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破滅の中で  作者: ふてん
6/6

実験

「はぁ……」

恭弥は深いため息をつき、ベンチにゆっくりと腰掛けた。


「なぁ。恭弥、あのスキルってやつ、何もらったんだよ?」

「いや、スキルはいいんだよ。なんか『同化』とかいうやつ」

そう言った瞬間、恭弥の姿がふっと消えた。


「!?」

驚いた結城はベンチから立ち上がる。

「どうした?」

さっきまで恭弥がいた場所から、声だけが聞こえた。

「恭弥……お前の体、見えないんだけど……」

「はぁ? 俺ここにいるだろ?」

と、半笑いで言いながら、結城の肩を叩いた。


「!!?」

誰もいないはずの場所から肩を叩かれ、結城は声にならない悲鳴を上げる。

慌てて肩を見やると、そこにはうっすらと人の形をした空間があった。

やがて、そのぼんやりとした影は徐々に色を取り戻し、恭弥の姿が現れた。

「恭弥、お前、今ほぼ透明だったぞ」

「え、いつから?」

「お前がスキルの名前を言ったあたりから……」

「あぁ、どうk──」

「ちょ、待て!」

慌てて結城は恭弥の口を塞いだ。

「簡単にスキルの名前言うな! また消えるかもしれないだろ!!」

そう言って結城はようやく手を離した。


(そういえば、俺がもらったスキルは『閃光』と『詳細』だったよな……?)

「恭弥、その『同化』ってスキル以外に何かもらったか?」

「あぁ、確かもう一つもらった気がするなぁ?」

「『詳細』ってやつか?」

結城がそう言うと、目の前に大きめのスクリーンが現れた。

「あ、そうそう」

「試しに『詳細』って言ってみ?」

「詳細」

恭弥がそう言うと、今度は恭弥の前にもスクリーンが現れた。

「うわ! なんか出てきた!」

(俺には恭弥のスクリーンが見えないのか……)

「俺のこの画面、見えるか?」

「いや、見えないな……」

「どうやら他人の画面は見えないみたいだな……」

そう言って、お互いに自分の画面を確認する。

*****【結城千尋のステータス】*****

HP: 522/523

SP: 300/342

ATK: 48

DEF: 54

SPD: 81

状態: なし

行動レベル

・善行Lv1

保持スキル

・詳細

・閃光


※不明点がある場合は不明な箇所に触れてください


**********************

【説明】

・HP…なくなると死ぬ。睡眠で回復。

・SP…スキル発動時に消費。枯渇時はHPが徐々に減少。食事や睡眠で回復。

・ATK…攻撃力

・DEF…防御力

・SPD…素早さ

**********************



(HPがなくなると死ぬ? なんだよそれ、まるでゲームじゃねぇか……)


「これ、俺たち……どうなっちゃったんだろ?」

結城が恭弥に問いかけた。

「わかんねぇ……」

「っていうか千尋、お前スキル何もらったんだ?」

「ちょっと試してみる」

そう言うと、結城は恭弥から50mほど離れた。


「閃光!」

指先から巨大な光が炸裂した。

バァァァッ!!

眩しすぎる光があたりを覆い、一瞬、何も見えなくなる。

「うわっ!? 目、目が……!」

恭弥が顔をしかめながら目をこする。

(……めちゃくちゃ光ったけど、これ何に使うんだ?)

「……なんか、地味だな」

「言うなよ……俺もよくわからないんだから……」


「そういやさっき、お前スキルを隠そうとしてたけど結局、何だったんだ?」

「だから、スキル自体は別に問題ねぇんだよ……ただ……」

「ただ?」

「レベルが……」

「………」

「上がったレベルが『臆病者Lv』だったんだよ!!」

と、少し怒ったように恭弥が叫んだ。

思わず結城は吹き出した。

「お前……ははっ……! 『臆病者Lv』って何だよそれ!?」

「笑うな!! 誰にも言うなよ……!」

仏頂面で結城を睨む恭弥。

(そういや、さっき『ラッキースケベ発生率アップじゃない』とか言ってたけど……)

(透明になれるって、遠からずも近からずじゃねぇか…)

・同化

 5分間あたりの風景と同化する。

 よく目を凝らすとぼんやり人の形が見えてしまう。

獲得方法

 臆病者Lvが上がることでランダム付与

消費SP:10

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