少女との出会い
活動報告に書いたのですが、ルート1の序盤を通ってからルート2に行くことにしました。
最大の理由としましては、落差をつけるためです。
こうしたほうが、物語に深みが出ると思いました。
すでに書けているので、今日から三日連続で更新します。
よろしくお願いします。
「ちょっと待ってください!」
呼び止められ、立ち上がって声のする方を向く。
「私を、私を弟子にしてくださいっ!!」
そこにいたのは、とてもかわいいエルフ耳の少女だった。
「弟子って……俺たちのかい?」
三人を見てから、少女に向かって問いかける。
「い、いいえっ! 完全闘士のあなたにです!!」
そういうと、少女は俺の胸に向かって飛び込んでくる。
「おっとと……。君はなんで俺が完全闘士だって知ってるんだい?」
少女を抱きとめ、顔を合わせて聞いてみる。
「さ、さっき見ていたからですっ! あなたが全闘士から完全闘士になるところを!!」
……なるほど、さっきクラスアップしたところを見ていたわけか。
それを見て、俺に弟子入りしたいということは……
「……君は、全闘士なんだね?」
確信を持って問いかける。
「……はい、です。私はなりたての全闘士なのです……」
少女は俺から離れると、少しうつむきながら肯定する。
「それで? 俺に弟子入りして、なにを学びたいんだい?」
正直、最初に全闘士になってからあまり戦いらしい戦いをしていないので、うまくできる自信はない。
スキルもそこまで強いのは覚えていないし、ひょっとするとステータス以外は少女に劣っているかもしれない。
「全闘士としての戦い方を! 今まで全闘士を目指すためにステータスは満遍なく上げて、武器術と魔術もバランス良くとってきました。……そのせいで、パーティー内では遊撃しかできなかったんですけど……。たまたま友達と一緒にパーティーを組めていたので、ここまでこれたんです! ……でも、夢をかなえられた今こそ、友達に恩返しがしたいんです! どうか私に戦い方を教えてくださいっ!」
そう言うと、少女は深く頭を下げる。
「……先に言っておくが、俺はこの職業についてからそこまで時間がたっているわけではない。だから、ある程度の扱い方を教えてやることはできるかもしれないが、その先……自分なりの戦闘方法を教えることはできない。それは君自身が見つけなければならないことだから……。それでもいいかい?」
俺は少女と目を合わせて問いかける。
「………………お願いしますっ! 精一杯頑張りますっ!!」
そう言うと、少女は俺の両手を握って笑顔になった。
というわけで、ルート1です。
この後二話でルート1が終わり、その後ルート2に入ります。




