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戦國鬼神伝  作者: 淡路
始ノ巻
29/64

前夜


夕飯の時間。


俺達は全員、大広間に集められた。


大広間っつっても一階建ての木造の屋敷で他にも部屋があるし、何よりコスト軽減の為か質素な造りのおかげであまり広いとは言えないと、信長本人が前に言っていた。


「信長様。話というのは」


光秀さんが口を開く。


「日ノ本を一周してくる」


信長は単刀直入にさらりと言った。


……は?


「信長様⁉︎そのような御姿になられたばかりというのに、危のうございます‼︎」


蘭丸が勢い余って立ち上がる。

信長は変わった様子も無くいつものように飯を食いながら言う。


「もう決めたことだ。今更考えを変えようとは思わん」


そういや、今更だけど信長って今の姿になってから口調が爺言葉っていうか、位が高そうな奴の口調じゃなくなってる。


そのへんも昔に戻ってるのだろうか。


「面白そうだな、俺は賛成だぜ」


戸の方に遅れてやってきた政宗と片倉さんがいた。片倉さんは頭を抱えている。また政宗の言動に呆れているみたいだ。


「俺も連れていけ、信長公。損はないと思うぜ?」


政宗がニヤリと笑うと、信長も同じように笑う。


「ふん、言われなくても連れて行く気だった」


「信長様⁉︎」


光秀さんも声を上げる。信長は全く気にしていないみたいだ。


「おい、お前も来い」


信長が箸で俺を指す。


「おっ俺も⁉︎」


「それとお江、お前もだ」


「わ、私もいいのですか⁉︎叔父上様‼︎」


うわぁ、江の奴心底嬉しそうだ。


「ま、まさか本当に……」


「娯楽だとか暇だからと言う訳ではない。鬼術の真相を暴く為だ」


「鬼術の……真相?」


俺が言うと信長は箸を置き、食べることをやめた。


「そうだ。確かに俺達はやり残した事や想いがあって鬼術に手をかけ、この俗世にとどまっている。だが、俺達は鬼術の初出すらまともに知らぬではないか。

誰がどのように、何故、どうやってこの術を生み出し、広めたのかを俺はこの目で確かめに行きたいのだ」


「好奇心旺盛にも程があるぜ、信長」


信長の話が終わった時、信玄が口を開いた。


「まだまだガキってことか」


「……風穴を開けられたいのか、貴様は」


「そう怒るな。賛成だぜ、その話」


信玄はそう言って隣に座っている謙信を見た。覇術を使っていないから女姿だ。


「実は我らも、もう一度甲信越に向かおうと思っている」


「え?な、なんで?」


俺が言うと謙信が詳しく説明してくれた。


「もう一度戻って、人材確保をすると共に鬼術の真相を解く為に、我らも別働隊として動くのだ。以前はまともに確保できなかったからな」


そうか。俺達とは別行動ってことだな。


「出発は明日の朝だ。それまでに準備しておけ」


信長はそう言って、また箸を手にした。


って、


「「「あ、明日⁉︎」」」


俺と江と政宗は同時に声を上げた。





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