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破滅の中で  作者: ふてん
2/6

翌朝

翌朝、目を覚ますと、いつも通りの変わり映えしない日常が広がっていた。

「ああ……結局、死ねなかったのか」

ぼんやりと天井を見上げる。

昨晩の熱はすっかり引いて、体も少し軽くなった気がする。

「念のため、今日も学校休んでおくか……。ぶり返したら面倒だし」

結城はリビングに向かい、TVを眺めながらうとうとしていた。

気づけば、もう14時を過ぎている。

「やば……もうこんな時間か。腹減ったし、なんか食うか」

冷蔵庫を開ける。

「……まあ、そりゃそうだよな」

中身はほとんど空っぽだった。

四日間も風邪で寝込んでいたのだから当然だ。

「仕方ない、買いに行くか……」

結城は部屋着から着替え、近くのスーパーへ向かった。


「野菜、高すぎるだろ……」

ぶつぶつ文句を言いながら、必要なものを買い物カゴに入れていく。

レジへ向かおうとした、その瞬間——

「……ッ!?」

突然、強烈な耳鳴りと頭痛が襲ってきた。

視界がぐらりと揺れ、結城はその場に倒れ込む。

「な……何だ、これ……」

割れるような痛みに、思わず呻いた。

発狂しそうなほどの頭痛だったが、なんとか耐える。

「我慢……できる……長男だから……

……まあ、兄弟どころか、親もいないけどな」

ふと、以前見たアニメの主人公のセリフを真似て、苦笑する。

——そのとき。

《……マス》

不意に、耳元で誰かの声がした。

《世界のシステムを変更します…》

《少々お待ちください……》


「またこの声だ」

遠くで、複数の奇声が響く。

頭の中で警報のように鳴り響く不気味な音。

次の瞬間、意識が闇に沈んだ。

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