力試し…
「ところで次の目的地は決まっているのか?」
シエルが問いかけてきた。そこは俺も迷っていたが実験を優先しようと思っていた。
「とりあえずシエルを連れて行くってなるとこの国には居ないほうがいいのかなぁ〜」
「まあ、確かに私の顔を知っているやつは多いからな。」
「まあ、そうだね。ところでシエル、体調とかに問題はないの?」
「うむ、あまり生きていた頃との差異はないように思う。だが、まだこの身体になってから実践は行っていないから少し試したいな。」
「そうなんだ。まあ、そのまま魂を入れてるからねシエル本人であることは間違いないから大丈夫なのかな?そこも両親に聞いてみれば良かったかなぁ。」
「まあ、これからでてくるかもしれないな。少し気になることもあるしな。」
「じゃあとりあえず魔物退治で様子を見てみようかな。」
「うむ。」
そう話していた時にちょうどいい魂が見えた。
この魂の形だと人間のようだ。しかし人数も結構いた。この感じだと盗賊かな?
「ちょうどいい相手がいたようだな。」
「シエルわかるの?」
「うむ。さっきの少し気になると言った話だが私は魔力操作が苦手でな。気配探知も苦手だったんだが魔力での感知ではなく魂での感知ができるようになったらしいんだ。」
「結構差異あるじゃん!ていうからしいって何?」
「うむ、なんと説明をすればいいのかわからん。私も得意ではないから聞いた話だが気配探知は相手の魔力を感じで探知するらしいんだ。」
「そうなんだ。」
「だが今は魔力を感じているというより生きた魂といえばいいのか生命の燃焼を感じている。まあ、簡単に言うと生きた生命が大雑把に分かるといった感じだな!」
「もしかしてそれってかなりのチートじゃない?」
「そうだな。これはおそらく擬態や透明化といった魔法も感知できると思う。剣士の私にはとても頼もしい能力だな。おそらくご主人の遺伝ではないか?」
「そうだね。おれもそれはできているからおそらくそうだろうね。ていうか透明化の魔法もあるの?」
「あるぞ。高度の魔物になるとそれを使って攻撃する種族もいる。ここには居ないがドラゴンとかがそうだな。彼らは知性があるから透明化して空を飛び回っているらしい。それを探知できるのもあまりいないからな。」
「そうなんだ。ていうかドラゴンか〜仲間に欲しいんだけどな〜」
「ご主人の能力は魔物や動物でも可能なのか?」
「可能だよ。あ、ていうかそろそろ来るみたいだよ?一人で大丈夫?」
「うむ、この程度ならどうということはない。」
なんとか話をそらすことに成功した。危ない危ないどうやら俺は話すのが好きらしい。次からは気をつけないとな。
「じゃあ済ませてくるな。」
「頑張って〜」
そうしてシエルは自分の剣に手をそえた。
実は彼女の剣は日本刀のような片刃の剣だ。実はあまりこの世界で見たことはない。まあ、俺が実際に見たのはこの領地だけだから他にはあるかもしれない。まあ、探そうとも思ってなかったしね。
「なんだガキと女が一人か。だが女の方は高く売れそうだな。お前ら!あまりキズをつけねぇようにな!」
「了解!」
人数は10後半くらいかな?他の奴らは他に行ったらしい。どうやら甘く見られているな。こうして1対多の戦闘が始まった。状況は圧倒的だった。
「なんだこんなものか」
「なんなんだこいつは!どうなってんだ!」
そこら辺に男の首が転がっている。汚いな…
どうやらシエルは実践と言っていたが自分の力を確かめるために一瞬で決着…はしないらしい一人一人と首が飛んでいた。
あれだけ居た盗賊も残すは指揮官?一人となっていた。
「くそっ!」
おっシエルに向かっていったな。
あ、首が飛んだ。終わったかな。
「ご主人どうだった?」
「うん、上出来じゃない?で?動いてみてどうだった?」
「どうやらかなり進化したようだ。おそらくだが一度死んだことで生きている時代に身体に負荷がかからないように無意識に制御していた分がなくなった。」
「それはとんでもないね。」
「うむ、考えたことがそのまま行動に移せる。しかも以前の数倍下手すれば数十倍の力を手に入れてるらしい。」
「それなら戦力としては十分だね。」
「これでご主人の力になれるが必要なのかは分からんがな。今ならわかる。私が勝てる領域ではないらしいな。」
「わかるの?」
「格が違う。圧倒的な力の差があるというレベルではないんだ。言葉通り格が違う。私では底が見えん。」
「シエルが思ってるほどではないよ。頼りにしてるさ。」
「そうか。そう言ってもらえると助かる。だが、この力もすべて使ったわけではないから鍛錬あるのみだな!」
そう。シエルはスキルを使っていない。今回は相手が悪かったのか純粋な剣技だけで倒していた。彼女が力をすべて使いこなしたら…
「楽しみだなぁ」
その言葉は心地よいそよ風と一緒に空へ消えていったのだった。




