ハクの職業
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「ただいまなのじゃ! 主よっ、聞いてたもれっ! 妾は……妾は」
「ちょちょっ、どうしたんだよ? 少し落ち着け」
戻ってきたハクは、いきなり俺に抱きつくと俺の胸で泣き始める。
「どうしたしっ!?」
「何があったのっ!?」
「落ち着いて、訳を聞かせてください」
三人も不安そうな顔で、ハクを覗き込む。
「何か嫌なことがあったのか?」
「違うのじゃ……。妾は……妾は嬉しくて泣いておるのじゃ」
どうやら何かされたりしたわけではないようだ。
嬉しいということは、何かいいことがあったのだろう。
「何が泣くほど嬉しいことだったんだ?」
「………………のじゃ」
「ごめん、聞こえなかった。もう一度言ってくれないか?」
顔が俺の胸にうまっているため、声がうまく聞こえなかった。
「妾は、戻れたのじゃ」
「戻れたって……何に?」
今度はちゃんと聞こえたが、主語がないのでわからない。
「妾は……白に戻れたのじゃ」
「「白!?」」
「伝説の……? 実在したとは……」
ハクの口から出た白という言葉に、三人が驚いている。
「えーっと、俺一人が状況がよみこめてないんだが……。白ってのは、職業なのか……?」
俺は一人、白の意味がわからずに首をかしげる。
「白とは、世界に4つ存在する色の支配者という伝説の職業の中でも最上位の神でもなれるものが少ないという職業です」
わからない俺にヒカリが丁寧に説明してくれる。
「支配者ってことは、その色を支配できるのか? 具体的にはどんな?」
「色の支配者とは、それぞれの色が象徴する現象を支配できる職業です。赤、緑、青、白の4種あり、それぞれ赤なら炎や熱を。緑なら自然や風を。青なら水や命を操作できます」
ふむふむ。
かなり強力な職業なんだな。
NPC限定の職業だろうか?
「ということは、白は空間や時間とかか?」
残っているのはそれくらいだと思うが……。
「いいえ、違います。……先ほど白は最上位と言ったと思いますが、まさしく今言った3つの上位なのです」
「どういう意味だ?」
俺はわからずに頭をひねる。
「白とは、万象のすべてを支配できる職業です。つまり、先ほどの3種……赤、緑、青の支配できる現象はおろか、それ以外のすべてを思い通りにできるのです……」
「マジか………………。俺なんかよりよっぽどチートじゃねぇか……?」
俺は思わずつぶやく。
「はい。まさしくチートです。この世を神の次に支配できる存在ですから……」
「「まさしく生ける伝説だし!」」
そんなすごいのか、ハクは。
俺は最強の存在を仲間にしてしまったのではないだろか……?
あきらかにこんな序盤で手に入る戦力じゃないぞ!?
「ん? まてよ……さっきハクは戻れたっていったよな? それはどういう意味だ……?」
ふと疑問に思い、ハクに聞いてみる。
「妾は神の不興をかってしまったのじゃ……。妾は本来、この世界ではなく神界におったのじゃが…………そこで神と意見を異にしてな? 追い出されてしまったのじゃよ……」
そう言うと、ハクは少し悲しそうな顔をする。
「それでどうしてあんなところでボスをやってたんだ……?」
疑問に思うのはそこである。
神とケンカしたなら、なぜ神の試練(そう言う設定だったはず)である塔にいたのか……。
「妾がはむかったのがよほど気に入らなかったらしく、あそこのレベルまで呪いによって落としこまれたのじゃ……」
「………………つまり、そこから俺が解放したから戻れたと言うことか……?」
「その通りなのじゃ……。これで我が主には返しても返しきれぬ恩をいただいたのじゃ。妾は今後も永遠に我が主と共に生きようぞ……」
………………ふむ。
これはやはり、俺が半神だったからおきた一連のイベントと考えるのが正しいだろう。
大丈夫だろうか? 神の怒りとかかったりしないだろうな……?
「……まぁ、なにはともあれよかったよ。これからもよろしくな? ハク」
「一生涯尽くすと誓うのじゃ! これからもよしなにお願いするのじゃ!」
そう言うと、ハクは俺に向かって最高の笑顔を見せてくれた。
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