呪縛からの解放
「くっ、は!?」
完全に倒したと思っていた相手からの攻撃で、俺の体から何かが抜けていく感覚がした。
それは血なのかもしれないし、魂的ななにかかもしれない。
しかし、俺のHPは残っている。
俺はすぐさま向き直り、呪縛に向けてスーパーソードの一撃を食らわせた。
「キシャーーーーー!!」
断末魔だと思われる悲鳴らしきものをあげ、今度こそ呪縛はその体を黒い光として散らす。
「終わった……みたいだな。これで良かったんだよな? ハク?」
俺は武器をしまい、ハクに話しかける。
「う、うむ。今ので呪縛は完全にとけたようじゃ。これで妾はこの場所から完全に解放された。ありがとう……」
そう言うと、ハクは俺に最敬礼のように頭を下げた。
「いいってことよ。俺の経験にもなったしな」
スキルを使わない戦闘……強者との戦い。
俺は少し成長できた気がしていた。
「ラン様? 終わったようですし、早く次に行きませんか?」
そんな俺に向かって、ヒカリが声をかけてきた。
「さんせ~い」
「今日中に三つクリアするんでしょ?」
光の言葉にクーとキッカが賛同する。
「そうだな。さっさと次に行って、さっさとこの世界をクリアしてしまおうか」
俺も三人に賛同の意を示し、出口に向かって歩き出す。
「当然妾も連れて行ってくれるのよな? 新たなパーティーメンバーとして、迎えて欲しいぞよ?」
そうだった。
ハクをパーティーに入れるのを忘れていた。
「これからよろしくな? ハク」
俺はハクをパーティーに入れる。
「うむ、我が主。そこな三人もよろしく頼むのじゃ」
そう言ってハクは、今度はヒカリたちに向けて頭を下げる。
「よろしくお願いいたしますね?」
「「よろしく~」」
それに対してヒカリは頭を下げ返し、クーとキッカが手を振り答えた。
「んじゃ改めて、行こうか? 四人とも」
俺は四人を見回すと、先頭を歩き出す。
「はいっ! ラン様」
「「かしこまり~」」
「了解したのじゃ」
俺は四人を引き連れて出口である扉をくぐった。




