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戦國鬼神伝  作者: 淡路
始ノ巻
33/64

地下牢にて


「出せやコラ‼︎そこの足軽‼︎鬼若子連れて来いや‼︎」


牢屋の前にいる門番に向かって罵声やら怒号やら叫ぶ政宗は最早ヤンキーと言うより極道突っ走る方ですよ。


俺達は捕まえられて元親の居城だという浦戸城の地下牢で、それぞれ縄で縛られている。そのせいで身動きが取れず、俺達4人は大人しく座っていた。約1名を除いて。


「奥歯ガタガタ言わせたろかゴルァ‼︎」


「ひぃーっ‼︎ご勘弁くだせぇぇっ」


もうやめてやれよ、政宗。門番が可哀想になってきたぞ。


「俺達がこの牢屋から出た暁にゃ、おどれを一番に俺様考案ずんだ餅の餡にしてやるよ」


なんでそこでずんだ餅が出てくるんだ。本当はお前緊張感全くねぇだろ。本当はふざけてるんだろ。


政宗がそんな調子なんだが、信長と江が静かなのが凄く意外だ。

いや、もしかしたら脱出の事考えてるのかもな。


せめて武器とか道具があればいいんだけど、没収されてるからな……

まぁ、そろそろ政宗を止めないとな。


「おい、政宗っ……」


「よし、切れたわ!」


俺の言葉を遮った江を見ると、縄が解けていた。

その手には、短刀が握られている。


「ふふ、私が刀をお飾りとしか持っていない軟弱男だと思ってた長宗我部殿の失態ね」


そう言いながら江は俺達の縄も短刀で解いてくれた。

織田家の血って恐ろしい……


「おい三下野郎、そんな所で座ってねぇで鍵よこせ」


座ってるんじゃなくてお前が脅したせいで腰抜かしてんじゃねぇのか?


門番は何も言わずに震えながら、あっさり鍵を政宗の手に渡した。

なんかもう、ごめんな。


「丁度いい所で出てきやがったな」


そしてあっさり、いつの間にか俺達の目の前にいた元親に見つかった。


「話をする気にでもなったのか、鬼若子殿」


信長が言う。


「ああ。付いてきな、大広間に案内してやるよ」


元親は応えて、そのまま上に繋がる階段を登っていった。


「……どういう風の吹きまわしかしら」


「女心と秋の空ってか。ああ言う時は絶対何か企んでる証拠だぜ」


江と政宗はそう言ったけど、信長は何も言わなかった。俺も元親が何を考えてるのか分からなかった。




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