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神様からのメッセージ

ここからルート2開始です。

少し後書きに書いていたのとは違いますが、重要な流れなどは変わらないので、しっかりと書いていきたいと思います。

「さてと……なんだかんだで良い時間だし、ホテルに戻ろうか」


 教えるのはすぐに終わると思っていたが、しっかりと戦闘ができるようになるまではそれなりにかかっていた。

 さっきサンと門の近くで別れたのが18時ごろで、今は18時30分くらいだ。

 今は四人で大通りを歩いている。


「もう夕御飯の時間ですからね……良いと思います」


「「かしこまり~」」


「確かに。妾も少し腹が減ってきたのぅ」


 四人と合流するのに30分ほどかかったのは、単純にこの街が広いのもあるが……なにやら四人は教会からよばれていたらしい。

 そこで長い手続きの後に、教会長から神様よりのメッセージを渡されたらしい。


「それじゃあ、ホテルに行こうか。さっき言ってたメッセージとやらも、プライベートな空間で読んだ方が良いだろうし?」


「たしかにそうですね」


「「良いと思うよ~」」


「たしかに誰彼かまわず見せるものではないのぅ」


 というわけで、俺たちはホテルへと向かった。


・・・

・・


「うん。満足満足……っと」


「おいしかったです……」


「「満足なの~」」


「うむ。初めて食べたが、とても美味であったのじゃ」


 今日の夕飯はイタリアンにした。

 夕飯を食べにレストラン広場に行ったところで、和洋中以外はないのかと案内人になにか風変りなお店はないか聞いてみたところ、スパゲティやピッツァを出す店があったので、今日の夕飯はそこにしたのだ。

 ほぼすべてのメニューにS・M・Lがあり、量を選べるのが良かった。

 ピッツァはSを四枚ほど頼み、メインとして全員SかMの違う種類のスパゲティを頼んだ。

 もちろん少しずつ全員で分けて食べたので、色々な種類の味を楽しめたのも良かった。

 さらに言うなら、互いに食べさせあったのが良かった。

 具体的に言うと、「あ~ん」したりされたりしたということだ。

 俺以外のメンバーでもやっていたので、少し百合っぽいところが見れて軽く興奮した。


「……さてと、部屋に戻ってきたことだしメッセージとやらを確認してみようか」


 俺は全員がベッドに腰掛けたのを確認してから声をかける。


「はい、ラン様」


「「おっけ~」」


「うむ。見てみようぞ」


 四人ともが肯定的な反応をしてくれたので、先ほどヒカリから渡された手紙型のアイテムを起動する。


「「「「「………………」」」」」


「何も……おきない?」


「なぜでしょう?」


「「不良品?」」


「わからんのぅ」


 しばらく待ってみたが、何もおきない。

 これはどういうことだろうか? 本当に不良品ってことはないと思うのだが……?


「アイテム自体がラン様専用となっていたので、ラン様が起動するのが正しいはずなのですが……」


「専用アイテムだから……」


「認められている人が起動すれば大丈夫なはずだよ~?」


「少し特殊な専用アイテム……というわけじゃな?」


 何か俺が起動する意外に条件があるのだと思うが、それが何かわからない。


「何か心当たりはあるか?」


「すみません……」


「わからないよ~」


「ぜんぜんないよ……」


「うーむ………………もしやっ、閲覧も限定されているのではないかえ?」


 ヒカリとクーとキッカが俯きながら答えた後に、ハクがひらめいたように声をあげる。


「「「「閲覧も限定?」」」」


 しかし、その内容は聞いたことがないものだった。

 俺を含むハク以外の全員が知らないようで、全員がハクに説明を求める。


「うむ。起動する者だけでなく、閲覧できる者まで限定されておるアイテムがあるのじゃ。……まぁしかし、神が扱うアイテムでもめったにないのじゃがな?」


「ふむ……」


「そんなものが……」


「「初耳だよ~」」


 俺たちは四人ともそれが正しいのではないかと納得する。


「しかし……そうだとすると厄介じゃな。主様以外は見れないうえに、その内容を主様が妾たちに話すこともできないはずじゃ……」


「そうなのか?」


 ハクが俯きがちに言い、俺はそんなに厳重な物なのかと思い問いかける。


「うむ……これはよほど重要な内容じゃと思われる。そして、閲覧も主様に限定しているということは……プレイヤーにしか知られてはいけないことなのかもしれないのじゃ」


 ハクが神妙な顔で俺に説明する。


「プレイヤーの問題なら、なんで俺に限定されているんだ? 俺以外のプレイヤーに見られて困るものなら……最初から俺にも見せない方が良いんじゃないのかな?」


 そこまで重要なメッセージならば、俺限定の理由がますますわからなくなる。

 なにか問題が発生したならば、システムメッセージとしてプレイヤー全員に伝えればいいはずだ。


「おそらくそれは、主様が半神じゃからだと思うのじゃ」


「半神だから……?」


「そうじゃ。半神である主様だけにしか伝えないということは、半神である主様にしか解決できない問題じゃと考えるのが自然じゃろう? さらに言うならば、我らに見せられないということはすなわち……主様たち(あちら)の世界で発生した問題なのじゃろう……。主様よ、何か心当たりはないのかえ?」


 そのハクの言葉に、おじさんに聞いた半神の設定を思い出す。

 半神はかなりの低確率でしかなれないかわりに、それ以外の種族とは隔絶した能力をもつ。

 そのかわりに、この世界での重要な役割が与えられているといっていた。

 これはもしかすると、その重要な役割に関係しているのかもしれない。


「心当たりがあるようじゃな? なれば主様よ……妾たちは席を外す故に、その間に中身を確認しておくれ。……おそらくは今後の身の振り方にまで関係する可能性があるからのぅ」


「………………わかった。四人とも、少しの間外に出ていてくれ」


「はい、ラン様……」


「「かしこまり~……」」


「うむ……」


 俺は四人にそう言い、目を閉じてメッセージを見る覚悟を決める。

 この世界(ゲーム)でそこまで重い話になるとは思えないが、楽観視するわけにはいかないだろう。


「………………ごくっ」


 四人が部屋を出たのを見てから、俺はメッセージを起動した。

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