアイツになればいい。

他なんてみないように閉じ込めてしまいたい。

アイツを俺のにできればいいのに、と考えて気がついた。そうだ、子供が出来ればいいんじゃないか。



でもどれだけやっても子供はできなかった。

どっちかができない体質なのかもしれない。


いよいよどうしよう、と思っていたら卒業後にアイツが内縁の妻になることが決まった。いわゆる愛人だった。

一応俺には婚約者もいたからである。



それが決まった時、どんなに嬉しかったか。

これでアイツは俺のものだ。その支配できたことが俺に充実感をみたした。



でもアイツはその愛人になることになった卒業式のあとから消えた。


探した。

権力も親のコネも全部使った。

そしたら1人の老婆が出所したという。


年寄りは汚いし口うるさいから嫌いだ。そんな嫌いな相手が出所した。別にどうでもよかった。

ただ、その理由がアイツを殺した、という理由じゃなかったら。




話したから教えてくれよ。

アイツにはどこに行けば会える??

アイツは俺のなのに。俺の横にいなきゃいけないのに。

アイツがいないと何が何だかわからないんだ。

もう、それこそ死んでもいいと思えるくらいに。

あぁ。でもその時は、アイツの仇をうってからがいいな。うん。そうしよう。

なぁ。その老婆がどうなったのか知らないか?


次は老婆の息子の話。

明日の自信がないので2日後に!!


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