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戦國鬼神伝  作者: 淡路
創ノ巻
13/64

毘沙門天の再臨

男に戻った上杉謙信が、俺達の前に現れた。


女だった時とは違って厚着してる。


「てッ……輝虎⁉︎」


「いいからこの結界を解け」


謙信はそう言って信玄を一睨みする。


「ちょ、結界解いたら……!」


俺が慌てると謙信は余裕の笑みを浮かべる。


「ふん。この私が男に戻ったのだ、負ける訳が無かろう」


その余裕はどこから出てくるんだろうか。

さっきの暗い(?)雰囲気はどこに……?


「生前対峙した時もそうだったぜ。あいつ、時々自分しか見てない時があるんだよ」


信玄が俺にこっそり教えてくれた。

つまりは、謙信は時々頭のネジが取れる時があって、それは男姿限定ってことか。


ネジの取れ方がおかしいんじゃねぇのか?


「おい、何をモタモタしている。結界を解け」


……意外と面倒くさい奴だな。


「ったく……」


信玄が今まで刺していた大刀を地面から抜くと、大刀にさっきまで刻まれていた丸に山の紋が消えて結界が解かれる。


「結界が解けた!その3人の首を取って名を上げよ‼︎」


直江兼続が命じると、雄叫びを上げて兵達が俺達に再び襲いかかる。


俺はとりあえず竹光を鞘ごと構えたけど、俺は実戦経験が浅すぎる。

やっぱ怖ぇ‼︎俺はできる限り逃げ回ろう‼︎


「今度は逃げぬ。来い」


謙信はその場で立っている。刀に手をかけてはいるけど構えていない。


謙信にざっと20人程の兵が覆い被さる。


「けっ、……謙信ーっっ‼︎」


俺は思わず叫ぶ。

もうダメだと思ったその時、


「ーーー……オン・ベイシラ・マンダヤ・ソワカ」


聞いたことがない言葉が聞こえた。


そして、謙信を襲って被さっていた兵達がごばっとぶっ飛ばされる。


いつその刃を振るったのか分からないけど、謙信は既に刀を鞘に納めていた。


その額はまた、『毘』の文字が光っていた。


「……す、すげぇ」


よくわからないけどなんかRPGみてぇで、凄くかっこよかった。


「坊主‼︎」


その時、俺は兵から逃げてた事に気がついた。咄嗟に振り向くけど、遅かった。


「『風林火山、風の構え』‼︎」


「⁉︎」


俺が気づいた時にはもう、目の前は信玄の大刀に倒れている兵しか見えなかった。


「どうだ、俺だってちゃんとできる男なんだぜ?」


強いっていうか、今のは速かった。

越後の龍と甲斐の虎。

やっぱりすげぇ……


「くっ……最早、致し方あるまい……!」


「……与六」


櫓から直江兼続が飛び降りてくる。

直江兼続は俺達の事をすげぇ睨んでくる。


……ん?


直江兼続の目、なんか変な文様が映ってる。

なんていう模様だっけ、これ。

黒と白の勾玉が丸を作ってるっていう模様……よく陰陽師が主人公の漫画に出てくる奴。


「まだ分からぬか、与六‼︎」


謙信が怒りをぶつける。

直江兼続は、聞いていない。


「……直江兼続、愛染明王の名にかけて、いざ参らん‼︎」



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