表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/81

とある朝の風景

昨日が短かったので、連日投稿です!

「…ン君、ラ……んっ」


 ん? だれかに呼ばれている気がする。

この声は誰だろう?


「…ン君、ラ……ん。あ……よっ、お…てっ!」


 うむぅ……眠い。

部屋は既に明るいようだが、昨日は2時くらいまでやってたから、今の時間によってはまだ起きたくないぞ……。


「…ン君、ラ……ん。あ……よっ、お…てっ! も…8…だよっ!」


 8……なんだろう? 8時ってことだろうか?

だったらまだ寝ていたいのだが…………。


「うむぅ……。あと10分……」


「ほんとだね? 10……後に…お……もら…よっ! もう………はんできてるんだからね!?」


「うーん……わかったよ。おやすみぃ……」


「ラ…君っ! もうっ、し……な…んだ…ら……」


 うむ、8時なら大丈夫だよな。

なにか出来てるって言ってたと思うけど、あと10分の誘惑はおそろしい……ぜ。

俺は、再び眠りへと落ちていった。


・・・

・・


「まったく、ラン君ってば。もう8時なんだよ!? 朝ごはんが冷めちゃうよっ!」


 私、クーことクナンはみんなの代表としてラン君を起こしに行った。

しかしラン君は目覚めてくれず、あと10分といって起きようとしなかった。


「10分後には、しっかりと起きてもらうんだからっ! 三人で押しかけてでも起きてもらおう!」


 私は、10分後に三人でラン君を起こすことを想像しながら、二人のところへと向かった。


・・・

・・


 その襲撃があったのは、ちょうど10分後だったと思われる。

俺は起きていなかったので、正確な時間はわからなかったが、俺が自分で後10分と言ったのはなんとなく覚えていた。

だから、あの三人が襲ってきたのは、8時10分から15分の間だったと思う。


 まず感じたのは衝撃だった。

「おっきろー!」という声と共に、腹部に衝撃が走った。

どうやらキッカが跳びついてきたらしい。

起きていれば十分に受け止められたのだろうが、今の俺は寝ている状態だ。

必然的に、受け止められずにダメージを負ってしまった。


 俺は腹部への衝撃により、おもわず「ぶべらっ!」などという、変な反応をしてしまう。

その衝撃だけで、俺は十二分に目が覚めていたのだが、その後がまずかった。

(おそらく)ヒカリが俺に膝枕をし、(おそらく)クーが腹部をさすってくれた。

キッカはわからないが、下腹部に何かを感じる……。


 というか、朝なので俺の息子も起き出したようで…………

キッカ(おそらく)は下腹部で何やらもぞもぞしている。

このままだとやばいっ!? だが、この状況で起きるのは恥ずかしいぞ?

どうすればいいんだっ!?


「ラン様? 朝食の用意ができています。起きてください?」


 この声はヒカリか。

頭上から聞こえるってことは、やっぱり膝枕してくれているのはヒカリか。


「さっき自分で後10分って言ったんだよ? 起きてよラン君!」


 この声はクーか。

さっきってことは、最初に一人で起こしに来たのはクーだったのか。


「うむぅ……」


 俺は寝ているふりをする。

このまま自然と、あくまでも自然と起きなければならない。

これは朝から難易度が高くないか?


「ふっふっふ、ラン君のここは元気だよぉ? どうしちゃおっかなぁ?」


 まずいっ! キッカは俺の息子に気がついている!

やはり下腹部のあたりにいるのはキッカだったか!

まずいぞまずいぞ!? ナニをナニされたら大変なことにっ!?


「ダメですよキッカ? 今は起こして差し上げるのが先決です」


「そうだよキッカ! 抜け駆けはダメだよ!」


「それもそうね。寝ている間になんて、さすがに可哀想よね……」


「そうですよ。どうせなら、起こした後にシテもらいましょう?」


「そうだよキッカ。だからそこを一回どいてあげなよ」


「わかったわ。これでいいでしょ?」


 そう言うとキッカは立ち上がってくれたようで、俺の下腹部から重さとぬくもりが消える。

これなら起きても大丈夫かな? …………よし、起き出そ「ラン様? 起きてくださらないとキスしてしまいますよ?」う?

キスゥ!? それはまずいぞっ! 俺の息子が起きるだけじゃなくてバーニングしてしまう!!


「起きないのですか? それでは失礼して……」


 待った待った待った!!


「待った待った! 起きたから。大丈夫だかるっ!?」


「てへっ、いただいちゃいました」


 今の状況を説明しよう。

俺は待ったと言いながら目を開け、上体を起こした。

そこにヒカリが顔を下げてきたため、見事にキスが成立してしまったのだ!!


「あぁー! ヒカリちゃんずるいぃ!!」


「自分で抜け駆けしてたら世話ないわよ!?」


「あっ、たしかにそうですね。すみませんでした……」


「謝らなくてもいけど……。私にもさせてっ!」


「あっ! 私もやるっ!」


 そう言うと、二人が俺に向けて顔を近づけてくる。


「二人いっぺんには無理だっ。順番でなっ?」


「そうですね。二人いっぺんでは無理……ですね。ここはジャンケンをしては?」


「「わかった」」


 二人は納得したようで、離れてくれる。


「「じゃんけんぽんっ!」」


 そして、順番を決めるためのジャンケンを始めた。


「「アイコでしょっ! アイコでしょっ! アイコでしょっ!」」


 なかなか白熱したバトルである。


「「アイコでしょっ! やったー!」まけたぁ……」


 どうやら勝負がついたようだ。


「私の勝ちっ! キッカが三番目ね!」


「くやしぃ……。明日は勝つんだからっ!」


「ってことなんで、ラン君。キスしよっ? んーーー」


「了解。んっ!」


 俺はクーの唇に軽くキスをした。


「次は私よっ! んーーー」


「んっ! ……これで三人とも終わったな?」


 キッカにも軽くキスをして、三人を見回す。


「それで? 朝食が出来てるんだよな?」


「はい、ラン様。すでに宴会場に準備してあります……」


「いこっ! ラン君!」


「一名様ごあんな~い!」


 俺は、三人に引っ張られて宴会場へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ