解放…
「とりあえず君は危なすぎる。ちょっと場所を変えるよ。ホルン!ガイル!あとの2人は任せる!」
そういうと俺の目の前の男が俺に突進してきた。これを迎え撃とうとした俺はふと嫌な気配を感じスキルで防御に全力で集中した。
俺は吹き飛ばされた。
「ご主人!」
「ご主人様!」
シエルとコノハの声が聞こえたがそれも一瞬だった。俺はかなり吹き飛ばされたようだ。
「痛ぁ…これは手厳しいな。」
俺のスキルの人形を何体か並べて衝撃を防いだがそれでもかなり飛ばされた。どうやら殴られたようだ。
「子ども相手にひどくないかな?」
「残念ながら君のような醜悪な存在を子供とは言わないよ」
先ほどの男が物陰から現れた。どうやら吹き飛んだ俺を追ってきたらしい。こちらに来てくれて良かった
「言葉も悪いと来た。ほんとに神に仕えるものの所作なのかな。」
「残念ながら私は生臭坊主でなそういったことは諦めているんだ。」
「しかも相手に名乗らせて自分は名乗らないと来た。ホントどういう教育されてきているんだが…」
「それは失礼したね。私はアルベルト・ノアーズ。聖騎士にしてフローリス教国円卓騎士団第10席に連なるもの。そしてこの世界にはびこる邪を討つものだ。」
「それはご丁寧にどうも!【空棘】!」
俺はスキルを唱えたがいとも容易く避けられた。
「話の途中の攻撃も教育が悪いんじゃないの?」
「生憎邪なものなので」
俺は人形を相手に突進させた。
だが、、、
「こんなものかな?」
なんであんな人形を殴って壊せるのかな?
ほんとに油断できないな。
そこでとっておきを見せることにした。
「爆ぜろ」
人形が爆散した。辺りが黒煙に包まれた。まあ、夜だから実際に見えるものではないが…
「君もなかなかおかしい存在だね…」
「サプライズには驚いたけどただそれだけで何の問題もないよ。」
誰にも見せたことなかったのに速攻で対処されていた。
「次はこちらから行くよ」
そういうとまた突進してきた。どうやらただの体術のようだが出が見えない。
「ふっ!」
「ぐっ…!!」
痛すぎる。また殴られたようだ。今度は吹き飛ばされなかったがダメージは着実に負っていた。
「このまま殴り殺されるか?どうやら逃げ道を探しているようだが先ほど吹き飛ばしたのは戦線を分けるためだ。もうしない。速さも私のほうが速いようだ。何か隠しているなら速く見せろ」
「俺はあまり戦闘は好きじゃないんだよ。でも、まだ死にたくないなぁ…」
「何を考えてるかわからないけどこのまま死んで。」
「はぁ、、、」
辺りに異質な気配が充満した。
「なんだこの身が凍るような気配は?」
「【絶零戦線】」
辺りからヒトガタが続々と現れ辺りを埋めていく。セットしておいた“八甲田”が活躍したようだ。
「もう痛いのは嫌だからね。抵抗させてもらうよ。」
白い息を吐きながら俺は深く息をついた。
「ずいぶん兵士を出したようだけどこの程度でどうにかされるほどやわではないよ。」
アルベルトは次々に兵士を殴り倒していく。大量にいた兵士が少なくなっていく。だが…
「これじゃ意味がないようだね。」
兵士は次々に召喚できるため壊される事に補填していく。
「ならば直接叩くまでだよ!」
直接こちらに向かってきたアルベルトを俺は殴り飛ばした
「がぁっ…!」
「…。」
「なぜ私を殴り飛ばせる!」
「自分から手の内をさらすほど俺はバカじゃないよ」
このスキルの真価は他にある。それに気づくまでには倒したいんだけどな…
「【空棘】」
「ぐっ…!」
わきばらに穴があいた。致命傷は避けたようだがどうやら終わりのようだ。
「終わりだね。」
「なるほどね。君の能力が向上したのではなく私の運動能力が下がっている。あの兵士にデバフ効果でもあるのかな?」
「こんな短時間で分かるのはすごいね。でも今分かったところで何の意味もないよね。俺は敵には容赦しないよ。とどめを刺してあげる。」
「何を終わった気でいるんだい?【解放】!」
その時俺は嫌な予感がして全力で後ろに飛び退いた。目の前には右手が落ちていた。どうやら俺のだ。
「君を強者…邪悪だと敬意を払ってここからは全力で行かせてもらう!」
彼の手には剣が握られていた。どうやらあの剣で右手を落とされたらしい。
「まだ隠していたんだね。もうホントに嫌になるよ。」
「私は君との戦闘にわくわくしているよ!ここまで追い込まれたのは生まれてから初めてかもしれない!」
だが、俺にはスキルの能力で召喚した兵士が周りを囲んでいる。幾ら戦闘能力が上がったとは言え問題はないはずだ。
「いけ!」
「邪魔だ!」
彼が剣をひとふりするだけで周りの兵士が壊滅した。
「このようなおままごとはもう通用しないよ!君も本気で向かってきて!」
彼はこちらに向かって突進してきたが俺が目に追うことはできなかった。気がつけば身体に切り傷が大量にできていた。
「がはっ!」
多量の血が地面を濡らす。どうやら切られたらしい。どうやらスキルのデバフは利いていないらしい。
「やっちゃった。また一瞬で終わっちゃったね。がっかりだよ。」
「あまりにも反則すぎるね。それは君の能力かな?それとも剣の能力かな?」
「答えはどっちもだよ。ルーク・アイクホルスト君はもう終わりなのかい?」
「…。」
「久々に強者にあったのにこれじゃあ期待ハズレもいいところだよ。」
「…。」
「もう聞こえないかな?じゃああとはあっちの仲間2人を殺して終わりかな。あっちはそこまでワクワクしないんだよな。」
そう言って脇腹の傷を治そうと回復魔法をかけたアルベルトはその場を全力で飛び退いた。
「まだ生きていたんだね。よかったよ。」
「はあ、ホントにイライラするな。君は強すぎる。あまり使いたくないんだけど俺も死にたくない。ムカつくな。」
アルベルトは冷や汗が流れるのを止めることができなかった。自分の中の直感が逃げろと言っていた。だがそれもできなかった。
目の前の何者かへの対応を考えていた。
そしてチラリと先ほど立っていた場所を見ると
地面が溶けていた




