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戦國鬼神伝  作者: 淡路
始ノ巻
36/64

蛇神

「いぃぃやぁぁぁっ‼︎」


半泣きで叫びながらも比較的小さな蛇達を刀でズバズバ斬っていく江はやっぱり男に生まれるべきだと俺は思う。


「おい、雑魚は江に任せて俺達は蟒蛇退治だ!」


政宗が銃を両手に持ちながら言う。

マジかよ。


「厄介な蟒蛇は全部で六体ってとこか。後は簡単に潰せそうだな」


政宗はそう言って銃を構える。


「随分と目が良いんだな」


信長も黒塗りの愛銃『炎羅』に弾を込めながら言う。

政宗は「隻眼のお陰でな」と言った。


今回は敵が人間じゃねぇから、俺も刀でも大丈夫だよな?

いや、でも刃物だしな……やっぱり怖いな、これ。


「おい、樹‼︎」


政宗が俺を呼んだと思ったら、大蛇のデカい口が俺に向かって開いていた。


「うおわぁぁぁぁぁっ⁉︎」


「媒体は舌か!」


俺が逃げてる時、信長が炎羅の銃口を空に向けて一発撃った。

大蛇がその音に反応して上を向く。

その隙に俺は全速力で走って大蛇から距離を置いた。


「任せろ! 『心月』で撃ち倒す‼︎」


政宗が蛇の喉に向かって銃を向け、2、3発撃った。


「撃ってはだめ‼︎」


その時、江の叫び声が聞こえた。

でも、もう遅かった。

その弾は大蛇の喉を貫通した。


次の瞬間、大蛇は爆発した。


「んなっ……‼︎」


爆発の煙が薄れてきて視界が晴れてきた頃、大蛇はさっきの男の姿で倒れていた。


「何でこんな……!」


「さっき、安芸に来ていた公家とその供が蟒蛇を一体退治したのを見たの。その時同じ事が……」


江が泣きそうな声で言う。

じゃあ、まさか大蛇の元は人間で、それ以外は蛇が化けてたって言うのか?


「本当の人間は蟒蛇だったようだな」


信長が舌打ちしながら言う。


「それじゃ、他の住民は?」


「……毛利の元に全員いたりしてな」


俺の問いに政宗が応えた。

毛利輝元って、俺が思ってるよりも酷い奴だったりして……


「取り敢えず、蟒蛇の攻撃は避けるしかない。雑魚を潰して毛利の居城に向かう」


「了解!」



俺達は大蛇を避けながら毛利の居城へと走った。


距離は遠そうに見えたけど、それほど遠くなかったおかげですぐに着いた。


大門の前に立つ。大門は堅く閉じられている。


「あ、もう来たんですか?」


門の中から聞こえる声は、俺達をバカにしてんのか?それとも、ただ単にやる気がないだけか?


「開門!」


声が聞こえて、大門が音を立てて開く。

俺達は目にした光景に驚いた。


そこには、城の本丸を埋め尽くす程の兵がいたからだった。


音もなく、上から温和そうな優男が降りてくる。

まさか、こいつが毛利輝元⁉︎


「ようこそ、我が居城へ。歓迎しますよ」


毛利輝元は笑顔でそう言った。



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