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第8章 ~宝玉化~

4人はそれぞれ構えをとり、白龍を見た。

「な、なぁ…結構あいつでかくね?どうするよ」

純一はシャナに聞いた。シャナのほうが龍についての知識が多いと思ったからだが、シャナは少し顔を歪めた。

「方法は…ないわけではないのだが、少々ばかり慣れていない物だからな。危険が伴う」

「いいじゃん!危険が伴うとかなんかめちゃ格好良い!それで行こうシャナ」

「あんたら少しは自重しなさいよ。どっちかと言うと戦闘だから危ないのよ」

「大丈夫だよエレルたん!俺がエレルたんをぜってぇ守るからな!」

「動機が不純よ馬鹿」

白龍は再度氷塊を出現させて放つ。氷塊の大きさは約2メートル程。白い氷塊はそのままエレルに向かって進んでいった。

「っっと、残念だけどエレルたんのは手出しさせねぇ」

純一は持っていた大砲を振って氷塊を弾き飛ばした。

「そろそろ会話やめねぇと反撃できねぇからな。シャナ。その慣れてない物ってのはどんなものでどのくらい時間が必要なのか教えてくれねぇか?」

「うむ。では簡単に言うぞ。要するに龍の固体化を行う。私はただ撃退していただけだからな。そのような技術は身につけていない。まぁ、原理は理解しているからそれからやってみる。と言う物だ。時間は…そうだな。5分もあれば十分だろう」

シャナは地面に魔方陣を書き始め、その中心に立った。魔方陣が起動して光りはじめた。

「では、頼んだぞ。純一の方が守ることには向いているだろうな。和馬の龍はどちらかというと遊撃タイプと言う物だ。守護タイプの海龍種の純一がここに残って戦いの余波を弾いてくれると私は楽だ。やってくれるか二人共」

「……あのー…私ってどうすればいいもんなのかな」

「エレルの力量をあまり知らないのだ。指示を出すのも難しい。今回はここで和馬の力量を見物するといいさ。あいつは分家の王族を殺してしまった男だからな」

「なにそれ怖い」

バサァ!と和馬は自身の翼を広げ、んじゃ、ちょっくら行ってくるわ、と言って白龍に向かって飛んで行った。

「後4分と少し…やっぱり純一も行った方がよかったな」

「ちとばっかし無理な相談だなシャナたん。俺はロリっ娘のためなら命を賭けられる。でもロリっ娘以外には残念ながらなんもできねぇグズだからな」

「本当にグズね」

「もっと罵ってくれても俺は構いません!」

「さぁ、後4分の間和馬は耐えられるかな」


和馬は自身の翼で飛翔し、白龍の真上にいた。龍の力を使っている和馬の皮膚は固い鱗のようになり、緑色を帯びている。

「氷にはとりあえず炎っしょ」

左手に魔力を集中させ、擬似的な炎のブレスを作り出す。

「僕の小説の第3作目、炎使いのアライブから抜粋!いっけぇ『シャイニング・ダーク・フレア』!」

屋上での技だった。輝きを持った黒炎の球は白龍の翼に命中したが、白龍は動じなかった。白龍は仰向けになり和馬を捉えると口から氷属性を帯びた息を吐いた。

「ちょ、寒!ってかダメージほぼなしってどういうことだよ!アライブはあの技で敵の兵士3000人を焼き殺したんだぞ!」

白龍はそんなもん知らねぇよといわんばかりにブレスを吐きつづけた。氷の息のせいで周囲に漂っていた水分が水滴となってあらわれ、水滴も凍った。水滴は少しずつ尖っていき氷をコントロール下に置いている白龍の意志で和馬に刺さった。


「っ痛」

大きさは1センチにも満たない小さな氷塊だが、無数の氷塊は和馬の固い鱗を突き破った。

「痛い痛い痛いって!ちっくしょうなんでこんな一方的にやられんだよ。だめじゃん僕これでも一応主人公だよ僕の人生の。そりゃぁさぁ、何回かは闇の帝王になりたいとか思ったよ?でもさー結局負けちゃうじゃん最後。あからさまな死亡フラグ立てたりしてさ。正義の味方ってさ、なんだかんだ後で勝っちゃうよね。なんで?とかご都合設定でさ。だから僕、正義の味方が超活躍する話が8割越えてんだよねー。んで、こっからの逆転劇がいっちゃん格好良いと思ってる話に主人公の技が」

自分の上を指差し、勝ち誇ったようにニヤッと笑った。

「第44作目、炎帝の後継者赤髪のテスタロスから抜粋。『擬似太陽神ラーテス』」

和馬の頭上には赤く輝く炎の塊があった。炎の塊は徐々に形を人の形へと変え、頭部は鳥の形となった。そのさらに上には直径5メートルくらいの炎の球があった。

「『神罰』。って書いてたけど、炎の球だから、『天罰、燃え盛る大地』にしようかな…あ、でもそれだと地面が燃えてるっぽいか…うん。神罰でいいや」

白龍はそのからだで危険を感じた。あれだけはまずい、と直感で感じ取っていた。とっさに氷塊を作りだし、炎にぶつけてた。

「あ、そうそう。カレンさんの台詞使わせてもらおうかな」

和馬は腕を振り下ろし、『神罰』を白龍に放った。

「圧倒的な力の前では属性なんて関係ないんだよ」

白龍に命中した『神罰』は白龍を炎で包み込み、白龍は落下した。


「まじかよ和馬。そんなの聞いてないぜ…」

下で和馬の技を見ていた純一はつぶやいた。和馬の技を始めてみたが、どう考えてもあんな技を炎龍の使い手であるカレンですら使えるかどうか分からない。一種の召喚魔法かとも考えたが、召喚された物体から魔力が感じられない。謎だった。

「私も予想外だ。一体なんの技を使ったかどうかさえも分からんよ」

「へ、へぇ~あんたらってつ、強いのね~」

3人ともそれぞれよく分からないな、と言う結論を下した。

「あ、もうできるぞ。和馬を龍から離さねばな」

シャナは杖を取り出してヒョイっと振ると、和馬が4人の前に現れた。

「簡易的な召喚魔法だ。半径5キロ圏内ならば、召喚できる」

軽く説明をしたシャナは、3人に下がるように言った。おとなしくそれを聞き入れた3人は後ろから龍の固体化を見ることにした。

右手を白龍に向け、目を閉じる。

「我が名はReturn875(必ず返す)我が魂を糧に龍を結晶化せよ」

白龍と魔方陣が共鳴するように震え、光った。徐々に小さくなっていく白龍とは対照的に魔方陣は大きくなっていく。そして白龍は龍の形を失い丸い宝石になった。

「ふぅ…これで終わりか。案外簡単なものだったな。時間はかかるが、今でも専門の研究員がいるのはそのおかげだろうな。………おいお前ら何をしている」

3人は結晶化され、宝石になった白龍のところにいた。

「やっべぇ超綺麗じゃんどんだけだよめちゃ格好良いよ」

「綺麗~!この丸いフォルム!無色でも少し白いこの色合い!もう完璧だわ~!」

「エレルたんのほうがもっと綺麗です」

「おいこら私にはなんの言うこともないのかそうか私がいちいち面倒くさいのに原理から演算してこの呪文まで至って形状や色まで指定することに成功して、さらにより最適化を図るために施した新しい術式まで考案した私にはなんの労いもないのかちくしょう」

キラキラと目を輝かせ、ジッと結晶化された白龍を眺めている3人は、シャナが何を言ったのかまったく理解していない。

「やっべぇよ超格好良いよ!」

「私これ欲しい」

「エレルたんが欲しいです」

額にシワを寄せたシャナはどす黒いオーラを出しながら3人に近づいた。そのオーラでやっと気がついた3人は振り向いてシャナを見る。

「シャナさんマジすっげぇっす」

「憧れます!」

「その肢体に目を奪われます!」

「ちょっと後で純一は殺すとしてお前ら。それは私が預かる」

「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええ!?!?!?!?」」」

「私が作った『宝玉』だからな。所有権は私にある」

「僕が白龍倒しました!」

「倒しただけだがな」

「私、一番戦力的に弱いです!戦力補強のために!」

「まず、それをあげたところで変わらんな」

「白龍は水を凍らせてました!俺の術式の幅が広がると思います!」

「貴様の事情など知らん。それは私が預かる。必要な時に わ た し の は ん だ ん で 使わせよう」

シャナはない胸を張り、杖をひょいっと動かして杖の持っていない左手に召喚した。

「ではエレル・バレル。ノゥンへの案内、よろしく頼むぞ」

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