第9章 科学都市ノゥン
今回から次回予告付けます
4人はノゥンと言う大きな街に来ていた。
ノゥン。
元々はただの研究所が集まってできていた小さな街だった。しかし今は龍を殺す力の人工的な人間を作る技術を開発してそこに人が集まって大きな都市となった。人工的な龍殺しは原型には程遠い力だったが、それでも希少だった龍殺しの力を求めて人は集まり龍殺しの劣化の力を持つ者が増えた。普通、力は集団で得ることが多いため、アカデミーと呼ばれる学校で少年少女達は龍殺しの力を手に入れた。
「はい。ここが私の街ノゥン何だけど、何か質問はあるかしら?」
「ハイハイハーイ!エレルたんの3サイズを教えてください!!」
ピキッという音がエレルから放たれ、額に青筋を浮かべていた。
「……死にたいのかしら?」
「… …私の目測でB-だな。言っておくが、私の方が胸は大きいぞ。私はB+だからな」
「ありがとうございますッ!!!!!!」
「と言うかシャナそのスキル何!?しかも当たっているなんて…」
ふふん、と言ってシャナはない胸を張った。盛り上がりは一丁前に存在を強調していたが、誰がどうみても貧乳だった。そのことと、自分のサイズをばらされたエレルはシャナに飛びかかろうとしたが、それを和馬が止めた。
「いいから安内してくれよ。工レルはー体どんな力を使うのか、さ」
「むしろアンタが教えなさいよ。なんなのあの技。術式から性質までまったく理解できなかったわよ」
和馬はうーんと考えはっとなにか思いついたのか頭上にピカーンとライトが現れて光った。
「僕は選ばれた奇跡の人なんだよ!どんな力でも自由自在!!」
「あ、気持ち悪いわ。ゴメン。私、そういうのだめだから。真面目に答えて」
「って言われてもなぁ。僕自身が分かってないもん。どうすればいいのか分からないよ」
そんなものかしら、と言ってエレルは歩いていった。そして、小さな寮についた。
「はい。ここが私の寮。アカデミーを卒業しても、特例でそのまま住まわせてもらってるの。………なんか文句あるわけ?」
3人は硬直した。案内されたのは確かに寮だった。シャナは元々一国の軍人ということもあって驚くのは普通なのだが、純一も和馬までもが固まった。
とにかく、ボロい。
「わ、悪かったわね!私がアカデミーを首席卒業したっていうからもっと大きい所に住んでいると思ってたんでしょ!」
「い、いやぁ…なんか、さ」
「これって、ボロボロとかのレベルではないと思うのだが…これだと、近所のアパートでも借りたほうが良かったのではないか?」
「俺が養うよエレルたん」
「アンタは黙ってなさいよ。お金の節約もしなきゃだし、就職したかったんだけど、落ちちゃったの。不況ってのもあるわ。父さんの研究所に行きたかったんだけど、父さんが許してくれないの……」
「よーし。シャナ、和馬。今から研究所の研究員皆殺しにしてこよう」
「お、まじで?いいじゃん[異国からの侵略者]でしょ?んじゃあ僕魔王♪」
「ならば私は魔女だな。術式基本の私ならば役不足ということもなかろう。……魔女なら黒色だろうな。少々待っておれ。黒色を調達してくる」
「なにさらっととんでもないこといってんのよ」
4人はひとまずエレルの家に入ることにした。と言っても4人が寝転ぶので精一杯の狭い部屋だ。荷物だけ置いてどこかに出かけるつもりだたが、疲れていたのかすぐに眠ってしまう。
真夜中、シャナは人間の気配で目を覚ました
「のぉ、貴公は私に何か用があるのであろう?この3人には手を出すな。何があっても、だ。私はこの様な事に慣れているが、彼らは解らんのでな。無闇に巻き込むでない」
暗くて人間の容姿は見えない。しかし長髪であり、手術服を着ている。色は恐らく白だろう。
「あなたには研究に参加して欲しいのです。シャーナ・ジ・アンケルノ」
「私が元々目的だったか。微弱だが貴公から魔力を感じるな。ここでは有名な龍殺しの劣化体か?原型である私には勝てないと思うぞ?」
人間は手術服から何か小さな発信器らしい機械を取り出した。
「龍殺しの劣化体、通称『龍騎士殺し』の体内には小さな発電機を埋め込まれている。このボタンを押せば、そこにいるエレル・バレルの臓器は停止し、死に至る」
シャナは術式を展開し、詠唱も省略して滅龍の神息を放つ。青白い閃光は発信器を貫いて消える。だが、発信器は破壊されていなかった。
「悪いな。この様な面倒なことは力ずくでどうにかする主義でな・・・・・・!どうして!?」
「魔法の対策をしているだけだ。私としてはシャーナ・ジ・アンケルノに同行願いたい」
人間はシャナの目には消えたように見えた。人間は移動魔法を使ってシャナの背後に回り込んでいる。
右手でシャナの首を打ち、シャナは気絶した。
次回予告
「シャナが…いっぱいいる…?」
ー龍騎士、和馬