第38話 呪の
お待たせ致しましたー
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(……邪魔をしようとしたか、紅狼よ)
その者は、近くに居た。
あの血溜まりの近くにいた、女官の肉体を破壊したことについては、何も罪悪感を持っていない。
利用する手段として。
女ひとりなど、何も価値はない。あの女官は、妃のひとりに仕えているだけの替えの利く存在でしかないのだから。主人である妃が泣こうが喚こうが関係ない。その苦しみを、ひとつ与えたのは妃だけではなく、あの朱色の髪の九十九を持つ少女……恋花に与えんがため。それを依頼されたのだ。
呪いは、呪。
望めば望むだけ、呪は膨らむだけ膨らみ……募ったものはそれだけ効果を得る。その結果が、あの女官の死だっただけだ。
このようなことなど、まだまだ序ノ口のひとつに過ぎない。
己に呪の依頼をした者は、気づいているかどうかわからないが……呪はかけた者に還ってくる仕組みである。この場合術士よりも、依頼した側だ。あの者は気づいているだろうか。こちらは対策があるからなんともないが、あれだけ強い想いを抱いているのだから……無事では済まない。
死か、それよりも酷い生き方か。
どちらにしても、己には関係がない。ただ受けた理由は、玉蘭の孫を傷めつける機会を得られたから……ただそれだけ。
己を貶めたあの憎き女の孫には、相応の処罰を降したいのだから。
ひとまず、現場を遠目で眺めていたが、隻眼の武官に気づかれてはいけないのですぐに離れることにした。
次回はまた明日〜




